3月26日から27日にかけて、東京ビッグサイトにて開催中の「AnimeJapan 2022」。新たな時代のコンテンツ制作を目指す複合カンパニー、ISARIBI株式会社が出展するブースでは、新メディアミックスプロジェクト『swing, sing』に関わるトークショーが開催された。
『swing, sing』は、ジャズを題材にした少女たちの青春グラフィティ。長野の自然に囲まれたカフェ「プリムローズ」を舞台に、都会から転校してきた八乙女菫(やおとめすみれ)が、1人でカフェを切り盛りする百瀬百々(ももせもも)と出会うことで物語が動き出す。コーヒーの香りと音楽に囲まれて、ゆったりとした時間を過ごす女子高生たちの日常を音楽とコミックで展開していく。
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ISARIBIのブースでは、主人公たちのスタンディと、大型モニターでキャラクター紹介がされていた。また、公式コスプレイヤーに任命された来栖うさこと鈴乃が無料のスペシャルサッシを配布も実施。テーマソング『Harmony』も収録された初回限定スペシャルCDが付属するこの冊子は、キャラクターのプロフィールや制作陣のコメント、原作コミック0話も収録されており、読み応えある内容だ。また来栖うさこと鈴乃の撮影会も開催され、ブースにはたくさんの人が訪れていた。
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同ブースでは14時から、原案・原作の伊澄アキ、音楽プロデューサーの早川博隆(Rebrast)のトークが実施された。これまでも『ライブレボルト』などのコンテンツでともに仕事をしてきた2人。伊澄氏は、音楽を肌で感じるための場所がコロナ禍で失われつつある現状への危機感から始まった企画だと語った。音楽ライブで声を出せるようになるにはまだ時間がかかるため、声を出さずとも楽しめる音楽ジャンルとしてジャズに注目し、伊澄氏が学生時代にジャズ研究会に所属していたこともあり、今回の企画が生まれたそうだ。
また、ジャズをフィーチャーしつつも、それに限定せず、広くカフェミュージックを取り上げ、フュージョンやカントリーミュージックなども取り上げ、アニメではあまり馴染みのない音楽ジャンルの入口になればと考えているとのこと。
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音楽プロデューサーの早川氏は、今回の企画における音楽のこだわりとして、生演奏の音源を挙げた。ピアノやギター、ドラムにパーカッション、トランペットにサックス、トロンボーンにコントラバスなど様々な楽器のハイレベルな演奏が楽しめるようだ。また、担当声優たちの歌唱も本格的で、普段の歌声よりも高いキーなどにも挑戦しているという。
会場では、5人の主要キャラクターのイメージソングのうち3曲が披露された。歌に自信のある声優たちが、これまでとは異なるジャンルの音楽に挑んでおり、新たな一面を聴かせてくれる。
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5月29日にはさっそくライブイベントが開催されることも告知された。渋谷の本格ジャズクラブ「JZ Brat SOUND OF TOKYO」にてメインキャストの5人、二宮ゆい、廣瀬千夏、田口華有、大橋彩香、田所あずさと生バンドが出演する。
本ライブは無料での生配信を予定している他、公式ツイッターアカウントで実施しているキャンペーンで抽選に当選した人は会場に招待される。
イベント終了後に、伊澄氏と早川氏に特別に話を聞いた。
伊澄氏は、「ジャズは、コロナ禍で声を出せない中でも100%その魅力を味わえる音楽ジャンル。静かに聴けるし、その場の空気感を楽しむのも魅力」と語る。また物語も、選手権を目指すような上昇志向的なものよりも、日常系的な要素のある内容になるそうで、「倒産危機のカフェを救うのが話の中心軸になります。そういう小さい世界で女の子たちが頑張る姿に共感してもらいたいです。日常的な雰囲気の中でも、ドキドキする展開やそれを乗り越えていくキャラクターたちを観て、ファンも嬉しくなれるような内容を目指していきたいです」とのことだ。
また、本格的なジャズクラブでライブを開催する点について、伊澄氏は「僕らの目指すところは、さいたまスーパーアリーナや東京ドームではなくて、名だたるジャズプレイヤーが演奏してきたブルーノートやビルボードライブでやれるようになりたいと思います」と今後の展開への抱負を語ってくれた。
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音楽プロデューサーの早川氏はこれまでアニメやゲームなどでフィーチャーされる機会の少なかったジャズというジャンルに触れてもらうきっかけになればと話す。「アニメファンがジャズの世界に入っていくきっかけになればうれしいですし、新しい世界への架け橋になればいいなと思います」。
また、本プロジェクト全体の展開について、伊澄氏は「カフェが中心の物語ですので、アイドルコンテンツのように20人とかに増やすことはないと思いますが、今後、コンテンツが成長してアニメやゲームの話などがあれば、キャラクターが増えていくかもしれません。生の音にこだわっていますが、ジャズの魅力は生だけじゃないので、エレクトロ・スイングを出す展開なども相談しています」と、今後の展開に含みを持たせた。
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最後に、「今までの二次元コンテンツにはないものを届けたいと思っていますので、『swing, sing』で新しい楽しみを見つけてもらえれば嬉しいです」と意気込みを語ってくれた。
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