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フジテレビの新アニメ枠「+Ultra」が掲げる“3つのHigh”とは? 森彬俊Pが明かす世界に向けた戦略

「+Ultra」と「ノイタミナ」の作品に携わる森彬俊(もり・あきとし)プロデューサーにこれらの疑問をぶつけ、新ブランドである「+Ultra」の意義やプロデューサーとアニメ作品の関係など話を伺った。

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フジテレビの新アニメ枠「+Ultra」が掲げる“3つのHigh”とは? 森彬俊Pが明かす世界に向けた戦略
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■「アニメプロデューサー」にとって最も重要なこととは?



――ここまでは、放送枠のコンセプトなど「TVプロデューサー」的な視点でお話を聞いてきました。ただ、アニメファンからは、TV局のアニメプロデューサーが作品づくりにどのくらい、どのように携わっているのか見えづらいように思います。森さんがどのように作品づくりに関わっているのか教えてほしいです。


そうですよね、プロデューサーの仕事ってなかなか分かりにくいですよね(笑)。
私たちは企画の立案からはじまります。原作ものの場合は原作者さんと、オリジナル企画であれば脚本家や監督の方と打ち合わせをし、どんな話で、どんなクリエイターを集めるかという根っこの部分から企画を作ります。

それに伴い「こういう企画だったらこの企業さんがスポンサーになってくれる」「こんなグッズを作ってくれる企業さんと一緒にビジネスをしよう」といったように、その作品の収益化までをワンストップで行います。

――作品作りとビジネスの構築、両方やられているんですね。プロデューサーはビジネス分野を担当する人というイメージを持つ人も多いかと思いますが、クリエイターの方とお話することも多いのでしょうか?


もちろんです。シナリオ会議やアフレコ収録なども全て立ち会い、スタッフの皆さんと作品づくりについて話をさせてもらっています。
とはいえ、絵を描いたりと作品そのものをつくりあげるのはクリエイターの皆さんです。プロデューサーの役割で一番重要だと思うのは、クリエイターの皆さんと「こういう作品を目指したい」「これがゴールだ」と意識共有することです。
その軸がしっかりしていないと、作品もビジネスもうまくいきません。その軸を指し示せるのは、企画を根っこから立ち上げ、クリエイティブ面もビジネス面も把握しているプロデューサーしかいないからです。

――最後に、そんなお仕事をされている森さん自身について聞かせてください。やっぱり森さんはアニメがお好きなのですか? そして最初にハマったアニメは?


子どもの頃に見た『機動警察パトレイバー』ですね。夏休みにBSで一挙放送されていて、そのとき初めて見たんです。「他のロボットアニメと何か違う!」と子どもながらに異質さを感じて。

――ロボットアクションよりドラマが中心で、公務員が温泉旅行に行って終わりって回もありますもんね。


そこから、アニメなのに子ども向けではない広がりを感じてハマっていきました。
私は仙台出身なのですが、当時はあまりチャンネル数もなかったので、レンタルビデオ屋さんでアニメを借りてよく見ていたんです。するとTVアニメだけでなくOVAなど大人向けのアニメもあって、そこから映画や映像全般にのめり込んでいきました。

大学時代は、自主制作映画を撮ったりもしましたが、「俺にはクリエイターは無理だ」ということが分かっていい経験になりました (笑)。
一方で、映画制作を通じて作品ができるまでの流れやスケジューリングなど、人に動いてもらい映像を作ることは学べました。
そこから、クリエイターになることはなく、プロデューサーという形を目指してTV局に入社したんです。

――絵を描いたり映像を撮ったりではない形で作品作りに関わろうと。


そうです。この記事をご覧の方で、アニメは好きだけど絵は描けないからなあ……とお思いの若い方もいらっしゃると思いますが、プロデューサーという立場であればまた違った立場から作品作りに携われるということはぜひ知っていただきたいですね。アニメプロデューサーは今人手不足でもありますので。

――「+Ultra」という新しいアニメ枠と、それを推進するアニメプロデューサーという仕事のことがよく分かりました。本日はありがとうございました。

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《いしじまえいわ》

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