『ラピスリライツ』は、「魔法」×「アイドル」をテーマとした、KLabGamesとKADOKAWAによる大型メディアミックスプロジェクト。
モバイルオンラインゲームに加え、ノベライズ、コミカライズなど多方面で展開が計画されており、特徴的なのがメディアごとに同じ世界観でありながらもパラレルワールドな物語が描かれることだ。
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例えば、ゲームでは仲が良いキャラクターが、別のメディアで登場した際はケンカしているといった違いがある。横山氏は狙いとして、「どの入り口からでもまっさらな状態で楽しんでもらうため」と語り、アイドルものが乱立する中での差別化になるという考えを明らかにした。
■アイドル=魔女
作中において、アイドルは魔女であり、世界を守るために魔獣と戦うという位置付けだ。彼女たちが魔獣を倒す魔法を使うには、人々のプラスの感情を集める必要があり、そのためのアイドルとしてステージの上に立って人々を魅了するのだ。
世界各地に育成機関となる学校があり、伝説のアイドルユニット「Ray」に憧れて見習い魔女たちが凌ぎを削っている。
そのコンセプトに沿って、リアルでも20人の若手声優のホープが集められ6ユニットに振り分けて活動している。
王道アイドルユニット「LiGHTs」、「LiGHTs」のライバルユニットにあたる実力派ユニット「supernova」(3人)、亜人からなるユニット「IV KLORE」(4人)、ヤマトからやってきた三姉妹「この花は乙女」(3人)、刺激と甘さがクセになる「Sadistic★Candy」(2人)、トイボックスのようにキュートでポップなユニット「シュガーポケッツ」(3人)だ。
彼女たちはゲームやアニメでキャラクターを演じるだけではなく、イベントにおいてライブパフォーマンスや朗読も今後披露していく。
■真反対の2ユニットによるライブステージ
同日のライブステージでは、「LiGHTs」が楽曲「Your Lights」を披露。白地に赤のリボンやフリルのスカートをあしらった王道アイドルらしい衣装をまといつつ、多彩なフォーメーションのパフォーマンスで観客を沸かした。
歌は基本的にはポップで明るい調子だが、所々でテクノっぽくなるなど、ひとつの楽曲に複数の表情が隠されているところが魅力的だ。
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続くライバルユニットの位置付けにある「supernova」は、新曲「Trinity」を披露。黒地のミニドレスにベレー帽を被り、激しめのダンスを、真剣な表情から切なげな表情まで多彩な一面を覗かせるパフォーマンスで魅了した。
「LiGHTs」が“可憐な女の子”だとすれば、こちらは“スタイリッシュ”なステージを展開した。
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■パンツの色を当てる魔法も飛び出した朗読劇
続いて、朗読劇のコーナーへ。7月に出演した「MF文庫J」夏の学園祭ステージにてじゃんけんで勝利し、ステージに立つ機会を勝ち取った「この花は乙女」の初朗読では、三姉妹の「フローラ女学院」入学の頃をコミカルに振り返るストーリーが展開。
ツバキ(鈴木亜理沙)、ナデシコ(本泉莉奈)、カエデ(大野柚布子)の三姉妹の性格や関係性が良く分かる構成となっていた。
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ハイライトは、ツバキが効果音が出る魔法を使い、カエデのパンツの色は「穢れ無きホワイト」だと叫んだシーン。大和撫子がモチーフにあるのだが、枠にとらわれないコミカルさが印象的な朗読劇となった。
■伝説のアイドルユニット「Ray」のキャスト発表
最後は全ユニットが登壇し、20人全員で新曲「私の名は、光。」を披露。20人という大所帯であったが、前後3列に別れて入れ替わるフォーメーションで、それぞれのユニットに見せ場が設けられていた。
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この楽曲で終わりかと思いきや、サプライズで声優の花澤香菜さんからビデオメッセージ。
作中において生ける伝説となっているユニット「Ray」5人のキャストが発表された。
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エリザ役を花澤香菜さん、クロエ役を南條愛乃さん、カミラ役を上坂すみれさん、ユズリハ役を佐倉綾音さん、あんじぇ役を雨宮夕夏さんが務めることが明かされ、20人の声優たちは「豪華すぎませんか!?」と驚きが隠せなかった模様。観客からも悲鳴に似た歓声が上がった。
■今後の展開はワールドワイドに?
納谷氏は同日のステージ配信を振り返り、実は中国の動画配信サイト「ビリビリ動画」でも配信されており、5万人以上の視聴者があったことを発表。「中国でも展開しましょう」と呼びかけると、横山氏も「反響次第でワールドワイドにやっていきたいと思います」と答えた。
最後に「LiGHTs」のリーダーで、ティアラ役の安齋由香里さんは、「去年の東京ゲームショウでラピスリライツがプロジェクトパラレルという名前で発表されたんですが、その時に私たちはこのステージに登壇していなくて、発表をみていたんですけど、今日こうしてライブや朗読劇ができて嬉しいです。これからどんどん色んな展開が行われると思うので、皆さん一緒に盛り上げてくれますか?」と呼びかけると、観客からは「もちろん!」とばかりに歓声が上がり、イベントは閉幕した。
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