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本作は、第152回直木賞を受賞し、累計発行部数35万部超を誇る西加奈子のベストセラー小説が原作。明石家さんまがプロデュースを手がけた劇場アニメ映画だ。
漁港の船に住む2人きりの母娘、肉子ちゃんとキクコの軌跡と成長を描く作品で、劇場公開決定が発表された翌日には声優・花江夏樹のゲスト出演も明らかになり話題を呼んだ。
花江は、キクコの同級生であり、物語の重要な役どころを担う少年・二宮役を演じる。
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今回、そんな花江に本作の見どころや、明石家さんまにまつわるエピソードをメールインタビューでうかがった。
■明石家さんまからのディレクションとは「アフレコにいらしていたんですが…」
――本作は明石家さんまさんプロデュースのアニメーション映画ですが、オファー時のご感想は?
花江:最初に、さんまさんがプロデュースする作品があると事務所経由で資料をいただいたのですが、STUDIO4°Cさんの絵の寂れている感じですとか、漁港町の廃れているような、ノスタルジックな雰囲気がすごく良くて、僕自身好きだなと感じる作品でもあったので、是非受けさせてくださいとお返事させていただきました。
――明石家さんまにお会いされた際の印象は?
花江:子供のころからテレビで見ていた人だ!というのが第一印象で、楽しそうにお話をして下さるのでこちらも楽しくなってしまいました。
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――原作は、第152回直木賞を受賞した西加奈子の累計発行部数35万部超ベのストセラー小説です。原作小説や台本、シナリオを読まれてのご感想、面白かった点は?
花江:肉子とキクコの何気ない会話にクスって笑えるところもありつつも、最後はどんでん返しもあったりして、フィールド的には狭いんですけど、そのなかですごく世界が広がっている作品だなと思いました。
肉子ちゃんの存在感が、原作から本当にパワフルなので映像になって、どれくらいインパクトが出るのかなっていうのが楽しみだったんですけど、それを超えてくるえちから大竹さんのお芝居と、すごくいいですよね。
――花江さん演じる、少年・二宮はどのようなキャラクターでしょうか?
花江:二宮は物語の本筋に関わってくるキャラクターではないんです。でも、キクコと会話する中で、キクコにとっての大切なものを思い出させてあげられるような、導いてあげられるような存在です。
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――役作りについて。演じるにあたって意識した点や、役作りのとっかかりとなった点は?
花江:二宮は不思議な子で、”会話しているようでしていない”、”自分の言いたいことを一方的に投げかけて会話を進める”という、ディレクションが監督からあって、その部分を意識して演じていました。なので、この映画に登場するキャラクターのなかで一番声が小さいんじゃないかなっていう…(笑)
あと、普段、人がしゃべっているときって、いい声出そうとか響いた声を出そうだとか思わないじゃないですか。二宮のような小学生くらいの子どもは、なおさら気が抜けているときはだらだらとしゃべるんじゃないかなと思って。技術的なことよりも、自然と口から漏れ出た言葉の方がいいのかなと考えたりもしていました。
――明石家さんまさんから演技のディレクションやオーダーはありましたか?
花江:さんまさんもアフレコにいらしていたんですが、ちょっと噛んでしまったときがあって、「噛まないように」って言われました(笑)
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――2021年1月21年には「さんまのまんま」にご出演されました。今後、番組などでさんまさんとご共演されたいですか?
花江:緊張しましたが、とても楽しかったです。今後も何かまた機会がありました際は宜しくお願い致します!
――あらためて本作をご覧になる方に見どころやメッセージをお願いします。
花江:幅広い世代の方に観ていただきたい作品ですね。ご家族、お友達、恋人同士で観ても良いですし、観終わった後に、自分にとっての大切な人を思い浮かべて、なにか変わった気持ちが生まれるような作品だと思います。この肉子ちゃんのパワフルさを映画館で観て、元気をもらってほしいなと思います。楽しみにしていてください。
劇場アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』
6月11日(金)全国ロードショー
(C)2021「漁港の肉子ちゃん」製作委員会
配給:アスミック・エース