「この世界の片隅に」片渕監督の海外渡航をサポートするクラウドファンディングが始動
サイバーエージェント・クラウドファンディングが運営する「Makuake」は、公開中のアニメ映画『この世界の片隅に』の海外進出をサポートするためのプロジェクトを、11月22日より開始する。監督を務めた片渕須直氏が海外に赴くための、渡航費用・滞在費用を集める計画となる。
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『この世界の片隅に』は、こうの史代が双葉社「漫画アクション」で連載したマンガを原作としている。突然の縁談から広島の呉に嫁いできた“すずさん”を主人公に、戦時下の広島を生きる庶民を描いた作品だ。
2015年3月から5月にかけて実施された「Makuake」でのクラウドファンディングから誕生した同作は、目標の2,000万円を大きく上回る3,900万円以上を3,374人から集めた。これは当時の国内クラウドファンディング市場における最多の支援者数となっただけでなく、同市場の映画ジャンルにおいても調達金額1位の記録となった。
公開後もわずか63 館での上映ながら、全国映画動員ランキングの10位に2週連続でのランクインを果たしたほか、累計興行収入は1億6,289万9,760円を数え、累計動員数は10万人を突破している。広島国際映画祭2016での「ヒロシマ平和映画賞」受賞など、熱狂を広げる話題作だ。
同作は2016年11月現在でイギリス、フランス、ドイツ、メキシコ、アメリカなど、世界15カ国での配給が決定している。世界の人々がこの映画にどのような反応を示すのか、現地の人々が唯一の被爆国である日本にどんな感情を抱くのかを、監督自身が直接感じとれるよう、このたびのプロジェクトが立ち上げられた。支援者には、片渕監督が行う海外渡航報告会イベントに参加できる権利などのリターンが用意されている。
『この世界の片隅に』について、「決して「ローカル」なものにはならない」と確信しています」という片渕監督。「戦争を生み出した主義や思想とはまるで縁がなく、ただ単にそんな時代に生まれ育ってしまったすずさん。たいへんな時代に一生懸命にごくふつうの家事を営み続けようとしたすずさん。そんなすずさん自身のことを、たくさんの国々の人たちと話してみたい」という思いの実現に向けて、ふたたびファンの力が集まることになりそうだ。
(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
《仲瀬 コウタロウ》
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