■「飽き性」な超平和バスターズの今後の展望は?
――長井監督が制作中に、田中さんや岡田さんに「助けられたな」と思う瞬間はどんなときですか?
長井:岡田さんは本当に面白い作品を書くし、何より“台詞力”のある脚本をくれます。ポイントとなる強さがあるので絵コンテを描くときありがたいし、素直にこういう脚本は監督として嬉しくなりますね。
そして絵コンテの気分をそのまま芝居にしてくれるのが田中さん。やむを得ず岡田さんのいいセリフを外しちゃうときでも、「大丈夫! 言わなくても伝わる表情を田中さんが描いてくれる!」と思える安心感があるから選択肢が広がるんです。
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――今後も3人での作品づくりを続けるお気持ちはありますか?
長井:やれるときに集まれたらいいし、だからこそ続くのかな、と。僕達、みんな飽き性なんですよ(笑)。
ずっと同じところにいると飽きちゃうから、それぞれがいろんな場所で挑戦して、集まれたときに「こんなことができるようになったぞ」と持ち寄って、この3人でしかできない挑戦をしたい。
まだまだ試したいことはそれぞれ持っているはずなので、集まる機会をいただけるなら3人での作品づくりを続けていきたいです。
――なるほど。ちなみに、次作の話などは出ているのでしょうか?
長井:構想はあります。3人で集まったら「次やるならこんな感じかもね」みたいな話になるし、そのへんはいつでも与太話しています。緊張感はあっても「やらなきゃ!」と構える関係ではないから、飾らずに楽しんでやっています。
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――お三方はまさに“仲間”ですね。うらやましくなる関係性です。
長井:そうですね……うらやましがってもらっていいですよ(笑)。
でも与太話はだいたい採用されませんね。そういう雑談を岡田さんに全部ぶつけまくって、出てくるのは全然違うお話だったりしますから。そういうのも含めて楽しいですね。
――改めて、『空の青さを知る人よ』をアニメファンの方々にどのように見てほしいですか?
長井:『とらドラ!』のときから僕たちがずっとやってきたのは、「アニメだけど、決まった表現だけにはしない挑戦」です。諦めずに、どれだけ豊かに描けるのか。本作でも、一番新しいかたちを作れたと思っています。
「アニメはまだまだ面白い」と感じてもらえるような映画を作りました。是非「こんな表情をするキャラクターが出てきたか!」と見てもらえれば嬉しいです。