なぜVTuberの見た目はアニメっぽいのか? 「キズナアイ」「燦鳥ノム」プロデューサーが語るVtuberのこれまでと未来 | アニメ!アニメ!

なぜVTuberの見た目はアニメっぽいのか? 「キズナアイ」「燦鳥ノム」プロデューサーが語るVtuberのこれまでと未来

4月3日から5日にかけて東京ビッグサイトにて、「コンテンツ東京2019」が開催された。今回は5日に公開されたセミナー「バーチャルYouTuberが切り開く、コンテンツビジネスの新たな可能性」について概要をレポートする。

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「コンテンツ東京2019」セミナー「バーチャルYouTuberが切り開く、コンテンツビジネスの新たな可能性」の模様
「コンテンツ東京2019」セミナー「バーチャルYouTuberが切り開く、コンテンツビジネスの新たな可能性」の模様 全 4 枚 拡大写真
4月3日から5日にかけて東京ビッグサイトにて、リードエグジビジョンジャパンによる国内最大規模のコンテンツ関連展示会「コンテンツ東京2019」が開催された。
1350のブースが立ち並び4万人以上ものビジネスマンが集う巨大な展示会だが、今回は5日に公開されたセミナー「バーチャルYouTuberが切り開く、コンテンツビジネスの新たな可能性」について概要をレポートする。

本セミナーの登壇者は、キズナアイが参加する「upd8(バーチャルタレント支援プロジェクト)」を運営するActiv8の代表取締役大坂武史氏、グリーのバーチャルYouTuber関連子会社であるWright Flyer Live Entertainmentの代表取締役社長荒木英士氏、サントリーコミュニケーションズの燦鳥ノム(さんとり・のむ)プロジェクトリーダー前田真太郎氏の3名。
モデレーションはVR動画配信サービス「360Channel」を提供する360Channelの代表取締役社長中島健登氏が務めた。コンテンツ東京では初のVTuberセミナーとなった。
セミナーは3名がそれぞれ自身の会社に属するVTuberや関連サービスについて紹介し、適宜モデレーターが質問をするという形で行われた。

VTuberの最古参であるキズナアイの活動をサポートするActiv8だが、社是はデジタルやバーチャル空間を活かすことで「生きる世界の選択肢を増やす」ことであり、VTuber事業はそのひとつの形であるという。
また同社ではVTuberではなく「バーチャルタレント」という呼称を使用しており、特定のメディアに依存しないというスタンスが垣間見える。
海外で活躍するバーチャルインスタグラマーのミケイラ(Miquela Sousa)も3DCGによるバーチャルタレントに近い存在だが、その見た目は(キズナアイに比べて)大分現実寄りであると大坂氏は語る。

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キズナアイがアニメ寄りの見た目であることには日本人特有の嗜好に理由があるという。
「2018年支出喚起力ランキング」(博報堂調べ)上位10のうち6つが『アイドルマスターシリーズ』『刀剣乱舞』『ワンピース』などのバーチャルコンテンツ(他は嵐や関ジャニ∞、星野源など)であり、こういった受け手側の嗜好となり手側の「なりたい自分になる、なりたい見た目になる」という嗜好が合致するのがアニメ的な見た目なのだという。

現在のバーチャルYouTuberの活動はタレント活動や歌手活動など人間がしていることの置き換えだが、5GやVR技術の発展によりバーチャルだからこその活動ができるのではないか、と投げかけ、その一例として世界初のバーチャルシンガー・YuNiの歌手活動やバーチャルライブの模様を紹介した。


荒木氏は「ツイッターやLINEやFacebookなど、SNSのアイコンと名前を全部実名、自分の写真にしている方は会場にいますか?」と投げかける。

「コンテンツ東京2019」セミナー「バーチャルYouTuberが切り開く、コンテンツビジネスの新たな可能性」の模様
現在、SNSのアイコン画像とIDがデジタル上での自分の仮の姿となっているように、いずれ誰もがYouTuberのようなアバターを使って「別の自分」を演じられるようになるという。
それをスマホ1台で可能にするのが、同社のバーチャルYouTuber専用配信プラットホーム「REALITY(リアリティ)」だ。


同サービスではアニメテイストのアバターの作成と配信をスマホだけで行えるが、現在はさらにプラットホーム上の専用番組として歌番組も配信している。
「某歌番組の収録にはスタッフが100名必要だそうですが、この形式ならスタッフは4、5名、しかも同じ場所にいる必要すらありません」とデジタルの優位性を語る。
また受け手にとってもサービス上でプレゼントを送るとリアルタイムに反映されるなど、バーチャルならではの楽しみが既に実現しているという。
またキングレコードとVTuber専用レーベル「株式会社RK Music」を設立し、3月に初のVTuberコンピレーションアルバム「IMAGINATION vol.1」を発表。VTuberらによるアニソンカバー集だが、発売直後にiTunes Storeトップアルバム総合で1位を獲得している。

サントリーのデジタル開発部の新しい取り組みとして、企業初のVTuberタレントを目指して誕生したのが燦鳥ノムだったが、惜しくも先を越され「初」は逃した、と前田氏は振り返る。だが現在燦鳥ノムが企業発のVTuberタレントとしてトップランナーであることは疑いようがないだろう。

「コンテンツ東京2019」セミナー「バーチャルYouTuberが切り開く、コンテンツビジネスの新たな可能性」の模様
企業のVTuberタレントの活動には通常の動画配信に加え、サントリーの商品や企業情報を発信する「企業コミュニケーション」、タレントとして別のYouTuberとコラボレーションしたり番組に出演したり、チャンネルや企業の外に出ていく「タレント活動」と3つの軸があり、チャンネル登録数拡大に大きく寄与したのは動画配信ではなくタレント活動だったという。
先のコンピレーションアルバムへの参加もそういったタレント活動のひとつだ。


「企業の中では数字を求められると思うが、活動をどう守っていくのか?」という質問には「企業のオウンドメディアの中ではツイッターやFacebookに比べて映像でアピールできるVTuberは影響力が強い。一度ファンがついてしまえば(止めるとファンが離れてしまうので)ファンを味方にできる」と答えた。

その他、VTuberタレントの近い未来の展望として「リオ5輪の閉会式にはマリオやドラえもんが登場したが、東京5輪の開会式には首相とVTuberタレントが集まるのが東京らしいかもしれない」「それはぜひやりたい」という一幕もあった。

[アニメ!アニメ!ビズ/animeanime.bizより転載記事]

《いしじまえいわ》

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