「バケモノの子」だけじゃない! “師弟関係が熱い”おすすめアニメ作品まとめ | アニメ!アニメ!

「バケモノの子」だけじゃない! “師弟関係が熱い”おすすめアニメ作品まとめ

細田守監督の最新アニメ映画『未来のミライ』公開を記念して7月27日、『バケモノの子』(2015年公開)が「金曜ロードSHOW!」(日本テレビ系)で放送されました。

ニュース アニメ
注目記事
『バケモノの子』(C)2015 THE BOY AND THE BEAST FILM PARTNERS
『バケモノの子』(C)2015 THE BOY AND THE BEAST FILM PARTNERS 全 6 枚 拡大写真
細田守監督の最新アニメ映画『未来のミライ』公開を記念して7月27日、『バケモノの子』(2015年公開)が「金曜ロードSHOW!」(日本テレビ系)で放送されました。

『バケモノの子』(C)2015 THE BOY AND THE BEAST FILM PARTNERS
(C)2015 THE BOY AND THE BEAST FILM PARTNERS

同作では、交わるはずのない人間界【渋谷】とバケモノ界【渋天街】でそれぞれ生きるひとりぼっちの少年・丸太とバケモノ・熊徹の絆を描いています。
強さを求めてバケモノ界へ行った幼い丸太が、熊徹に弟子入りして共同生活と修行の日々を重ねることで、時にはぶつかり合いながらも互いに成長した、まるで本当の親子のような関係性が物語の核です。そんな2人の師弟関係に胸が熱くなった視聴者は多かったと思います。

「師弟関係」という言葉は、2人の絆の太さを想像させる重みがあります。どちらにとっても、家族の次に近しい間柄でありながら、弟子は師を超えることが義務づけられ、師は弟子が自分を超えることを期待してます。そんな幾重にも感情が入り交じった切っても切り離せない師弟関係が描かれた熱い作品をご紹介します。

■『機動武闘伝Gガンダム』



「機動武闘伝Gガンダム」(C)創通・サンライズ
(C)創通・サンライズ

1994年4月22日から1995年3月31日まで全49話が放送。従来のガンダム作品とは一線を画したアナザーガンダムの先駆けとも言われ、全体的にまるで熱血スポーツ根性(スポ根)アニメのノリで進行します。
当時、ドモンの必殺技の掛け声である「俺のこの手が真っ赤に燃える!勝利を掴めと、轟き叫ぶ!」を真似した視聴者は多かったのではないでしょうか。

各国を代表する格闘家がガンダムに乗り、4年に一度開催される格闘技大会「ガンダムファイト」を通して世界の覇権を争うストーリー。主人公であるネオジャパン代表のドモン・カッシュは、父が地球環境再生のために開発したデビルガンダムに乗って、行方をくらませた兄を見つけるために大会に参加します。

幼い頃のドモンは優秀な父と兄に反発して家出をして危険な目にあいますが、武術の達人で前回ガンダムファイト優勝者であるネオホンコン代表の東方不敗マスター・アジアに救われて弟子入り。流派東方不敗を体得して武闘家として成長したドモンに、マスター・アジアは自身のキング・オブ・ハートの紋章を授けた後に行方知れずになります。

予選大会を勝ち抜く中でマスター・アジアと再会を果たすドモン。地球の環境汚染を嘆くマスター・アジアは、原因である人間を地球上から排除するためにデビルガンダムの地球浄化に協力を決意し、阻止しようとするドモンと対立するのでした。

思想の違いで対立するも、実の親と同等以上にマスター・アジアを慕うドモンと、敵対していながらも時には弟子であるドモンに助言を与えるマスター・アジア。本作は2人の関係性なくては語れません。

■『史上最強の弟子 ケンイチ』



(C)松江名俊・小学館
(C)松江名俊・小学館

2006年10月から2007年9月29日まで全50話が放送。いじめられっ子の主人公・白浜兼一が転校生の女性武道家・風林寺美羽と出会い、様々な武術を極めた達人が共同生活を送る道場「梁山泊」に入門し、地獄のような修練や強敵との戦いを通して精神的にも肉体的にも成長を遂げていくストーリー。

空手、柔術、中国拳法、ムエタイ、武器術など、それぞれの分野を極めたマスタークラスの師匠に武術を教わることで「史上最強の弟子」になっていく。一見すると、王道格闘マンガによく見られる成長物語ですが、本人は半ば強引な入門とあって、何度も脱走したり、修練をサボったりします。

師匠たちに「武術の才能はまるでない」と断言されているのもミソで、泣くほど嫌がりながら、または、うまく言いくるめられたり、騙されたりして修練を続ける姿と、命がけの修練を得てライバルとの戦いに勝利する姿のギャップが、カタルシスを生み出しています。

■『エースをねらえ!』



(c)山本鈴美香/集英社・TMS
(c)山本鈴美香/集英社・TMS

1973年から『週刊マーガレット』(集英社)で連載された山本鈴美香先生のスポーツ漫画が原作。これまで何度もアニメ化されたスポ根アニメの傑作です。お蝶夫人に憧れて名門・県立西高テニス部に入部した主人公の岡ひろみが、新任コーチの宗方仁に素質を見出され、厳しい指導を受けながら一流のプロテニス選手として成長していくストーリー。

コーチと選手の信頼関係が出来上がるまでの過程、宗方コーチの特訓の厳しさ、それを乗り越えていくひろみの根性と、スポ根作品の見本となる要素が詰まっています。
「これでもか!」というほど多くの試練に見舞われるひろみ。その悲しんだり苦しんだりする姿が多くの共感を呼ぶのに留まらず、ひろみとその周りの人物たちがとにかくストイックで、道を決して曲がるまいとする気高い精神性を見せているのが清々しいです。
本作からは青春を悔いなく全力で過ごして欲しいという熱いメッセージを感じます。

■銀魂



「銀魂」(C)空知英秋/集英社・テレビ東京・電通・BNP・アニプレックス
(C)空知英秋/集英社・テレビ東京・電通・BNP・アニプレックス

『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載中の空知英秋先生のマンガが原作。2006年4月4日に放送開始し、現在は第4期が放送中です。

架空の江戸時代末期に「天人(あまんと)」と呼ばれる宇宙人が襲来し、地球人と十数年に及ぶ上位戦争が勃発。
数多くの侍たちが奮闘するも、弱腰になった江戸幕府が侵略を受け入れて開国をした日本を舞台に、万事屋家業を営む主人公の坂田銀時(銀さん)、剣術道場の跡取りの志村新八(新八)、戦闘種族である夜兎族の神楽の3人を中心とした「SF人情なんちゃって時代劇コメディー」。

主人公の銀さんは「白夜叉」の異名で名を轟かせた伝説の攘夷志士。同じく弟子で、現在も倒幕活動に邁進する桂小太郎、「数ある攘夷志士の中で最も危険な男」と呼ばれる高杉晋助と並んで、かつて師である吉田松陽を救うために攘夷戦争に身を投じた過去を持つのでした。

本作のストーリーは大きくギャグとシリアスのパートに分かれますが、師である吉田松陰に縁のあるエピソードは総じてシリアスであることが多いです。
それだけ、銀さんというキャラクターを形成するうえで不可欠なピースであると言えます。また、銀さんとの出会いを通して成長して行く新八の関係も、ある種の師弟関係という見方ができるかもしれません。

■『ワンパンマン』



「ワンパンマン」(C) ONE・村田雄介/集英社・ヒーロー協会本部
(C) ONE・村田雄介/集英社・ヒーロー協会本部

2015年10月4日から12月20日にかけてアニメ第1期が放送され、現在は第2期が製作中のギャグ系アクションアニメ。「お前なんかワンパンだよ!」と子どもがケンカで口にしそうな台詞ですが、プロ格闘技を見てれば高いレベルになるほど、一撃必殺なんて夢物語だと思うでしょう。
しかし、子どもが抱く夢を体現するのが本作の主人公・サイタマ(ヒーロー名はハゲマント)。怪人から人々を守るヒーローが活躍する世界で、あらゆる敵を1発(ワンパン)で倒してしまう最強のヒーローです。

そんなサイタマの強さに憧れて弟子入りしたのが、19歳の青年サイボーグ・ジェノス(ヒーロー名は鬼サイボーグ)。生まれ故郷と家族の命を奪い、自身を半死半生にした狂サイボーグを見つけて倒すために改造手術を受けて強くなりました。
トップヒーローであるS級の実力者ですが、いかんせん、強過ぎるサイタマの出番が来たらその時点で事件解決になるため、ストーリーの進行上はジェノスが先に強敵と戦うことが多いです。さらに、ボロボロに負けるという引き立て役の扱いがしばしば見られます。

ただし、真面目なジェノスはサイタマに心酔し切っており、本当は弟子を育てる気がないサイタマの一挙手一投足に意味があるとポジティブに解釈し、自分を導いてくれる光だと思い込んでいます。サイタマとジェノスの師弟間の温度差、ジェノスの引き立て役っぷりが鉄板です。

◆◆
師弟関係にスポットが当てられる作品で面白いのが巡り合わせの縁。どんな師匠や弟子であっても、一度結ばれた関係を維持して行くと、化学反応が起きてストーリーに高い熱量を投入してくれるんです。師弟関係が熱いアニメではなく、師弟関係だから熱くなるアニメと言ったほうが正しいのかもしれません。

《乃木章》

この記事の写真

/
【注目の記事】[PR]