さまざまな声色を使い分ける声優さんたち。単純な声の高低差だけでなく、息づかいや音の出し方などを工夫し、そして巧みな表現力でさまざまなキャラクターを演じています。アニメ作品を見ていて「このキャラとあのキャラ、同じ声優さんだったの!?」と驚いた経験がある方も多いのではないでしょうか？
そんな声優さんの中で“七色の声”と評される1人が、福山潤さんです。声優デビュー20年を超える彼は、これまで『巌窟王』や『xxxHOLiC』『おおきく振りかぶって』『おそ松さん』などさまざまなアニメに出演してきました。
続々とスタートしている2021年秋アニメにも多数出演しており、色々な声を使い分けている福山さん。今回、その中から3作をピックアップし、作品や演じるキャラクターについて解説していこうと思います。
■感情の変化を繊細に表現した『コードギアス』
現在、特別版が放送中の『コードギアス 反逆のルルーシュ』は、福山さんの代表作と言っていい作品でしょう。演じる主人公・ルルーシュは、謎の少女C.C.から、他人に自分の命令を強制できる絶対遵守の力「ギアス」を授けられます。この力を使って暗殺された母親の仇をとり、妹のナナリーが安心して暮らせる場所を作るため、仮面で素顔を隠し自らを「ゼロ」と名乗り、レジスタンス組織「黒の騎士団」を結成。世界の3分の1を支配する超大国「神聖ブリタニア帝国」に対し、戦いを挑んでいきます。
ルルーシュは本当にいろんな顔を持つキャラクター。普段はクールでキザな性格で、ナナリーなど心を許している人の前では優しさや愛情を惜しみなく出しますが、「ゼロ」になると一変。“反逆者”として復讐心をむき出しにし、他人を“コマ”として扱う残虐な一面を見せます。
強さ、弱さ、愛情……アニメを通してさまざまな感情を見せてくれたルルーシュ。福山さんは、その感情の変化を繊細に声で表現してくれいます。
■「スナー」がとにかくかわいい！ハイテンションギャグも見どころ『吸血鬼すぐ死ぬ』
2021年秋の新作アニメ『吸血鬼すぐ死ぬ』は、「週刊少年チャンピオン」にて連載中の、史上最弱吸血鬼＆苦労人体質なバンパイアハンター、そしてそれを取り巻くバカと変態たちが繰り広げるハイテンション吸血鬼即死ギャグマンガが原作。福山さん演じるドラルクは、真祖にして無敵の吸血鬼として人々から恐れられているが、その正体は少しのダメージですぐ死んで塵になってしまう史上最弱のザコ吸血鬼。少々お調子者の面があり、「おもしろそう」という理由でからかって騒動を起こします。
通常の声は正統派“イケボ（イケてる声）”なのですが、死んで砂になる時の「スナー」という声がとにかくかわいい！ また、バンパイアハンターのロナルドとのハイテンションなボケツッコミが繰り広げられるギャグシーンでは、福山さんのハキハキとした聴き取りやすい声が映えると感じました。
■福山潤の2種類の声が楽しめる『シンカリオンZ』
2021年4月から放送されている『新幹線変形ロボ シンカリオンZ』は、新幹線が変形するロボット「シンカリオン」とその運転士たちの活躍を描くキャラクターコンテンツで、TVシリーズの第2弾。新型ロボ「シンカリオンZ」の運転士となった子どもたちが、研究所員たちと力を合わせ、再び現れた巨大怪物体を迎え撃ちます。
福山さん演じるスマットは、スマートフォン「超進化モバイルZギア」が変形したロボット。感情豊かで愛嬌があり、二次元コードを読み込むことが大好き。シンカリオンモードに変形後はE5はやぶさと一体化し、主人公・シンのサポートを担当します。
普段のスマットはマスコットキャラらしく高い声なのですが、変形後は低く男らしい声に変身。本作では贅沢にも、福山さんの2種類の声を楽しむことができます。普段の生活をかわいくサポートしてくれ、さらにはバトル中にも戦いをサポートしてくれたり、励ましの言葉を送ってくれるスマット。それが福山さんの声なのだから、子どもだけでなく大人も「欲しい」と思っちゃいますよね。
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この秋だけでも、福山さんのさまざまな声を堪能できるアニメが盛りだくさん。ぜひ以上で紹介した3作を観て、福山さんの声や演技を堪能する秋にしてください。
