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登場するや否や、「セガサターンに『サクラ大戦』あり」と言わしめるほどの人気を誇り、後にナンバリングタイトルも順次リリース。ドリームキャストやPS2などプラットフォームも広がり、『サクラ大戦』シリーズは一時代を築きました。
メインシリーズは『サクラ大戦V ~さらば愛しき人よ~』まで続きましたが、以降のナンバリング展開は休眠状態となり、『ドラマチックダンジョン サクラ大戦 ~君あるがため~』などの作品が登場したものの、主軸となるナンバリングはしばらく沈黙する形となりました。
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ですが「セガフェス2018」のステージイベントにて、主要キャラクターを一新し、時代も太正29年へと進んだ『新サクラ大戦』の製作を発表。その後も定期的に新情報を公開し、多くのユーザーの期待を高めてきました。タイトルに数字こそありませんが、『新サクラ大戦』公式サイト「ABOUT」のナンバリングタイトル欄には、本作の名前もしっかりと刻まれており、実質的にシリーズ6番目に当たる『サクラ大戦』となります。
多くのファンが復活を待ち望んだシリーズですが、この最新作『新サクラ大戦』がもうじきリリースを迎えます。そして本作の発売日に先駆け、体験版の配信を開始。一足先に本作の魅力を味わうことができるようになりました。『サクラ大戦』が「新」となり、どのような変化が加わったのか。今回はこの体験版のプレイを通じて、読者の方々にお届けしたいと思います。
◆最悪の選択肢を選んでみた! ヒロインたちの反応はどうなるの? そしてADVパートのプレイ感は?
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『新サクラ大戦』体験版を立ち上げると、新主人公「神山誠十郎」をはじめ、新たな帝国華劇団「花組」の面々が並ぶタイトル画面が。「サクラ大戦」の文字が並ぶタイトル画面を新たに見られただけでも、感慨深さが沸き上がってきます。
ちなみにこの体験版、ストーリー展開などが製品版と異なるので、その点はご注意ください。
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神山が劇場へ足を運ぶシーンで幕を開けると、「花組」のひとり「天宮さくら」と早速遭遇。この2人は旧来の知り合いで、10年ぶりの再会だった模様です。
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10年前だと、神山は10歳でさくらは7歳。当時の印象があるせいか、ちょっとくだけた距離感も感じさせます。主人公とヒロインのこういう接点は、『サクラ大戦』シリーズの中でも珍しいので、今後のシナリオにどう影響してくるのか、製品版の楽しみが早速ひとつ増えました。
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そのさくらに劇場内を案内してもらうと、早速選択肢が登場。シリーズファンにお馴染みの「LIPS」です。といっても複雑なシステムではないので、シリーズ未経験の方もご安心を。シンプルに表現するなら、時間制限付きの選択肢、というシステムです。ただし、時間切れは「失敗」ではなく、それもまたひとつの選択。いずれかの選択肢を選ぶか、それとも敢えて何も選ばないか。それを問うのが、この「LIPS」となります。
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そして「LIPS」は、選んだ回答によって信頼度やシナリオが変化するので、遊び気分で選ぶと痛手を被る時も。やはり団員とは仲良くなりたいので、変な選択肢は選びにくいところです。
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──しかし、これは体験版! 製品版のプレイには影響しないので、どんな選択肢を選んでもこの場限り。製品版では選べなさそうな選択をチョイスし、相手の反応を見る絶好のチャンスです。例えば、勝ち気そうな「東雲初穂」との初対面で、「初穂ちゃん」と呼んでみるとか!
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その馴れ馴れしい反応に、初穂は──誰もが予想するであろう通り──怪訝そうな反応を見せ、さくらに「大丈夫なのか?」と尋ねる始末。
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また、さくらからも、「もっとちゃんとしてください!」と怒られてしまいます。就任したばかりの隊長としては、確かにあるまじき反応です。申し訳ありません・・・。
とはいえ、普段の優等生プレイでは見られないこの反応、なかなか刺激的です。この方向で突き進んだら、各キャラがどんなリアクションを見せてくれるのか。今回は、その線も探ってみたいと思います。
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かつての活躍を覚えているユーザーも多いであろう「神崎すみれ」は現在、劇場の支配人を務めおり、その支配人の右腕となって働く風組の「竜胆カオル」は、すみれに尽くす才気溢れる秘書です。そんな彼女にも、最悪の選択肢を選ぶプレイを続行。
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カオルに対して、「支配人の秘密を教えてください!」と頼む神山。初対面で、実にいい度胸です。選んでいるのは筆者ですけども。
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そんな神山に、もちろんカオルは怒髪天。ぎりぎりのところで許してもらえたものの、「二度目はありません」と警告を受けてしまいます。この人、怒らせたら絶対にヤバイ人だ・・・。
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稽古に励む「アナスタシア」に協力を頼まれた時は、熱の入りすぎた演技を神山が披露。リアクションもなかなかの大ぶりですが、声は叫び声に近く、大事な相手に結婚を申し込む態度では全くありません。
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あまりのヒドさに、アナスタシアの目はまるで絶対零度。怒りよりも諦観に近い視線、実に堪えます。
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そんな視線を浴びつつも、「想像以上に難しかったよ」と、サラッと言ってのける神山。一周回って、「大物なのでは」と密かに感じてしまいます。
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神山が隊長室に入ると、今度は「望月あざみ」と対面。しかしなぜか、武器を突きつけられてしまい、(何故か)絶体絶命。
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隊長であることを明かせばこの事態は収まりそうですが、ここでも悪手を貫きます。「罪を犯すな!」も今更言うことではないものの、「ほら、おやつをあげよう」からの「子供扱いするな!」のコンボを予想し、こちらをチョイス。
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この神山の選択に対して、「・・・おまんじゅう10個」と、具体的な示談交渉を見せるあざみ。oh、予想外。これは最悪の選択肢ではなかったのか・・・!?
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しかし、里の掟を思い出したあざみは、間一髪のところで買収を却下。あざみさんの名誉は保たれた! その後、神山が隊長であることを明かしたため、事態は無事収束を迎えます。
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ここまで、様々な“最悪の選択肢”を選んでみましたが、その中でも特に自業自得なのが、「楽屋」での1シーン。ふと楽屋を覗き込んだ神山は、この劇場が女の園だと思い出し、「ここにいてはマズイのでは?」と察します。
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ですが、時既に遅し。稽古を終えたサクラがやってきてしまい、咄嗟に隠れてしまう神山。しかもさくらは、稽古でかいた汗を拭こうと、着物の裾を緩め・・・。
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この展開に、(色んな意味で)真顔の神山。なぜかカメラ目線です。しかし、気持ちは分かる。
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そして、ここの選択肢はひと味違い、レバーの上下が神山の視線とリンク! レバーをちょっと上げると・・・。
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隠れていた机越しに、襟元を顕わにしたさくらの姿が視界の中に! しかも、まだレバーは上げられる・・・だ、と・・・・・・!?
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もちろん、最悪の選択を選んだ神山が、丸く収まるわけがありません。その行いが、さくらにバレてしまいます。窮地に追い込まれた神山の、反応や如何に。
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この土壇場で放った台詞は、「・・・やあ、さくら」。動揺を消し去ったその表情、いっそ見事と言うほかありません。そして、「運命のいたずらってやつかな?」と、爽やかに決めてくれます。
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しかし、何を言おうとも誤魔化せるわけもなく、怒りに満ちたさくらの一投で神山は撃沈。
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その後、彼女の部屋を訪れても「うるさい! あっち行けえええええっ!!」と一蹴される始末です。自業自得、ここに極まれり。
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ちなみに、この騒動を締めくくる神山の一言は、「楽屋は危険がいっぱいだ・・・」でした。本当に大人物すぎる。
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こうして最悪の選択肢を選び続けるプレイも、いよいよ最後となります。花組団員「クラリス」は、読書中に話しかけられても聞こえないほどの集中力の持ち主。「耳元で叫ぶ」「後ろから目隠し」など、どれもお勧めできなさそうな選択肢が並びますが、「・・・手が勝手に!」こそ一際マズイ選択肢でしょう。もちろん、こちらをチョイス。
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「いけないことだって、分かってるのに・・・!」と言いながら、クラリスに近づく神山。いけないことって、何をどこまでやる気なんだ!?
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ですがこの悪行は、さくらの制止で未遂となりました。安心したような、残念なような・・・。ちなみにこの時、つい「誠兄さん!」と呼んでしまうさくら。製品版では選びにくい選択肢だけに、この体験版で微笑ましい場面が見られたのはささやかながら嬉しい点です。
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ちなみにこの一連の騒動も、クラリスは一切気づいておらず。彼女相手に最悪の選択肢を選ぶのは無理か・・・と諦めかけていたら、クラリスから「今の花組は、昔ここにいた伝説の花組とは違う。どうしようもない、落ちこぼれ部隊です」と、見た目からは想像もつかない辛辣な言葉を投げかけられました。
そんな彼女に対して、「そんな風に言うもんじゃない」・・・を選ぼうかと思いましたが、「君も落ちこぼれなのかい?」の方がクラリスの真意が見えるかと考え直し、そちらを選択。自ら花組を卑下するのは、彼女なりの認識なのか、それとも自嘲なのか。
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神山の容赦ない切り返しに対して、「隊長になったというなら、ご自分で確かめればいいじゃないですか」と返答。その言葉には激しい感情も見え隠れしており、諦めよりも怒りに近いものを感じさせます。
いずれの団員にも最悪の選択肢をぶつけてみましたが──あざみの場合は失敗に終わったかもですが──ほとんどの場合は、その場限りのトラブルに近い印象でした。さくらの場合も、神山との信頼があれば、(謝りに謝った上で)許してくれることでしょう。
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しかし、花組メンバーの中でもっとも優しげに見えていたクラリスが、初対面で最も色濃い感情をぶつけてきたのは、正直意外な展開でした。この意外性は、製品版への興味をさらにかき立ててくれる良質なスパイスとなりそうです。
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ここまでは団員とのやりとりに注目しましたが、アドベンチャーパート全体のプレイ感についても軽く触れさせていただきます。体験版の範囲では、3Dで表現された劇場内を自由に移動することが可能。マップ画面から行く場所を選ぶのではなく、神山を操作し、エントランスや観客席、舞台に廊下などを実際に移動できます。
いわゆるTPS視点で駆けめぐる劇場は、「実際に歩くと、こんな距離感なのか」といった実感もわき上がり、シリーズファンならば味わって損のない体験です。また、思い出の積み重ねのない新規ユーザーにとっても、没入感を助ける手助けとなるでしょう。
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ちなみに、新機能のひとつ「スマァトロン」を使えば、マップ全体をチェックすることができ、キャラクターの居場所も一目瞭然。「特定のキャラを捜して右往左往」といった3D作品にありがちな事態には、陥らずに済みそうです。また、R2ボタンを押しながらだとダッシュ移動ができるので、移動速度にイラつくこともなさそう。
この体験版でのアドベンチャーパートは、劇場内の移動と各団員とのファーストインプレッション程度の内容でしたが、選択肢による反応の豊かさや、遊び心のある仕掛けがあり、本編でどのように発展するのか気になるやりとりも垣間見ることもできました。
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ここまで紹介したポイント以外の収穫としては、主人公の神山の印象が大きく変わったことも外せません。見た目だけで判断していた時は、ちょっとトゲがありそうで、取っつきの良くない人物かなと想像していましたが、実際には柔和で、選択肢次第ではコミカルな面を見せることも多々。真面目だけどもドジなところもある、親しみやすいキャラだったのは嬉しい誤算でした。
臨場感があり、遊びやすい機能も用意されたアドベンチャーパートは、この体験版の範囲だけでもコミュニケーションの楽しさや魅力の一片を味わうことができる、良質の内容だったと思います。
続いては、一新されたバトルパートをチェック!