あにめたまご2018では、2017年8月頃から2018年1月頃までの約半年間、業界に入って3年以内の若手アニメーターを対象に、6社4団体によるオリジナル作品の制作を通じてベテランアニメーターが指導を行うOJT(On the Job Training)形式でのトレーニングが実施された。
また、また全5回の講習会では『この世界の片隅に』の片渕須直監督による演出講座などのアニメ表現に関する講習だけでなく、著作権や税金、年金、契約についてなど、アニメーターとして生活していく上での幅広い知識がレクチャーされた。
それらのトレーニングを経て24名の若手アニメーターがトレーニングを終え、『TIME DRIVER 僕らが描いた未来』『えんぎもん』『ミルキーパニックtwelve』『Midnight Crazy Trail』という4つのオリジナル作品が完成した。
上映会は声優の井上和彦と島本須美の司会進行によって執り行われた。冒頭あいさつでは文化庁芸術課の江﨑典宏課長と一般社団法人日本動画協会の石川和子理事長より、事業の趣旨説明とアニメ業界の今後の発展に向けての展望と共に、制作を終えた若手アニメーターと指導にあたったスタッフへの労いの言葉がかけられた。
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上映会では本プロジェクトにて完成した4作品が順に上映され、若手アニメーターや監督、プロデューサーへのインタビューが行われた。
若手アニメーターからは「これまでアニメの知識やスキルを育成してもらう機会がなく手探りで仕事をしてきた。今回、これまで意識していなかったパースペクティブブ(パース)のことなど、ぼんやりしていた部分を指導してもらうことではっきりさせることができた」「Flashや3DCGによるアニメ制作をしていたが、今回のプロジェクトでタイムシートを使ったコマ単位での表現という、セルアニメ特有の感覚を覚えられた」とプロジェクトで学んだことを振り返った。
作品上映後、「あにめたまご2018」プロジェクトリーダーである石川光久プロデューサーは「4作品とも子供のころに見たアニメーションのようで面白かった。見てくれる人に楽しんでもらいたいという思いがつまったラブレターのように感じられた。これから、ファンとアニメ業界を支えてきた多くの先人たちの努力への感謝を忘れず育ってほしい」とコメントした。
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司会を務めた井上和彦と島本須美は、若手アニメーターに向けて「声優を続けてこれたのは、常に遊び心をもってやってきたから。声優は遊びの発明家だと思っているが、アニメーターのみなさんも心を遊ばせることで素晴らしい作品を作っていってほしい」「技術は教えることができるけど感情は教えられない。豊かな作品作りのためにも、我慢ばかりせず感情豊かに人生を過ごしてほしい」とのエールを贈り、イベントは幕を閉じた。
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本プロジェクトで完成した作品は3月24日、25日の「AnimeJapan 2018」メインステージでの上映の他、アニマックスでのTV放映やバンダイチャンネルでのネット放送、JALの国際線での機内上映など、様々なメディアで見ることができる。
放送日時などの詳細は今後あにめたまご公式サイトにて公開される。