そこでアニメ!アニメ!では、主演の吹き替えを担当する畠中祐さん(トーマス役/ディラン・オブライエン)と山下大輝さん(ニュート役/トーマス・ブローディ・サングスター)にインタビューを実施。
さらに今回は作品世界に合わせて“迷宮”にちなんだゲームを用意! 劇中では手を取り合って迷路脱出に励んだトーマスとニュートだが、今回は負けた方は罰ゲームということで、お互い早抜けしようと白熱のバトルに。果たして勝負の行方は――。
[取材・構成=松本まゆげ]
『メイズ・ランナー 最期の迷宮』
2018年8月22日(水)先行デジタル配信
2018年9月19日(水)ブルーレイ&DVDリリース。
www.foxmovies-jp.com/mazerunner/
■アフレコでは僕たちの芝居も重視してくれた
――本日は『メイズ・ランナー』のメインキャストであるお二方にインタビューだけでなく、本作の世界観にちなんだゲーム対決をしていただこうかと思います。
畠中
メッチャ楽しみです!
山下
取材でゲームできるなんて最高ですね(笑)。どんなゲームなんですか?
――今回プレイしていただくのは『魔法のラビリンス』というボードゲームです。ルールはまた後ほど詳しく説明しますが、迷路の奥に囚われたミンホをどちらが早く先に助けられるか競っていただきます。
畠中
『メイズ・ランナー 最期の迷宮』のストーリーになぞらえているわけですね(笑)。
――そのとおりです。では、ゲームの前に『メイズ・ランナー』シリーズのお話を訊かせてください。まず、あらためて2015年に公開された第1作目を振り返っていかがですか?
山下
僕にとっては、はじめての長尺洋画だったのでとても緊張したのをよく覚えています。まず俳優さんの演技があり、表情や動きも付いているのでそこに声を乗せることがアニメと違って難しいと思いました。
また、アニメだとけっこう自由に演じられるところがあるんですけど、洋画はそうはいかない。だからこそ、“僕なりのニュート”にできたらいいなと思って挑みました。
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――アニメと洋画は似て非なるものと、いろんな役者さんがおっしゃいますよね。
山下
吹き替えの場合、収録中はヘッドフォンやイヤホンをつけるんですけど、そこから原音が聞こえてくるのにはいまだに慣れませんね。
しかも、ニュートってあんなにベビーフェイスですけど、声は結構低くて僕とは違うんですよ。そうなるとよけいに「その低音は出せないけど熱量は汲もう!」と言う感じで、僕なりのニュートを演じなきゃいけない。そこは難しかったですね。
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畠中
へー、面白いですね。反対に僕はデビューが吹き替えだったので、アニメの現場で動揺しちゃいました。当時はそれほどアニメには出演していなかったので、この現場は安心感がありました。
ただ、本作はバリバリのアクション映画なので、そこは演じていて新鮮でしたね。エレベーターで吐くシーンからはじまるぐらいの過激さもあるくらいで。
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山下
傍から見ていても、トーマスは大変な役だなと思います。すごく熱量が高い役柄だし、現場でも「頑張れ!」と思いながら祐くんを見ていました。
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畠中
トーマスを演じる俳優のディラン・オブライエンも、声を枯らすぐらい叫ぶようなすごく生っぽい芝居をするんです。だからその気迫ある演技に合わせるとしたら、僕も体当たりで演じないといけない。なのでブース内で裸足になって演じていました。
――裸足で!
山下
やってた、やってた!
畠中
靴を履いていたら、この泥臭さは出ないんじゃないかと。1作目はとくにそうですね。
1日で録ったんですけど、ずっと叫びっぱなしだから、壁から落っこちるシーンでブラックアウトしちゃったんです。叫んでいる最中に、フッと目の前が見えなくなって、「やばいやばい!」と思いつつ記憶をたどってなんとかセリフを言っていくうちにだんだん回復していったという。
――キャラクターに負けないぐらい収録も極限状態ですね。1作目といえば、やはり走るシーンが印象的でした。
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山下
そうそう、そこが一番苦労したところでした。2、3人で走っていると、誰が誰の息かわからないんですよ。息って、話し声ほど特徴がないから。
畠中
確かに、トーマスの息を聞き分けにくくて、チェックが大変でしたね。
山下
「この息誰だ!?」みたいな(笑)。
だからそこは自由に入れさせてもらって、あとで不要なところは音響スタッフさんに切ってもらうという形で演じさせていただきました。吹き替えにまだ慣れていないのもあって、いろいろ考えながらやっていたら気持ちを入れるのが難しかったので。
――この作品は緊迫感あるので、とくに気持ちが大事ですからね。
畠中
で、結局そういう声が使われていたりするんですよ。原音よりもこちらの芝居を重視してくれたというか。
山下
もしかしたら他の現場だとダメかもしれないけど、『メイズ・ランナー』に関しては気持ちを出せるようにしてくださったと思います。
声がかぶってもそのまま最後まで演じさせてくれて、おかげで自然体に演じられました。アニメの場合だと、かぶるセリフは別々に録るんですけどね。
畠中
「かぶっちゃったら、かぶっちゃったで大丈夫だよ~」って感じでしたよね。だからみんなで一気に録るんですよ。いい意味ですごく緊張感あったなぁ。
山下
みんなで録るぶん、誰かがトチったら終わりだからね。そこが実際のフィルムでも良い緊張感につながっていたと思います。
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