【インタビュー】地方の人も、離島の人も、みんながアニメで盛り上がる世界にーーAbemaTVアニメ局 局長インタビュー | アニメ!アニメ!

【インタビュー】地方の人も、離島の人も、みんながアニメで盛り上がる世界にーーAbemaTVアニメ局 局長インタビュー

インタビュー スタッフ

【インタビュー】地方の人も、離島の人も、みんながアニメで盛り上がる世界にーーAbemaTVアニメ局 局長インタビュー
【インタビュー】地方の人も、離島の人も、みんながアニメで盛り上がる世界にーーAbemaTVアニメ局 局長インタビュー 全 5 枚 拡大写真
稲垣吾郎氏、草なぎ剛氏、香取慎吾氏が出演し大きな話題を呼んだ「72時間ホンネテレビ」、若い世代に人気の恋愛リアリティショー「オオカミくんには騙されない」や「朝青龍を押し出したら1000万円」などさまざまなオリジナル番組を企画、提供をしているAbemaTV。

インターネットテレビ局として存在感を放っているAbemaTVですが、アニメチャンネルも非常に多岐に渡るラインナップを用意しており、アニメファンからも支持を得ています。

そんなAbemaTVのアニメチャンネルが、2018年4月1日より、旧5チャンネル体制から新3チャンネル体制にチャンネルラインナップを改編しました。今回、チャンネル数改編の狙いとAbemaTVが見据えるこれからのアニメ業界の未来について、株式会社AbemaTV 編成制作本部 アニメ局 局長の椛嶋 麻菜美氏にインタビューを敢行。アニメ業界に対しての想いを語って頂きました。


──椛嶋さんの自己紹介とこれまでのキャリアをお願いします

椛嶋氏:2007年株式会社サイバーエージェントに新卒入社、SEO事業のコンサルタントや営業を4年ほど務めていました。その後、ガラケーからスマホに移行するタイミングでスマホ広告マーケティング事業の株式会社CyberZにジョインし、広告プロダクト開発などに従事したのち、広報室を立ち上げました。広告効果測定ツール「F.O.X」やゲーム動画プラットフォーム「OPENREC.tv」などを中心に、アドテクからゲーム実況まで、幅広いドメインで企業広報を行いました。

2015年4月頃、テレビ朝日と一緒に新しい動画サービスを立ち上げる、というお話をいただきました。そこからは、どんなジャンルがいいか案を考えたり、エンジニアと様々なUIに映像をはめてみて試し、見心地を追求したり。結果的に、私はアニメと音楽ジャンルを担当。サービス開始後、アニメの初速が想像以上に伸ばせたので、アニメの専任になりました。昨年からはアニメの出資も担当していて、Cygamesとサイバーエージェントがそれぞれ50%出資、30億円規模のファンド「CA-Cygamesアニメファンド」を立ち上げ、オリジナル作品やゲーム化できるアニメを中心に出資を進めています。

──なぜ「Ameba TV」ではなくAbemaTVという名称なのでしょうか

椛嶋氏:「Ameba」を逆から読むと「Abema」でして…。それに尽きますね(笑)。いろいろな社名の案を考えたのですが、最終的には藤田の一存で決まりました。「Abemaってなに?」というちょっと気になる感じも狙っています。

──インターネットテレビ局の立ち上げまでに大変だったことはありますか?

椛嶋氏:HuluさんやNetflixさんなどのSVOD(定額動画配信)が伸びてきている時期だったので、目新しい事業ではありませんでした。唯一、AVOD(広告型動画配信)とSVODが一緒になっていて、リニアの編成があるのはAbemaTVだけという状況で、むしろSVODサービスはライバル視せず、「まったく新しいものを作るぞ」という意気込みでスタートしました。


──サービス開始から2年経ちましたが、手応えは

椛嶋氏:去年の11月の「72時間ホンネテレビ」以降、存在感がぐっと広がった実感があります。年末の「朝青龍を押し出したら1000万円」では、アニメのコンテンツホルダーさんからアニメでも面白い企画をやりたいというお話も、多く頂きました。「何か大きな情報解禁をするならAbemaTVと企画したい」、「AbemaTVでレギュラーの特番を持ちたい」といった、アニメ業界から積極的にお話をいただくことが増えたことがこの1年の変化ですね。今月頭に、新体制の第一弾で「劇場版 ソードアート・オンライン(SAO)」の世界初・無料配信なども行いましたが、年間単位でシリーズを盛り上げることが決まっています。日本を代表するヒットタイトルと一緒に、新しいファンを取りに行く動きを考えて、実行していく数も増えてきました。今まではどうやって最新話を盛り上げていくかを考えていましたが、作品の山を一緒に作る、こちらから仕掛けることをとても意識して取り組んでいて、お声がけもいただけるので手応えを感じます。

──視聴されてるユーザー層について教えてください。

椛嶋氏:AbemaTV全体の月間アクティブユーザー数が1,000万人を越えていて、アニメジャンルを主に観ているユーザーは650万人です。開局時から常に全体の3~4割は占めている状態ですね。メインユーザーは20代~30代前半で、ほぼ変わらない比率で10代。プラットフォームとしてはスマホが多く、PCやテレビデバイスで観ている方も増えています。男女比では、7:3ぐらいで男性が多いです。

──アニメジャンルのなかで、よく視聴されているジャンルはありますか?

椛嶋氏:編成によりけりなのですが、開局から根強い人気があるのは「ソードアート・オンライン」などの深夜アニメ。ちなみに、前期(2018年1月期)では「ポプテピピック」「オーバーロード2」「りゅうおうのおしごと!」「魔法使いの嫁」が人気でした。いずれも、地上波同時やWEB最速配信をしており、数字を牽引してくれました。AbemaTVの特徴としてコアからライト層までのユーザーがおり、「スラムダンク」や「幽☆遊☆白書」、「こち亀」など懐かしいアニメ。「ドラえもん」、「クレヨンしんちゃん」や「あたしンち」といったファミリー向けアニメも夜帯に加えて、正午帯に伸びています。割合として見るとこれらのパイも大きく、深夜アニメだけが人気ではないというのがAbemaTVの強みですね。4月クールからは地上波とリアルタイムで同時・最速配信される本数を1月クールの倍に増やしているので、新作をリアルタイムでコメント付きで観たいという方々が集まってくれていると感じています。

──アニメチャンネルは5チャンネル制から3チャンネル制になりましたが、変更した理由は何でしょうか

椛嶋氏:常にユーザーさんが新しいコンテンツに触れている機会を増やしたいというのが理由です。今までは再放送も比較的多かったのですが、その頻度を減らして、調達の本数やオリジナル企画を増やすために変更しました。月~金曜22時に「声優と夜あそび」という生放送レギュラーも始まりました。初速、毎回30万視聴規模、毎回トレンド入りできています。

──チャンネル名称も変わりましたが、それぞれのチャンネルについて教えてください

椛嶋氏:「Abemaアニメチャンネル」は、主に地上波で放送中アニメや2010年以降のヒット作を中心に編成しています。コアからライトなファンまで刺さるラインナップを意識しています。「アニメLIVEチャンネル」は、深夜アニメ作品と声優生放送レギュラー番組やアニソンLIVEが観られるチャンネル。「みんなのアニメチャンネル」は、ファミリーから大人まで、世代や性別問わず愛される国民的アニメをみんなで楽しめるチャンネルです。

──ユーザーさんからの反響はありましたか

椛嶋氏:開局初日で「ペルソナ3」、「衛宮さんちの今日のごはん」の先行配信、「劇場版 ソードアート・オンライン」がトレンドに入り、視聴数を大きく伸ばせました。コメントを見ているとアニメチャンネルはもっとたくさん欲しいという声もいただいており、より良くしたいポイントはまだ沢山あるのですが、3チャンネルそれぞれに、24時間いつでも観たいと思ってもらえる作品がある状態を維持できるように運営していきたいと思っています。

──AbemaTVのアニメチャンネルは、何人ぐらいで運営されているのでしょうか?

椛嶋氏:チャンネルプロデューサーが5人、それぞれにアシスタントがいるので10人ぐらいで運営しています。24時間編成で生放送の企画も同じチームでやっています。制作・宣伝広報チームを含めると、約20人です。

──メンバーのみなさんアニメ好きなのですか

椛嶋氏:そうですね。私もかなり観ます。AbemaTVで観たり、放送できないものは他でも観ます(笑)。最初は1話を一通りみて、ハマった作品や話題になったエピソードはその日のうちに観ます。

──配信ラインナップは


椛嶋氏:1クールに40~50ものアニメタイトルがあるので、我々はAbemaTVとの相性や、地方の人も地上波同時に楽しめるかというのを考えてラインナップを決めています。あとは1話見逃しても、注目して欲しいタイトルは振り返りやキャストさんをお呼びして最新話の視聴を促進させる特番を放送し、関連作品を隣のチャンネルにアーカイブ配信するなど、ファンが広がるように編成をしています。新シリーズを配信している作品は、前のシリーズを少し前に放送したり、より最新作に注目してもらえるような段取りを実現しようとしています。

──課金されている方は、どのようなものを観られているのでしょうか

椛嶋氏:SVODやタイムシフト対象アニメを集約した「Abemaビデオ」は、課金ユーザーの方によく観られているコンテンツです。ジャンル別の特集も行っており、編成で地上波最速の場合、SVODも最速になります。

──他のSVODに比べて、AbemaTVに加入するメリットは?

椛嶋氏:アニメユーザーに関しては、AbemaTVでしか見られないコンテンツを理解して加入されている方が多く、AbemaTV先行配信のタイトルの視聴数が多いですね。2018年2月に配信した劇場アニメ「同級生」は日本初配信でしたが、このタイミングでは課金加入者が増えたりしました。みなさん、分かって下さっているなあと思いました(笑)。AbemaTV地上波同時先行やアーカイブのラインナップはとても観られています。「ドラえもん」や「クレヨンしんちゃん」をラインナップで、無料で観られる場所は少ないので、こうしたコンテンツが課金のキッカケになっていますね。最近では恋愛リアリティショー「オオカミくんは騙されない」や10代向けのオリジナル作品も伸びてきており、そうした部分も強みですね。

──今後どうやってアニメチャンネルを成長させていく予定でしょうか

椛嶋氏:声優さんの生放送の毎日レギュラー番組が始まりましたが、今いるアニメファンに向けてのみ届けるのではなく、盛り上げていくことで、ライトなファンの方々にも盛り上がってるから観てみようという場になるよう育てていきたいと思っています。AbemaTVきっかけでアニメファンを増やしていき、オフラインイベントの主催を増やすなど、AbemaTVからアニメが盛り上がっている構図を作っていきたいですね。

──サイバーエージェントなどのグループ会社との連携は行っていますか

椛嶋氏:グループのタイトルとタイアップが多く、今年1周年の弊社グループのゲームアプリ「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」は「ウルトラゲームス」で周年特番を行って相互に送客したり、昨年4月クール「GRANBLUE FANTASY The Animation」なども、振り返り一挙配信など編成と連動して、ゲームユーザーも視聴参加したくなる企画を行ったり、グループのゲームとアニメ・ゲームチャンネルの連携は強化しています。あとは、Cygamesとアニメファンドを立ち上げたので、そこでゲーム化したいアニメをプロデューサー陣と議論したり、どのアニメに出資するかといった動きもグループとして注力しています。

──今後、AbemaTVのアニメチャンネルで注目して欲しい部分は

椛嶋氏:4月クールでは「シュタインズ・ゲート ゼロ」を地上波先行で放送しますので、ぜひ観て頂きたいです。AbemaTVで最新話を観たユーザーがTwitterでざわざわして頂き、それを観て気になって地上波を観てAbemaTVで最新話を観るといったサイクルをみなさんと作っていきたいです。あとは声優さんの生放送レギュラー番組を成功させたいですし、声優さん側からもレギュラー番組を持ちたいといっていただけています。声優さんのコアファンだけでなく、番組として楽しめるところを目指したいですね。


AbemaTVは、アニメのプラットフォームでは日本で一番多いと思うので、もっと伸ばして倍ぐらいの規模にしたいと考えています。「72時間ホンネテレビ」のようなマスに刺さるコンテンツと連動して、アニメの懐かしいタイトルから最新作までライトなファンも観てもらえるような視聴体験を作っていきたいです。AbemaTVで放送すると作品が広がる、ユーザーが新しく増えていくというのを強みにしていきたいと思います。

──先ほど少しお話にあった、地方ユーザーへの認知度拡大について今後の予定は

椛嶋氏:離島の方も含めて、全国民がAbemaTVでアニメを一緒に楽しめるという環境を作りたいです。現状でも大阪や福岡などを含めた地方のユーザーの方が6割以上いらっしゃいます。AbemaTVなら無料でこれだけたくさんのアニメが観られるという告知のため、地方行脚をもっとやっていきたいですね。アニメのファンの方は熱量が大きいので、コアなファンだけでなく、新しい方々にも広げてもっと波及していきたいですね。

──最後に、読者の方にメッセージをお願いします

椛嶋氏:みなさんと一緒にアニメの魅力を広げ、もっとアニメ業界を盛り上げていきたいので、どうぞこれからもAbemaTVをよろしくお願いします。

──ありがとうございました

椛嶋氏:ありがとうございました。


ひとつのタイトルの盛り上がりだけを追求するだけでなく、日本全体でのアニメの盛り上がりを視野に見据えている椛嶋氏。今後、AbemaTVがどのような仕掛けを打っていくのか、またどのようなラインナップを揃えていくのか、目が離せません。

《森 元行》

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