■宮野さんのクリスマスの思い出は?
――それにしても、グリンチは大変なひねくれ者です。
宮野
冒頭に出てくるスーパーのシーンとかひどいものですよね! 自分が一度口にした食べ物を他人の買い物カゴに入れるという……衝撃的でした(笑)。
――そんなグリンチを宮野さんはどう感じたのでしょうか?
宮野
やっぱり、人がひねくれ者になったりするのには、何かしらの理由があると思うんですよね。物語ではなぜグリンチがあんな風になったのかがしっかり描かれているので、見ていただいた方にはきっとたくさん感じる部分があるんじゃないかなと思います。
そういう意味では僕のナレーションがグリンチの味方でもいられるように語っていければいいなあと思いました。彼の心情が伝わる語り口にできればいいなと。
――『グリンチ』はクリスマスの物語ですが、子ども時代、宮野さんが印象に残っているクリスマスの思い出などはありますか?
宮野
小学生も高学年になってくると、もはやサンタさんがどういうものかわかってはいて、それでも一応「サンタさんへ」という形でプレゼントをお願いするわけじゃないですか(笑)。
その時、僕はおそらく高額な商品、例えばTVゲームといったものをお願いしたんですよ。本当にほしかったのたで。ワクワクしながらクリスマスの朝起きてみたらマンガ本3冊だけが置いてあって……もううちのサンタさんに頼むのはやめようって思いました。大変なんだなあと思って(笑)。
――なんて優しい子ども(笑)。
宮野
はははは(笑)。それで僕はサンタさんから卒業しようと思いました(笑)。サンタさんはいますけどね!
――最後に映画『グリンチ』を楽しみにしている方へメッセージをお願いします。
宮野
すごく楽しくて、笑っちゃうんです。グリンチはメチャクチャひねくれているし、ひどいことをしたり不満をたらたら言うしボヤいたりもするんですけど、それでもこの作品にはハッピーなオーラやコミカルな雰囲気がふんだんに盛り込まれていて、作品全体の印象はやっぱり“笑顔”なんです。
それからもうひとつ大事なことがあって、この作品を見ていくと自分ももしかしたら誰かにとってグリンチなのかもしれない、と気づいていくんです。グリンチという存在にほんのちょこっと自分も重ねながら見ていただくと、大事なものが見えてくるんじゃないかなって思います。
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