劇場版「若おかみは小学生!」おっこ役・小林星蘭が明かす、挿入曲の誕生秘話とは?
11月3日、公開7週目を迎えた劇場版『若おかみは小学生!』が、TOHOシネマズ渋谷にて舞台挨拶を実施。ステージには物語の主人公・おっこ(関織子)役の小林星蘭と高坂希太郎監督、そして音楽プロデューサーの田中統英が登壇した。
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小林は感無量の表情で「こんなに長い間沢山の方々に観ていただけてるんだなと思うと本当に嬉しいです」と喜びを語りつつ、別の現場での反響についても「沢山のスタッフさんから『映画観たよ』とか『めちゃめちゃ泣いちゃった』って言っていただけたりして、(反響の高さに)びっくりしています」と笑顔でコメント。
高坂監督も「気が付かないだろうと思っていた細かいところまでちゃんと作品を観てくださっていて嬉しい」と笑顔を見せつつ、「同時に、次回作を作る時に手が抜けないなとも思いましたね」として笑いを誘う。
一方、初登壇となった田中は「音楽プロデューサーは、作曲家、監督、演奏家などと相談し、必要なところに必要な音楽を用意する。皆さんに観ていただく完成品に至るまで、音楽に関して最後まで責任を持つ立場です」と自己紹介。
初仕事となった高坂監督について「音響監督を務められた三間(雅文)さん等からお噂は色々と聞いていました(笑)」と冗談を飛ばしつつ、「当然ですが、監督はこだわりが強い方が多いので覚悟していた」と当時の心境を明かした。
田中によると、高坂監督からは事前に「直球の作品なので、あまり捻ったメロディじゃないもの」との希望があったそうで、「音楽で過度に盛り上げたりしんみりさせたり煽らないように、鈴木慶一(音楽担当)さんと相談して進めていきました。劇中には、鈴木さんらしい各キャラクターに合った特徴的な曲も織り交ぜていただきましたが、全体のモチーフは定まっていたので、それ以外の曲はメインテーマのアレンジを変えて同じフレーズを繰り返すようなカタチで、美しく仕上げていただきました」と制作過程を述懐。
小林も「シンプルに、台詞と一緒にすっと心に入ってくるような感じがして、聞いていて楽しかったです」と、仕上がった楽曲を聞いた際の感動を振り返った。
そしてイベントでは、多くの鑑賞者から「もう一度聞きたい!」と声の上がる挿入歌「ジンカンバンジージャンプ!」を小林が生披露する一幕も。
本楽曲には高坂監督の歌詞への強いこだわりがあったそうで、高坂監督は「この曲は、おっこが事故の影響でPTSD(心的外傷後ストレス障害)に陥ってしまうところから、如何に楽しい場面へと繋げていけるか、という重要な節目となる楽曲だった」と回想。
こだわりはタイトルにも及んでおり、「物語全体として、『禍福は糾える縄のごとし』や『人間万事塞翁が馬』(※どちらも「人の運命は予測できず、一時のそれに一喜一憂しても仕方がない」といった意味)のような展開になっているので、ちょっと 真面目な内容と楽しい部分を合わせたようなものにしたかった」との思い入れも明かした。
最後には、第20回プチョン国際アニメーション映画祭で受賞した優秀賞と観客賞のトロフィーがお披露目され、高坂と小林が代表してその重みを手にする。
高坂監督は「監督していて言うのも変ですが、奇跡のような本作に関わることができて、本当に良かった」と、感慨深い様子で感謝を述べ舞台挨拶を締めくくった。
(C)令丈ヒロ子・亜沙美・講談社/若おかみは小学生!製作委員会
《仲瀬 コウタロウ》
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