2014年のTVアニメ放送開始から7年目にして、ついに完結となる本シリーズ。映画鑑賞前にこれまでの物語の流れをおさらいしておきましょう。
『シドニアの騎士 あいつむぐほし』ビジュアル(C)弐瓶勉・講談社／東亜重工重力祭運営局
『シドニアの騎士』とは
『シドニアの騎士』は、「月刊アフタヌーン」で2009年から2015年にかけて連載された、弐瓶勉のSFマンガ。
「奇居子（ガウナ）」と呼ばれる謎の生命体によって太陽系が破壊された1000年後の未来を舞台に、わずかに残った人類が種の存亡をかけて巨大な恒星間宇宙船シドニアで宇宙を旅する様を描いた作品です。
わずかな食料で生きられるよう光合成できるように人類が進化していたり、相手によって性別を変化させるなど、独特の人間観が話題となりました。
ポリゴン・ピクチュアズによって2014年にTVアニメ一期が制作され、翌年には二期『シドニアの騎士 第九惑星戦役』が放送され、フル3DCGを生かしたダイナミックなアクションと高密度な音響で、原作の世界観を見事に映像化しています。
『シドニアの騎士』（C）弐瓶勉・講談社／東亜重工動画制作局
人類をかけた戦いと恋の三角関係
「奇居子（ガウナ）」と呼ばれる謎の巨大生命体に太陽系が滅ぼされた1000年後の未来。わずかに生き残った人類の一部は、巨大宇宙船シドニアに居住地を作り、ほそぼそと繁殖しながら旅をしています。
そんな中、生まれてからずっとシドニアの地下で祖父と暮らしていた少年、谷風長道（たにかぜながて）が、食料が尽きて米泥棒をしたことで捕まります。
その日からシドニア艦長、小林の保護下に入った谷風は衛人（もりと）と呼ばれる大型兵器の操縦士となり、類まれな才能を発揮。奇居子との戦いで幾度もシドニアの窮地を救う活躍を見せるようになっていくのです。
『シドニアの騎士 あいつむぐほし』本予告カット(C)弐瓶勉・講談社／東亜重工重力祭運営局
シドニアの人類は、光合成でエネルギーを作れたり、性別も相手によって後天的に選べるように進化していますが、谷風だけはなぜか旧人類のように毎日の食事が必要です。そんな谷風を気にかける、男でも女でもない科戸瀬イザナ（しなとせいざな）や、星白閑（ほしじろしずか）との一風変わった三角関係、ライバル意識をぶつけてくる岐神海苔夫（くなとのりお）らとの人間関係が濃密に描かれます。
『シドニアの騎士 あいつむぐほし』特報映像カット（C）弐瓶勉・講談社／東亜重工重力祭運営局
つむぎと谷風の異形の愛が描かれる『第九惑星戦役』
奇居子との激しい戦闘で、シドニアの人々にも多くの犠牲が出る中、谷風の戦友・星白閑もまた犠牲となってしまいます。悲しみを胸に日々の訓練に明け暮れ、谷風は衛人操縦士のエースへと成長していきます。
奇居子との戦闘は日々激しさを増していく中、小林艦長は奇居子の巣を駆逐するため、シドニアの進路をレム恒星系の第九惑星ナインへ向けることを決断。その道中に現れた新たな奇居子に苦戦を強いられる谷風たちの前に、星白の一部と奇居子を融合させた生命体、白羽衣つむぎが現れ、谷風たちのピンチを救います。
『シドニアの騎士 あいつむぐほし』本予告カット(C)弐瓶勉・講談社／東亜重工重力祭運営局
つむぎは15メートルほどある巨体で人間的な感情を持ち、末端の触手を変化させて谷風たちとシドニア居住区で生活をともにし、やがて二人の間には恋心が芽生えていきます。そして、第九惑星ナインに近づくにつれ、奇居子との戦闘も激化。人類の命運をかけて谷風やつむぎたちは最強の敵、紅天蛾（べにすずめ）との戦いに挑みます。
『シドニアの騎士 あいつむぐほし』本予告カット(C)弐瓶勉・講談社／東亜重工重力祭運営局
人類の存亡と15メートル差の恋の行方は
映画『シドニアの騎士 あいつむぐほし』は『第九惑星戦役』から10年後が舞台。谷風やつむぎたちもつかの間の平和を楽しんでいます。
しかし、奇居子を倒しきらない限り、人類に真の平和が訪れません。艦長の小林は奇居子との最終決戦を決断。人類の存亡をかけた壮大な戦いと身長15メートル差の谷風とつむぎの愛の行方が描かれます。
この壮大な物語にどんな決着がつけられるのか、そして谷風とつむぎの愛は成就するのかなど、注目ポイント満載の作品となっています。
