声優の下野紘が、2016年よりスタートした歌手活動について語った。なぜ声優デビュー15周年というタイミングで、ソロ歌手としての活動を始めることを決断したのか? 歌手活動を通して得たものについて語った。
下野は2002年に声優デビュー。「おおきく振りかぶって」田島悠一郎や「うたの☆プリンスさまっ♪」来栖翔、「進撃の巨人」コニー・スプリンガー、「弱虫ペダル」鏑木一差……と、数々の人気アニメでメインキャラクターを演じてきた。多くのキャラクターソングで歌唱を担当してきたものの、“下野紘”名義で楽曲をリリースすることはなかった。アーティストとしても活動する声優が多い中、下野は歌手活動に興味はないのかと思われたが、声優デビュー15周年となる2016年、歌手活動をスタートさせることを発表してファンを驚かせた。下野は、「自分でも『歌手活動はやらないのかな』と思っていました」と明かす。
下野 「キャラソンではなく自分の名前で歌を出すっていうのは、僕の中でかなりハードルが高いことだったんです。『簡単にやっていいことなのか』という思いもあって……。歌手活動は、単純に怖くて、できていなかったことでした」
歌手活動に踏み出せた理由は、「レベルアップしたい」という思いだった。
下野 「30代半ばになって、ふと『レベルアップしたいな』と感じたんです。レベルアップするためには、今までと同じことだけではなく、新しいチャレンジもしていかないと自分の殻を破れません。そう考えているとき、ちょうど『歌を出しませんか』というオファーを受けて、挑戦することを決めました。歌手活動を始めたことによって、別な方面にも覚悟をもってチャレンジできるようになった気がします。去年は舞台にも出演させていただきましたし、確かにレベルアップにつながっている感覚があります」
「簡単にやっていいことなのか」と迷ったからこそ、下野は、じっくり1歩ずつ踏みしめるように歌手活動を行っている。昨夏はついに初の全国ライブハウスツアーを開催し、同年3月にはファースト“ミニアルバム”「Color of Life」をリリースした。フルアルバムではなく、あくまでミニアルバムだったのも「アーティストとして少しずつ成長したい」という思いからだ。では、歌手活動3年目を迎える今年は、今までよりもう少しだけスケールの大きなことを仕掛けていくのだろうか?
下野 「単純に規模を大きくするというよりは、これまで経験させていただいたことを強化していくイメージが近いかもしれません。根底にあるのは、『声優として芝居をやっていく上でレベルアップにつなげたい』という考えなので、歌手活動を別の方向性とコラボレーションさせていく形を模索しています。あとはアルバムを作っていきたい気持ちもずっとあるので、音楽プロデューサーの方とお話させていただくなど準備中です」 【原田イチボ@HEW】
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