―そうした中で世界を目指すというのはあるのでしょうか。
守屋
当然ながらあります。というのも、海外市場はあまり考えずに日本国内の市場だけで勝負する企画は、日本の市場では新参者である我々に、すごくリスクが高いと思っています。日本でも海外でもある程度受け入れられるような作品がうちのスタジオの目指すところなんじゃないかと。
当面は世界の視聴者が受け入れやすい作品を企画していくことになると思います。『亜人』のサスペンスアクションというジャンルは世界的に受け入れてもらいやすいですし、アニメならではのIBMの戦闘が表現できれば、我々の独自性を出せると思います。
―『山賊の娘 ローニャ』はやや別の路線と考えると『シドニアの騎士』『亜人』と2作品続きましたが、第3弾、第4弾も考えているのですか。
守屋
2018年ぐらいまではコンスタントに作品をリリースする予定になっていますね。
瀬下
続々ですね。本当に期待していただいていいんじゃないかと思います。
―そうすると、ポリゴンのブランドそしてデジタルアニメーションの在り方はどんどん打ち出していくことになりますね。そのなかで最新作の『亜人』の映像的な見どころがありましたらお願いします。
瀬下
独特の没入感を持った個性的な映像に仕上がっていると思います。IBMは見どころです。あとは声優さんの演技。今回は本当にプレスコをやってよかったなと思っています。
主演の宮野(真守)さんの鬼気迫る演技は、永井圭のキャラクターアニメーションに大きな影響を及ぼしています。見応えがあると思います。
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―最後にお二方に。これからのポリゴン・ピクチュアズの目指している方向を、お答えいただければ。
瀬下
このスタイルやスタジオブランドが、もっとより多く、幅広い層に受け入れられたら、何より嬉しいです。僕自身も観て育ってきた日本アニメの世界で、我々のスタジオが作る個性的な作品が、選択肢の一つとなり、日本のマンガやアニメ文化の未来への発展につなげられたらと願っています。
守屋
「次はどんな作品を作るんだろう」「どんな映像が出てくるんだろう」というワクワク感を大事にしたいですね。ジブリさんもそうだし、作品でいえば『AKIRA』『スチームボーイ』や『イノセンス』もそうだったと思うんです。特に我々はCGスタジオですから、「技術の進化にあわせて映像表現の進化にチャレンジし続けたい」という思いはありますね。
あまり過去のパターンにとらわれずにチャレンジングなことがわれわれのスタジオのブランドにもなっていくんじゃないかなと思っています。
―本日はありがとうございました。
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11月27日(金)より TOHOシネマズ新宿ほかにて2週間限定公開
配給:東宝映像事業部 PG-12指定
TVシリーズ:2016年1月15日(金)より
MBS・TBS・CBC・BS-TBS“アニメイズム枠”にて順次放送開始