■「まだまだ」しんのすけを探求する日々
――そして今作が、小林さんにとって初めてしんのすけとして挑む劇場版です。
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小林
監督をはじめ関わる方も変わるので、やっぱり緊張しました。
だけど、台本を頂いて読んでみたら、あっという間に読み終えてしまうくらい面白かったんです。笑えるシーンは声出して笑っちゃったりして。
なので、「早くアフレコやりたい」「みんなと掛け合いたい」と思ったのが第一印象です。
――作中では、ひろしとみさえの愛が描かれました。
小林
しんのすけとして最初に関わった劇場版がこういう作品で、本当にラッキーでした。「この2人から野原しんのすけが生まれてきたんだな」「この2人の子どもだからこんなに自由にのびのびとしているんだな」という原点を知ることができたと思います。
緊張していたので身構える部分もありましたが、スッと物語に溶け込むことができたのでありがたい一作目でした。
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――ともあれ、映画のしんのすけはTVシリーズよりカッコいいイメージがあります。演じるうえで難しくありませんでしたか?
小林
それが、橋本(昌和)監督(同劇場版監督)から、「いつものしんちゃんがオーストラリアに行ったという話なので、いつもどおりのしんちゃんをやってください」とお言葉をもらったんです。
――TVアニメで見せたしんのすけを。
小林
10カ月くらいわたしがやってきたしんちゃんを、スクリーンにぶつければいいんだなとハッキリ見えたとき、すごくホッとしました。
アクションもあるのでカッコいいセリフを言うときは、ついいつもの熱血に言ってしまうクセが出そうになるんですけど、「そこは素朴に言ってください」といったディレクションを受けながら収録していきました。
――現場には共演者のみなさんもいるし、心強かったでしょうね。
小林
役者のみなさんが面白いですからね。
今回、オーストラリアが舞台だったので、ガヤもずっと英語だったりするんですよ。そうすると、すごく雰囲気が増すんですよね。「わーオーストラリアにいる私!」って思うくらいのスケールの大きさを感じました(笑)。和気あいあいと楽しく録らせてもらいましたね。
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――ゲスト声優も大勢いらっしゃいます。とくに木南晴夏さん(インディ・ジュンコ役)は掛け合いが多かったですが、木南さんのお芝居はどう感じましたか?
小林
実は収録は別で、現場ではお会いしていないんです。なので完成したもので木南さんのお芝居をはじめて聞いたんですけど、とても素晴らしかったですね。
憎めない美人っていうのがすごくよく出ていて、魅力的なキャラクターになっていました。
それに、りゅうちぇるさんや小島よしおさんのアドリブの入れ方もスゴかった!
ぺこさんはずっとガヤに参加していたらしいので、よく聞けば「あ、ここのガヤにいる!」と気づくかもしれません(笑)。
アフレコしたときよりも何十倍も面白くなっていたので、楽しく見させてもらいました。
――見どころが本当に多い作品でしたよね。
小林
そうですね。一つ挙げるならやっぱり、ひろしとみさえ。
出会った頃の姿からは、普段見られない男と女の部分を観られました。そこから仲を深めていって結婚して子どもが生まれて……って思い返すことができて感慨深かったです。
あとは、仮面族の言葉が面白くて、日本語とリンクする部分があるんです。ぜひ解読していただいて、辞書を作っていただけると嬉しいですね(笑)。
そして、大人はアクションを楽しみつつ自分たちの若い頃を思い出してじーんとしてほしいし、子どもたちは思いっきり笑ってほしいと思います。
――では最後に、しんのすけ役になってそろそろ1年ですが、小林さんにとってしんのすけはどんな存在になりましたか?
小林
うーん……今はまだ、常に考えている存在ですね。寝ても覚めてもしんちゃんというか。
アフレコするときも、前回演じたものを聞いて「もっとこうしたほうが良かったかな」といつも反省して挑んでいるくらいです。
ということはまだ自分のなかで落とし込めていないんですよね。
早くしんちゃんを落とし込んで完全に自分のものにできるよう、これからも頑張って演じていきたいと思います。
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