「コンビニ×アニメ」といえばローソン! 黎明期からの歩み、最新のコラボ事情を聞く【インタビュー】 3ページ目 | アニメ!アニメ!

「コンビニ×アニメ」といえばローソン! 黎明期からの歩み、最新のコラボ事情を聞く【インタビュー】

今ではどこのコンビニでも行われている、アニメ作品とコンビニとのコラボレーションキャンペーンだが、その先駆者であり手法を確立させたのがローソンだ。ローソンのアニメコラボ施策を推し進める中心人物・白井明子氏にインタビュー。

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■『BANANA FISH』私がやらねば誰がやる!



――現在、白井さんは管理的な立場になられて、直接コラボキャンペーンの手配をされていないんでしょうか。

白井
今は個々のキャンペーンを担当するような立場ではないので、基本的には後方支援に回っているのですが、2018年7月にアニメ化された『BANANA FISH』だけは、「これだけは私が全部やる!」と久しぶりに自分で担当しました。

吉田秋生先生の原作が本当に大好きで、引っ越しの度に単行本をずっと持って来ているくらいなんです。
だから「他社にタイアップされたら、たまったもんじゃない!」と、版権元のアニプレックスさんや小学館さんにも通いました。

――まさに作品への愛ですね。ちなみに今回の『BANANA FISH』とのコラボの注目ポイントは?

白井
『BANANA FISH』のバナナチョコレートスムージーを発売します! 夏に第1弾をやりましたところ、即時完売してしまったので、TVアニメ最終回に合わせて12月18日から第2弾として販売します。


――そのほかこだわったところは?

白井
『BANANA FISH』のファンの方は、そういうキャンペーンよりは、デザイン性重視にした方がいいんだろうと思って商品を開発しました。

第2弾では、カップのデザインも、「インスタに載せられるカッコよさ」を心がけて、原作ファンも気に入っていただけるように、原作の単行本の表紙の黄色に合わせています。
イラストも、通常の4バージョンに加えて、アッシュと英二のシークレットバージョンがあります。

――こだわり抜いたデザインですね。

白井
『BANANA FISH』は固定ファンも多いですし、アニメのラストが感動的なことは20年前からわかっています。
原作ファンは40代、50代、アニメでは10代、20代の女性が新たにファンになるだろうと思い、年代に乖離があるので、その両方に受けるものをと提案させていただきました。

■コラボを始めた頃と、最近のアニメの違い


――「この作品は行ける」というのは、どのあたりでわかるものでしょうか。

白井
昔は、「この作品は流行りそうだ」という気づきみたいなのがあったら、ライセンサーさんに飛んでお願いしに行くようなこともありました。
たとえば、『魔法少女まどか☆マギカ』は、第3話で一気に盛り上がりましたよね。ネットでも話題になって「これは取りに行こう」と(※2)。

でも、今はアニメの本数も多いですし、1クール(3カ月)ものが多いので、TVで観てから仕掛けても間に合わないんですよね。

(※2)2011年に大ヒットした『魔法少女まどか☆マギカ』。ペットボトル飲料にマスコットのおまけをベタ付けしたところ通常の6倍の売れ行きとなり、対象商品が品切れになる事態に。その後も、映画化などのタイミングでキャンペーンを実施。

――その作品とコラボすると決めてから、実際に店舗でキャンペーンを開始するまでの準備期間はどれくらいですか?

白井
通常、だいたい半年前から詰めていって、3カ月前に会社の決済会議で承認を取るという形ですね。その後、1カ月半くらい前までには、冊子が出来ていて、店舗に届かないといけないんです。

――昔のように放送を見てからでは遅い、ということでしたが、今はコラボする作品をどのように選定されておられるのですか?

白井
今期アニメのランキング予想とか、公式Twitterアカウントのフォロワー数が多いとか、そういうのも参考にすることもあります。

→次のページ:SNSがあれば、宣伝費は少なくても大丈夫
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《山科清春》

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