作家・あざの耕平と谷口廣次朗プロデューサーが語る『コードギアス』新ストーリー制作の裏側 | アニメ!アニメ!

作家・あざの耕平と谷口廣次朗プロデューサーが語る『コードギアス』新ストーリー制作の裏側

250万ダウンロードを達成し、ただいま記念ログインボーナスや、無料10回キャラ召喚などのキャンペーンを展開しているスマホ向けRPG『コードギアス Genesic Re;CODE』(『ギアジェネ』)。

インタビュー スタッフ
注目記事
『コードギアス Genesic Re;CODE』ビジュアル(C)SUNRISE/PROJECT GEASS Character Design(C)2006-2008 CLAMP・ST (C)SUNRISE/PROJECT G-AKITO Character Design(C)2006-2011 CLAMP・ST (C)SUNRISE/PROJECT L-GEASS Character Design(C)2006-2017 CLAMP・ST (C)SUNRISE/PROJECT L-GEASS Character Design(C)2006-2018 CLAMP・ST (C)SUNRISE/PROJECT Z-GEASS Character Design(C)2006-2021 CLAMP・ST (C)SUNRISE/PROJECT G-GEASS Character Design(C)2006-2021 CLAMP・ST
『コードギアス Genesic Re;CODE』ビジュアル(C)SUNRISE/PROJECT GEASS Character Design(C)2006-2008 CLAMP・ST (C)SUNRISE/PROJECT G-AKITO Character Design(C)2006-2011 CLAMP・ST (C)SUNRISE/PROJECT L-GEASS Character Design(C)2006-2017 CLAMP・ST (C)SUNRISE/PROJECT L-GEASS Character Design(C)2006-2018 CLAMP・ST (C)SUNRISE/PROJECT Z-GEASS Character Design(C)2006-2021 CLAMP・ST (C)SUNRISE/PROJECT G-GEASS Character Design(C)2006-2021 CLAMP・ST 全 7 枚 拡大写真
250万ダウンロードを達成し、ただいま記念ログインボーナスや、無料10回キャラ召喚などのキャンペーンを展開しているスマホ向けRPG『コードギアス Genesic Re;CODE』(『ギアジェネ』)。

6月1日に公開した新シナリオ『コードギアス 霧京(むけい)のアーサー』では、『東京レイヴンズ』のライトノベル作家「あざの耕平」氏をシナリオライターに迎え、シャーロック・ホームズをモチーフとしたゲーム・オリジナルストーリーを繰り広げた。

6月17日にはその公開を記念し、『ギアジェネ』『コードギアスプロジェクト』『アニメ!アニメ!』のTwitter3アカウントが合同で公開インタビューを開催。今年4月に開催した同企画の第2弾として、『コードギアス』プロジェクトの谷口廣次朗プロデューサーとあざの耕平氏を招き、Twitterスペースにて公開対談を実施した。

『霧京のアーサー』の企画経緯、キャラクター誕生の秘密、今後公開される新ストーリーなど、本稿ではその公開対談をもとに、出席者の発言を要約しつつお届けする。

[構成・文:気賀沢昌志]

企画案は2つ! 幻の「アル・カポネ案」とは?


――あざの耕平さんにシナリオを依頼したのは、いつ頃のことだったのですか?

谷口:2019年の、ちょうど今くらいの季節だったと思います。具体的な話ではなく、まずは『ギアジェネ』でこちらがやりたいと思っていることをお伝えさせていただきました。

あざの:当時はまだ2人とも面識がなく、取りついでくれた方から「『コードギアス』のプロデューサーから話があるみたいですよ」と言われたんです。ですから緊張しながら打ち合わせの場に行きました。

『ギアジェネ』の企画をうかがったときは、少し「マズいぞ……」と思いましたね(笑)。あえてルルーシュをメインから外した形でしたので、それは厳しいだろうと。ただその後に、谷口さんから「作品の世界観を広げたい。ルルーシュ抜きでも戦えるコンテンツに育てたいです」とうかがい、その熱意に押される形で「私で良ければぜひに」とお答えしました。

谷口:そうおっしゃっていただいてありがたかったですね。これは『コードギアス』に限らずどの作品にも言えることですが、長寿でシリーズを展開したいと思っても、主人公ひとりではコンテンツを支えきれないことが多いんです。もちろんルルーシュは今後もシリーズの中心で活躍していくのですが、多くのクリエイターさんが関わることでもっと世界観が広がって欲しいと思い、突然ではありますが、あざのさんにコンタクトを取らせていただきました。

あざの:本当にびっくりしました(笑)。

谷口:そのあとに簡単なストーリー案を2ついただいたんですよね。

あざの:アル・カポネをモチーフにした映画『アンタッチャブル』のような案と、『霧京のアーサー』の雛形になったホームズ案の、どちらかをやりたいですと。

『コードギアス』は、神聖ブリタニア帝国ができた18世紀から19世紀あたりから我々の歴史と分岐する物語ですから、やるなら分岐した後の時代がいいなと思いました。『コードギアス』らしい物語が描けますからね。それでいてルルーシュたちの時代から距離を取ることで新しいものを見せたいと思いました。

結果としてホームズ案に決まったのですが、もしアル・カポネ案をやるとしたら、神聖ブリタニア帝国のナイトメアフレーム開発史をやりたいと思っていました。

谷口:歴史の「すり合わせ」はかなりやり取りをしましたね。『コードギアス』は、18世紀の市民革命が成功したifの世界を舞台にしています。そのためヨーロッパの王族や貴族がアメリカ大陸に渡って神聖ブリタニア帝国を築くので、アメリカ大陸の歴史設定が厚い一方、スポットライトから外れたヨーロッパはほぼ設定がありません。ですからそのあたりを相談しながら執筆を進めていただきました。

あざの:英国は女王陛下の統治ではなく共和国制、神聖ブリタニア帝国が支配するアメリカ大陸は貴族制と、実際の歴史とは反対の状況になっているんですよね。

谷口:『霧京のアーサー』のキャラクター設定も、その逆転現象から発生したものがありました。たとえばシャーロック・ホームズをモチーフにした主人公「アーサー・ホームズ」です。ホームズといえばパイプですが、『霧京のアーサー』ではタバコになっているんですよ。


アーサー・ホームズ【画像をクリックしてフォトギャラリーへ】
あざの:状況の逆転現象もそうですが、『コードギアス』はサクラダイトの影響で、19世紀から急激に電気工学が進んでいるんです。それでキャラクターの身近なところに電気製品を置きたいと思い、ライターを持たせることにしました。パイプではなく煙草にしたのも、それならいっそ煙草にした方が特徴的だろうと考えたからでした。

谷口:ホームズを発明家にしたのもあざのさんのアイデアでしたね。

あざの:単に探偵として描くのが気恥ずかしかったのが本心です(笑)。それに、探偵のままでは『コードギアス』を象徴するサクラダイトの設定に触れられませんから。

谷口:ただ、その発明品のせいでコナン・ワトソンが被害を……(笑)。

あざの:キャラクターの関係性も、そのあたりから紐づく形で決まっていきましたね。

谷口:あとこちらからお願いした部分ですと、「ギアスは必ず誰かが身につける」「ギアスの対抗手段としてナイトメアを何らかの形で出す」「シリーズを通してのテーマである『復讐』を踏まえる」の3つがありました。

『ギアジェネ』に関する部分では、どんなに小さな扱いでもギギを出してくださいとお願いしました。ギギは今後公開される第3章以降でチラッと登場する予定ですので、その部分にも注目してもらえると嬉しいですね。

――さて、今回の公開インタビューに合わせて事前にユーザーさんから質問を募集していたので、ここからはそれを踏まえた質問をさせていただければと思います。まず現在名前だけが登場している「銀助」というキャラクターについて、気になっているユーザーさんがかなりいらっしゃるようです。

あざの:銀助は、アーサー・ホームズ、コナン・ワトソン、クラウス・レストレード、モリアーティと違って、本家『シャーロック・ホームズ』には登場しないオリジナル・キャラクターです。歴史上の人物をモチーフにしているものの、その人物をそのまま登場させているわけではありませんから、名前の元ネタくらいの感覚で受け取ってもらえると嬉しいですね。銀助は日本の要素を絡めたいと思って登場させたキャラクターであり、作中では、貴重なサクラダイトを特別なルートで融通してくれる便利な役どころです。

谷口:銀助もギギと同様、詳しくは3章以降をお楽しみ……といったところですね。

――木製のナイトメアフレームについても質問を頂いています。これは先ほどおっしゃっていた、「どこかでナイトメアを登場させる」を踏襲した設定でしょうか。

谷口:木製のナイトメアフレームは、十文字青さんに執筆をお願いした『不転のトシゾォ』という別の作品で作られた設定です。あざのさんと打ち合わせをする中で、ちょうど時代が近い『不転のトシゾォ』の話になり、それで木製のナイトメアフレームの設定を使うことになりました。


不転のトシゾォ【画像をクリックしてフォトギャラリーへ】
あざの:個人的にクロスオーバーの要素が好きですし、せっかく同じ作品内の設定ですから、谷口さんを通して十文字さんのご許可をいただきました。

谷口:設定のつながりで言えばクラウス・レストレードもそうですね。彼は『亡国のアキト』に登場するクラウス・ウォリックのご先祖になります。ファミリーネームは違いますけど。


クラウス・レストレード【画像をクリックしてフォトギャラリーへ】
あざの:弟の方の家系です。僕自身、クラウスというキャラクターが好きなので、レストレードを登場させるにあたり「クラウスをモチーフにしても良いですか? どうせならご先祖という設定にしても良いですか?」とお願いしました。

――クラウス・レストレード役を担当された興津和幸さんも、それを踏まえた演技をされているのでしょうか?

谷口:おそらく。興津さんには、収録の際に「藤原啓治さんが演じられたクラウスの祖先です」とお伝えしていましたからね。

あざの:個人的な感覚ですが、若干、藤原さんに寄せているように思いました。

――配役はどのように決まったのですか?

谷口:音響監督に、アーサーは甘い声だけどひどいことをするやつ、コナンは芯があって強そうではあるけど振り回されるタイプの人、レストレードはいい大人であり悪い大人である……とイメージを伝えて決めてもらいました。

実はアーサー・ホームズ役の斉藤壮馬さんは、『憂国のモリアーティ』というアニメ作品でモリアーティを担当されていたことがあるんです。そのため、斉藤さんは「ホームズもモリアーティも演じられて楽しかったです」とおっしゃっていました。

――メインどころのキャラクター以外では、ハドソン3姉妹についての質問もありました。3姉妹の詳しいプロフィールは、今後、どこかで発表するご予定はあるのでしょうか?

谷口:アーサーやコナンは、あざのさんにプロフィールを作っていただきましたが、ハドソン3姉妹はさすがに……。

あざの:僕のPCに埋もれているメモ書き程度なら(笑)。探さないといけないので、この場でパッとお答えするのは難しいですけど、とりあえず3姉妹はそれぞれ7歳差です(笑)。長女と次女が7歳差、次女と末っ子が7歳差です。

――ありがとうございます。それでは最後に、『霧京のアーサー』の今後の展開と読者へのメッセージをお願いします。

あざの:『霧京のアーサー』は今後もシリアス一辺倒にならず、1章・2章と変わらないノリでお楽しみいただけるかと思います。また、シャーロック・ホームズのどの事件をモチーフにしているのか楽しみにしていただけると嬉しいです。今回は『ギアジェネ』のシナリオの中でも特殊なノベルスタイルで馴染みが薄いかもしれませんが、楽しい物語にはなっていると思うので、よかったらプレイしてみてください。本日はありがとうございました。

谷口:『ギアジェネ』250万ダウンロード、本当にありがとうございました。今後も著名作家陣が描く物語を楽しみにしていただきたいのですが、まずは、あざのさんに書いていただきました『霧京のアーサー』にどっぷりハマっていただいて、世界観を楽しんでもらえたら嬉しいです。個人的には途中から冒険小説を読んでいる気分になりましたから、みなさんもぜひアーサーたちの活躍にご期待いただければと思います。

本日はお付き合いいただき、ありがとうございました。


(C)SUNRISE/PROJECT GEASS Character Design(C)2006-2008 CLAMP・ST
(C)SUNRISE/PROJECT G-AKITO Character Design(C)2006-2011 CLAMP・ST
(C)SUNRISE/PROJECT L-GEASS Character Design(C)2006-2017 CLAMP・ST
(C)SUNRISE/PROJECT L-GEASS Character Design(C)2006-2018 CLAMP・ST
(C)SUNRISE/PROJECT Z-GEASS Character Design(C)2006-2021 CLAMP・ST
(C)SUNRISE/PROJECT G-GEASS Character Design(C)2006-2021 CLAMP・ST

《気賀沢昌志》

特集

この記事の写真

/
【注目の記事】[PR]