!注意!
本記事には『FINAL FANTASY VII REMAKE』のネタバレが含まれています。
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『FF7 リメイク』の体験版がリリースされた際、主要登場人物であるバレットが一部のユーザーから不評を集めていました。それは、彼の性格や話し方がオリジナル版のイメージから大きく変化していたから。「インサイドちゃんゲーマー人生相談」にも相談が寄せられていたほどです。出番も多いキャラであるため、不安に思っていたプレイヤーも多かったことでしょう。
ところが『FF7 リメイク』をクリアした上で結論を言うと、バレットは非常に魅力あふれるキャラクターになったと感じています。このギャップの正体は、果たして何なのか。体験版のときに感じた不安と、製品版をプレイして感じたバレットの良さに注目してみました。
体験版で引っかかったバレットのキャラクター性
ここで改めて、体験版のときのバレットの何が気になったのかを整理してみたいと思います。個人差はあることと思いますが、筆者の感じたポイントを抑えてみます。
怪しい思想家風の演説
今作のバレットを見てまず最初にギョッとしたのは、エレベーターでの演説シーン。クラウド、ジェシーそしてバレットの3人で魔晄炉へ向かうエレベーターに乗っている際、バレットはアバランチの思想信念をクラウドに語って聞かせます。その内容は「我々は星の生命を救うために戦っているのだ」というもの。
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自分の世界に入り込んでいる感じがして、少し寒気を覚えました。
オリジナル版でも同様の話が交わされていましたが、当時は「なるほどそうなんだ」と思う程度でした。今作ではレベルアップした映像と声優さんの熱演も相まって、色々な意味で危険な思想の持ち主であるという印象が強調されています。
変なジョークを挟んでくる
続いて気になったのは、リメイク版バレット特有の謎ジョーク。これはオリジナル版ではあまり見られなかった要素です。年齢を聞かれたのに、誤ってソルジャーのクラスである「ファースト」と答えてしまったクラウドに対して「はいはい、ファーストね。1歳かな」と返答した場面はちょっと笑ってしまいましたが、気になるプレイヤーも多かったのでは無いでしょうか。
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上手くもないが、下手でも無いこの絶妙な煽りは、人の神経を逆なでします。
単純にうるさい
イベントシーンでバレットの妙なところが見えるのはともかく、問題は冒険の道中。彼は壱番魔晄炉爆破ミッションの際はひっきりなしにしゃべっていました。やたらと明るいおもしろ外国人のようなセリフまわしのときもあれば、神羅に恨みを持つ危険人物のような語り口になったりとあまりに元気が良すぎて辟易としたのも事実です。
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大声でクラウドへ当てつけるような発言。なんとなく引っかかる言い回しが多い印象
このように、基本的にはバレットの話す内容、言い回し、そしてやたらと大きな声でたくさんしゃべるところなどが不評の原因となったように思います。全部ひっくるめて「うるさい」ということだけで説明できる、とも言えるでしょう。
バレットの本当の姿 物語が進むにつれて見えてくる彼の本質
ではここから、製品版で描かれたバレットのキャラクターを一つ一つ見ていきたいと思います。
マリンの前で見せる 優しいお父さんの姿
バレットが星の生命以上に大切にしているもの。それは一人娘のマリンです。荒々しく、口うるさく、見た目も思想もちょっと怖いバレットはマリンの前では優しいお父さんに様変わりします。彼女と会話する時のバレットの表情の変化は劇的です。言葉遣いも柔らかくなり、それまでの過激な発言をしていた男と同一人物とは思えなくなります。
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ちなみにマリンに危害を加えようものなら鬼の形相に早変わりします。
一方で、マリンに対してちょっとでも変な動きをした者に対しては、過剰なまでに反応します。マリンも少し訳ありの娘なので、バレットも過敏になっていると思われます。
リーダーらしい度量の広さを見せつけてくる
壱番魔晄炉爆破ミッション終了直後のチャプター2。爆破の被害の大きさを見てうろたえるメンバーに対し、バレットは今更及び腰になってはいけないと諭します。同時に、皆が抱えている不安や悩みはすべて自分が背負ってやると宣言。リーダーらしい度量の広さを見せつけてきました。
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これを聞いて各員少し安心した表情に。
その後も各メンバーへ事細かに気配りしている様子が伺えます。次の五番魔晄炉爆破ミッションの際には、直前に負傷したジェシーを気遣いアジトで待機しているように指示。同時に待機組のウェッジに対しては「マリンとジェシーを任せられるのはお前だけだ」と語り、彼の気持ちを鼓舞する配慮も忘れていないようです。
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もちろん軽く避けられています。
感情表現が素直であることもバレットの特徴。特に少し斜に構えた人物が多い『FF7』の中で、彼は怒りも喜びもすべてさらけ出している数少ない人物。その姿が却って部下の信頼を受ける要因になっているのかもしれません。
受けた恩は忘れない
マリンの命を救ってくれたエアリスへは人一倍恩義を感じていることがわかります。チャプター17の終盤、バレット、エアリス、レッドXIIIの3人は神羅兵に囲まれてしまいます。絶対絶命の状況下、バレットがエアリスに告げたのは「あんたを守る」という言葉。なんともクサいセリフですが、バレットはこんな言葉を恥ずかしげもなく言ってしまうところがあります。
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キュンとした女性ファンもきっといますよね。
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やたらと明るく ポジティブな発言が多い
彼は本作の旅の間、終始明るく前向きでした。五番魔晄炉で罠にはめられたときも、相変わらず明るく変なテンションを崩しません。「勝ったらみんなで決めポーズをやろう」と言ってみたり、カメラの向こうで見ている人に向けて急に演説を始めたりと、年相応には見えない行動も多数。あまりしつこいので、年下のクラウドやティファにたしなめられることもしばしばでした。
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どんな状況も楽しもうとする余裕があるように見えます。
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クラウドにもスマイルで写るように言い聞かせてきます。
「状況をわかってんのか!」と喝を入れたくなるのですが、あまりにも彼の場違いな話が面白くて、少しずつクラウドも態度を軟化させているように見えました。
いざとなったらちゃんと謝れる
五番魔晄炉のボス「エアバスター」を無事撃破したものの、ピンチに陥るクラウド。そんな彼にバレットは今までのことを謝ります。普段の態度から、素直に謝れない人間なんだと思っていましたが、そうではないようです。
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これは人間が出来ていることの証明のような気がします。
皆が恥ずかしいと思うことを恥ずかしげもなく語る男のカッコよさ
様々なバレットの側面を見てきた結果、彼の魅力は羞恥心の無さから来ていると感じました。序盤に述べた「星の悲鳴が聞こえねえか」という迷ゼリフはもちろん、メンバーの不安を背負ってやるという宣言や、ビッグスへのハグ、エアリスへの言葉など、どれも大人になるとちょっと恥ずかしく感じるようなセリフや行動ばかりです。
バレットはそういったものへの羞恥や抵抗がまったくありません。自分の信念をとことん信じているし、自分が正しいと思ったもの、嬉しいと思ったもの、許せないと思ったものを正直に言葉にし、表現します。記事の冒頭で述べたバレットの気になる点も、見返してみればどれも彼の素直な感情表現によるものだったのだとわかります。
21歳のクラウドが様々なものを「興味ないね」とあしらうのに対し、35歳のバレットは様々なことに正直に正面から自分の感情をぶつけてきます。大のオトナなのにちょっと大人っぽくなく、自分の心に正直に生きているバレットの姿が、筆者の目には眩しくかっこよく見えたのかもしれません。
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最初はちょっと鬱陶しく感じたバレット。最後までプレイして印象が変わりました。ゲームというのは最後まで遊んで見なければなんともわからないものです。『FF7 リメイク』の続編ではさらなるバレットと仲間達の掛け合いに期待しています。