「千と千尋の神隠し」に“感謝”を…【編集部が選ぶ2020年1番○○だったアニメ】 | アニメ!アニメ!

「千と千尋の神隠し」に“感謝”を…【編集部が選ぶ2020年1番○○だったアニメ】

【編集部が選ぶ2020年1番○○だったアニメ】2020年6月に「一生に一度は、映画館でジブリを。」と銘打った企画により映画館で再び上映された『千と千尋の神隠し』を“感謝”したアニメとして紹介。

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『千と千尋の神隠し』(C) 2001 Studio Ghibli・NDDTM
『千と千尋の神隠し』(C) 2001 Studio Ghibli・NDDTM 全 13 枚 拡大写真
2020年ももう間もなく終了。

年明けから新型コロナウイルス感染症の影響により放送延期や、イベントの中止などアニメ業界にとっても波乱が起きた年でした。そんな中でも、かつて放送された名作の再放送なども行われ、新しい作品の魅力だけでなく、過去作品の魅力も再発見できたのでは?

そこでアニメ!アニメ!では、2020年を振り返り「2020年1番○○なアニメ」をピックアップ! 編集部が選ぶイチオシの作品を連載形式で紹介していきます。

『千と千尋の神隠し』


私にとって『千と千尋の神隠し』は、「2020年1番“感謝した”アニメ」です。

2020年春。新型コロナウイルス感染症対策の観点から多くの新作映画が“公開延期”となりました。そんな中、“一生に一度は、映画館でジブリを。”と銘打った企画が実施。スタジオジブリの『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『ゲド戦記』計4作品が、2020年6月、全国372館にて上映されました。

『千と千尋の神隠し』(C) 2001 Studio Ghibli・NDDTM
『千と千尋の神隠し』(C) 2001 Studio Ghibli・NDDTM
どの作品も、映画初公開時に劇場で鑑賞していますが、『千と千尋の神隠し』の初公開は2001年……もう19年も前の話です。

中学生だった私が映画を見て感じたのは「エンターテインメント業界に携わりたい」という想い――“夢”を私の胸に灯してくれた映画に、約20年の時を経て再び劇場で会えるとは……。

子供の頃に感じたドキドキやワクワク、そして切なさを思い出すとともに、時間が経った今だからからこそ気付けることや20年経っても変わらない思いがあり、感じる全ての感情が喜びとなった映画体験でした。

概要・ストーリー


トンネルのむこうは、不思議の町でした。
ありえない場所があった。ありえないことが起こった。10歳の少女・千尋の迷い込んだのは人間が入ってはいけない世界。驚きと不思議の町で千尋が知るのは大きな無力感と……小さな希望。働かせてくださいっ。
眠っていた千尋の“生きる力”がしだいに呼び醒まされてゆく。

『千と千尋の神隠し』(C) 2001 Studio Ghibli・NDDTM
『千と千尋の神隠し』(C) 2001 Studio Ghibli・NDDTM
宮崎駿監督作品である本作は、第75回アカデミー賞・長編アニメ映画賞受賞、第52回ベルリン国際映画祭金熊賞受賞など、世界から大絶賛を受けました。日本歴代映画興行収入ランキングでも、長らく1位を保持した名作です。

声優陣には、いまや声優だけでなく舞台、アーティストと精力的に活動する入野自由がハク役でキャスティング。そのほか、夏木マリ、内藤剛志、沢口靖子、菅原文太ら豪華俳優たちに加え、当時7歳だった俳優・神木隆之介が名を連ねます。

オススメポイント


作品そのもののオススメポイントは山ほどあるのですが、今回は懐かしの作品を鑑賞する“体験”という点からオススメさせていただきます!

主人公・千尋の成長が描かれる本作。公開当時中学生だった私は、彼女の成長過程をとても身近に捉えて、「すごいな。私も負けてられないな! いや負けん!」と勝ち気な思いで見ていました。なんなら「私にだって、同じようにできる!」くらい生意気に考えていたように思います。

『千と千尋の神隠し』(C) 2001 Studio Ghibli・NDDTM
『千と千尋の神隠し』(C) 2001 Studio Ghibli・NDDTM
20年経ったいま、彼女が走り回り、ときに立ち止まり、泣き、それでも前に進んで駆けていく姿を見て「私は…千尋のように壁にぶつかったとき、勇気をもって動けているだろうか?」と思わず自問自答しました。
ニューノーマルの動きから大きく仕事環境も変わっていき、戸惑いや不安を抱えていた私には、千尋はとても眩しかった。

「たくさん泣いたら、あとは腹を決めて一所懸命にやる!とにかくやる! 何でもやってみる!」

そうやって自分の大好きな人たちのために行動する千尋の姿に、とても勇気づけられました。とんでもない状況の中でも、できることから一所懸命にやることの大切さを、改めて教えてもらいました。ありがとう、千尋。

『千と千尋の神隠し』(C) 2001 Studio Ghibli・NDDTM
『千と千尋の神隠し』(C) 2001 Studio Ghibli・NDDTM
でも、変わったものばかりではありません!!
ハクと千尋の最後のシーンに感じた“切なさと愛おしさ”は、まったく色褪せること無くこの胸に去来しました!!
まるで生娘のような甘酸っぱい感情は久方ぶりで……身体が若返った気さえしました。ありがとう、千尋。ありがとう、ハク。

『千と千尋の神隠し』(C) 2001 Studio Ghibli・NDDTM
『千と千尋の神隠し』(C) 2001 Studio Ghibli・NDDTM
それ以外にも、子供の頃には気づけなかった背景美術の作り込みや、音楽の壮大さと心地よさなどなど……、歳を重ねて多くの作品を見てきたからこそ改めて感じる本作の“底力”のようなものに、圧倒された劇場体験でした。

『千と千尋の神隠し』(C) 2001 Studio Ghibli・NDDTM
『千と千尋の神隠し』(C) 2001 Studio Ghibli・NDDTM
あの日あの時、この映画をみて「エンターテインメント業界に携わりたい」と思った私が、いまこうしてエンターテインメント業界に少しでも関われていること――そして夢のきっかけとなった作品が、大人になっても、何度見ても新しい素晴らしさと気付きを与えてくれる作品であったこと――その全てが尊く、有難さと当時に“初心”を思い出すことができました。
いま、この時代に、再びあえてよかった。ありがとう、『千と千尋の神隠し』。


最近では、昔なつかしのアニメ映画作品が、再び劇場で上映される機会も増えてきました。ぜひみなさんも、懐かしい作品に会いに行くとともに、当時の自分と再会し、様々な思いを体感してみてはいかがでしょうか?

そして、いまお若い方は、見ている作品が何十年後かのアナタにとって“励まし”になるかもしれません。ぜひ、たくさんの作品に出会って、タイムカプセルのような想い出をたくさん作ってみてください!

(C) 2001 Studio Ghibli・NDDTM

《MINAMI》

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