■本音で語り合い築き上げた5人の関係
――先程から、仲の良いエピソードがチラチラと出ていますが、合宿で仲は深まりましたか?
相川:レッスンのほかに、初日の夜には少しだけゲームをやったんです。そこで一気に仲良くなった気がします。嘘を見破るというゲームなんですけど、そこで「違うやん!」とか言って、ボケやツッコミを繰り返しているうちに距離が縮まったんです。
日向:確かに! まあでも、今と比べるとあの頃はまだ猫かぶってたよね。
4人:うん!
日向:特に奏多は一番謎めいてました。例えば「元気です!」と言われても、「ビジネス元気なんじゃない?」みたいな。「それって本心?」と思っちゃう感じ。……年下なのに大人っぽかったからかな?
相川:ほんと!?
日向:実際は、そんなことなかったんだけどね。
宮沢:奏多は、最初は大人っぽいイメージが強かったんですけど、接しているうちにだんだんと子どもらしさも表れてきたよね。そこで“らしさ”を感じた。ああよかった、まだ中学生だよねってホッとするっていうか。
――大人っぽさと子どもっぽさの両面あるから、ミステリアスに見えたんですかね。
日向:そうかもしれないです。ほんと、ふとしたときに中学生が出るんだよね。
橘:美味しいもの食べたときとか。
日向:初めて食べるものも多くて、そのたびに感動するから若いなって思うよ。あとさ、牛乳よく飲んでるよね?
相川:うん、そうなんだよね(笑)。
日向:そういうところもすごく中学生らしいです。最近だんだんわかってきました。
橘:あとは、ここなも。合宿のときのここなは「明るく接しなきゃ」ってすごく気を張っていたと思うんです。だからすごく社交的な子に見えていたんですけど、最近になって実は人見知りなんだって気づきました。
徐々に徐々に、みんなのうちに秘めた性格がわかるようになってきましたね。
夏目:そうだね。でも私は、まだみんなのことあまり知らないかも。
やっぱり根が人見知りなので、自分からなかなか踏み込めないんですよ。「知りたい!」っていう欲はあるんですけど。
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相川:聞いていいよ!
宮沢:そうだよ。
夏目:同い年だったら打ち解けられるんですけど、お姉さんもいれば年下もいる環境なのでどうやって振る舞えばいいかわからないんです。
どうすれば傷つけずに済むかとか色々考えちゃって。なので、これから少しずつでも知っていきたいです。
日向:でも、ここなはけっこう話してくれるよね?
夏目:年が近いからね。
相川:同じ高校生だもんね。地元も近いし。
夏目:そう。だから帰りの電車でいろいろ相談したりしてる。私にとってお姉さんって感じ。
日向:あら~、ありがとうございます。あと、小春だけど……小春はずっと変わらず良いお姉さんですね。あまり変わらないかも。ずっと優しくて、暖かくて。
宮沢:(照れる)
4人:(それを見て)かわいい~!
日向:合宿のときなんて、道を歩いていると「危ないからこっちに」とか「みんなついてきてる?」とかすごく言ってくれたんです。
――やはり、年上だからという意識もあるんでしょうか。
宮沢:はい。一気に4人の妹ができたような感覚なので、やっぱりしっかりしないとという気持ちになりますね。
――合格後は、芝居や歌など様々なレッスンを一緒にこなしているそうですが、みなさんの仲はどんなふうに深まってきましたか?
相川:一番印象に残っているのは、レッスンでやった50分くらいの舞台用のお芝居です。尺が長いから当然セリフ量も多くなり役の感情も複雑になるんですよ。
そんななかで演じるためには、心を通わせる必要があるんです。そこで、本気でぶつかりあえたのは大きいですね。
日向:いいこと言う。やっぱり心を通わせるって大事なんだよね。私は……実を言うと最初の頃、小春と仲良くなれるかな?って心配に思っていた時期があるんです。
宮沢:そうなの?
――それはなぜ?
日向:雰囲気的に、気を遣ってしまいそうだなと思ったんです。私がズカズカ踏み込んでいい人じゃないなって。
だけど、いつからかそういう遠慮がなくなったんですよね。涙を見せるようになったからかな?
宮沢:そうかも。もかとここなと私の3人は、LINEでよく「今日ここが良かったよ」「ここが好きだよ」って言い合うんですよ。飾ったりせず、本音で。
そうすると、だんだんお互いのことがわかってきて気を許せるようになるんですよね。
――だから涙を見せられるようになったと。
日向:それをきっかけに、どんどん距離が縮まって今は大好きです。お姉ちゃん止まりではなくなりました。
橘:そんなことがあったんだね。
相川:こういうところに関しては、私と美來は部外者なんです。
宮沢:さっぱりしてるんだよね。2人は。
相川:そう、干渉しないタイプなんだよね。
――いいバランスですね。ちなみに、ケンカってしたことありますか?
相川:(殴る仕草で)こういうケンカは全然ないよね。
夏目:それは流石に(笑)。
日向:陰湿な雰囲気もないし。
相川:たとえ「違うよね?」と思うことがあっても、ケンカにはならないです。「私はこう思ったんだけど」って建設的に話し合うので。
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