1350もの分野の企業や個人が、コンテンツ分野でのビジネスマッチングを求めてブースを出展する展示会だが、それらと並行して多種多様なセミナーも催される。
テーマはマーケティング戦略やVR、人工知能、Vtuberと幅広いが、今回はアニメビジネスに関わりの深いセミナー「特別ライセンス基礎講座・キャラクタービジネス入門~必ず知っておきたい基礎知識とその活用法~」の概要をお届けする。
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本セミナーのプレゼンターは、キャラクター・データバンク代表取締役社長およびキャラクターブランド・ライセンス協会専務理事の陸川和男氏。本邦のキャラクタービジネスの数字に関する専門家である。
セミナー内容はこれからキャラクタービジネスに携わろうというビジネスマンを対象としており、国内外でのキャラクタービジネスに対応した語句説明や近年のビジネストレンド紹介、キャラクタービジネスを始めるうえで留意すべきことなど概論的なものとなっていた。
以下、一部分を抜粋してお伝えする。
日本のキャラクターで売上上位にあるのは『それいけ!アンパンマン』『ポケットモンスター』『ミッキーマウス』など定番のもの。上位20作品のキャラクターだけで市場売上の55%、上位30位で7割近くを占める。
ただし近年はSNS発のキャラクターが台頭するなど、嗜好は多様化・拡散傾向にあるという。
また、キャラクターマーケティング戦略のフローについて説明したうえで、実際にキャラクタービジネスを始めるにあたり重要なことは「作者の思いとファン心理を理解したうえで商品化を行うこと」であり「キャラクターに対して情熱を持っているか?」だと語った。
そのため、企業や商品がどのキャラクターとタイアップするかを見定めるのは「ユーザーに聞くのが一番」であり、キャラクター・データバンク社でも頻繁にユーザーを招いてヒアリングを行っているという。
同展示会内で発表された「日本キャラクター大賞2019」の結果を元に近年のキャラクタートレンドに関する紹介するパートもあり、グランプリ受賞の『すみっコぐらし』の他、選定委員特別賞受賞のキズナアイ、ライセンシング・エージェンシー賞受賞のコウペンちゃん、ニューフェイス賞の『チコちゃんに叱られる!』などが紹介された。
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『すみっコぐらし』は今最も勢いのあるキャラクターで、女児向けの市場では既に圧倒的な人気を誇っているという。コウペンちゃんはツイッター上に登場してからわずか2年弱で急激な成長を遂げた。『チコちゃんに叱られる!』は今後の展開が期待されるキャラクターである、と語った。
[アニメ!アニメ!ビズ/animeanime.bizより転載記事]