“面白さ至上主義”でギリギリまで攻める! TVアニメ「ラストピリオド -終わりなき螺旋の物語-」ゲーム×アニメプロデューサー対談
2018年2月4日、東京・恵比寿で行われたファン感謝祭で、突然のアニメ化が発表された『ラストピリオド ―終わりなき螺旋の物語―(以下、ラスピリ)』。
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――本作はゲームとは異なる完全オリジナルストーリーになると聞きました。ゲームとアニメの相関性についてはどのように考えていますか?
大澤
スマホゲーム原作のアニメを手がけるのは、『スクールガールストライカーズ』以来となりますが、やっぱり誰に向けてアニメを作るか? というのは難しいんですよね。ただ、当たり前ですけどメディアミックスの大きな目的は、原作とメディア作品のそれぞれでファンを生み出していくことが大事ですから、原作のストーリーをなぞるだけの閉じたコンテンツにするのではなく、松田さんと相談しながらオリジナルストーリーをやろう、と構成の段階で話しました。
松田
そうですね。キャラクターや世界観はゲームと同じですが、本筋とはほとんど関係ないです(笑)。
大澤
よくハピエレさんが許してくれたなあっていう。普通だったら怒られますよ(笑)。
松田
僕も最初から原作をやるつもりなんて一切なかったんです。極端に言えば、既存のファンは自分の好きなキャラクターと世界観がアニメになるだけで、きっと喜んでくれると思っていて。ゲームではもう第9章まで物語が進んでいるのですが、ファンはアニメで同じストーリーをなぞられても驚きや感動がどうしても薄くなってしまいます。だったらみんなが親しんでくれるキャラクターや世界観と、アニメでしか表現できない演出を使って、毎話楽しみしてくれるようなシナリオを追求しようと思っていました。この点に関しては僕と大澤さん、J.C.STAFFのプロデューサーを務める松倉(友二)さんの3人で価値観が共通していたので迷いはなかったですね。
――オリジナルエピソードと言っても、その方向性は色々あると思いますが、今作ではどのような感じになりますか?
松田
ノリはゲームとも似ていたりします。元々ゲームについてもそこまでシビアなファンタジーではなく、メタ要素などもあったりと攻めている部分があるのですが、アニメではより強くそれが出ているかもしれません。
大澤
中二感もありますよね。
松田
そうですね。だから今回のアニメでも、台本にほとんどNGを出してないと思います。
大澤
むしろ松田さんに煽られますからね。「もっとやれ!」って(笑)。
――そうなんですか(笑)。
松田
どうせだったら面白くしましょうよ、と(笑)。ラスピリチームのコンセプトがすでにそうなんですけど、今作は「攻める」をコンセプトにしているんです。だから、みんなと打ち合わせしてる時も、「これ大丈夫?」「いいじゃんやろうよ!」みたいな感じで。
大澤
まあネタバレになっちゃうから具体的には言えないですけど、現場のみんなの倫理観がゆるすぎるのかなって思っちゃうくらい(笑)。ものすごいギリギリのラインを攻めていると思います。
――すごく内容が気になってきますね。ヒントだけでも。
大澤
えーっと、性的な表現や差別的な表現は一切してないですね。
松田
ここは嘘でも何か言っておいた方が良いんじゃないですか?
大澤
じゃあ『血界戦線』ぐらいの攻めっぷりということで……。
――(笑)。
大澤
まあそれは冗談ですけど(笑)、なかなか類似作品がないくらい珍しいアニメになったと思います。メタやパロディなど、色々といじり倒していますから。
松田
そうですね。特徴としては、このチームだけではなく、自分が今までお世話になった方々にも協力していただいて出来上がった作品です。色々な方に許可を取りながらというか、気を遣いながらというか。
――それってつまり、ゲーム内であったコラボもネタになるということですか?
松田
まあまあ、それぐらい攻めながら作った作品なので、ぜひ楽しみにしてもらいたいなと。
大澤
でも、『ハピエレ』のファンのみなさんってすごく悪ノリに対する耐性が強いですよね。ビックリしました。
松田
そうなんですよ。今回でいきなり攻めてるわけじゃなくて、今までもゲーム内や生放送などイベントでもけっこう無茶苦茶やってきてるので(笑)。それをユーザーさんはずっと経験しているから、受け入れてくれる土台ができているのかなと思います。
大澤
コール(ゲーム内のいわゆるガチャ要素)にもアニメ演出のひとつとして普通に出てきますからね。荒れないのかなって不安になります(笑)。
松田
普通はやっぱり原作に愛着があるので、「アニメになって絵が違う」とか「このキャラクターはこんな性格じゃない」とか、色々と怒られるケースもあると思うんですけど、僕ら自身が楽しみながら作っているのを理解してくださってるのかなって。すごくファンに恵まれている作品だと思っています。
《小松良介》
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