Happy Elementsが目指す国境を越えたデジタルコンテンツビジネス Happy Elements Asia Pacific株式会社代表取締役・頼嘉満氏が語る | アニメ!アニメ!

Happy Elementsが目指す国境を越えたデジタルコンテンツビジネス Happy Elements Asia Pacific株式会社代表取締役・頼嘉満氏が語る

日本と中国のデジタルコンテンツビジネスの架け橋を目指すHappy Elements Asia Pacific 株式会社 代表取締役 頼嘉満氏に、同社の成り立ちから、事業のミッション、さらに日中での展望までを語ってもらった。

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Happy Elements Asia Pacific株式会社代表取締役・頼嘉満氏
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いまモバイルゲーム業界でHappy Elementsが注目されている。カジュアルゲーム「Anipop」は2015年11月で4億ダウンロードを突破、RPGゲーム「メルクストーリア」は2015年10月に日本で400万ダウンロード、全世界で1000万ダウンロードを突破するなど破竹の勢いだ。アジア、そして世界を代表するモバイルゲーム企業だ。
しかし、その歴史は意外なほど若い。2009年に中国・北京で創立したばかり、確かなゲーム開発・運営技術とオリジナルコンテンツを創出するクリエイティブ能力を武器に急成長している。
しかも、同社は日本とも関わりが深い。設立当初の早い段階から日本進出を視野に入れ、わずか1年後には日本に進出、そして現在4ヵ所ある拠点の2箇所は東京と京都にある。

そのHappy Elementsが、新たなビジネスに乗り出す。2015年11月6日には、東京・六本木でアニメをはじめとしたデジタルコンテンツの中国展開をテーマに、中国の現状や可能性を伝えるセミナーを行った。日本と中国のデジタルコンテンツ分野の相互理解を深め架け橋になろうとするものだ。
Happy Elementsはなぜ日本を重視するのか?アニメを中心としたデジタルコンテンツへの関心の理由は? Happy Elements Asia Pacific 株式会社 代表取締役 頼嘉満氏に、同社の成り立ちから、事業のミッション、さらに日中での展望までを語ってもらった。

―AA
まずはHappy Elementsの成り立ちをお話いただけますか。

頼嘉満氏(以下、頼)
中国のFacebookと呼ばれている「人人網(レンレン)」で働いていた4人が2009年3月に北京で創立した会社です。エンターテインメントとしてのゲームを通じて人々に幸せを提供する、という理念のもと、Facebookゲームの開発・運営からはじまりました。今年で6年目、主要事業はゲームで、全世界に従業員が640名ほどいます。
現在の拠点は北京、上海、東京、京都の4つ。日本の従業員は100名ほどです。創業当時、中国はまだゲーム業界の黎明期だったため、2010年、お手本とすべき国として、世界を席巻している日本へまず進出しました。

―AA
世界には多くの市場があり、また中国の開発余地も大きいはずです。なぜ、そんなに早くから日本だったのですか。

―頼
日本はゲーム業界においては決して小さいマーケットではありません。さらにはアジア文化圏であり、生活スタイルや時間の使い方も日本と中国は似ています。アメリカは車社会ですから移動中にスマートフォンを見られませんが、日本や中国は違います。東京や大阪のように人口が密集した都市も多い、さまざまな理由から、欧米ではなく日本を選びました。

―AA
Happy Elementsは、なぜ創業当初にカジュアルゲームを始めたのでしょうか。

―頼
当時、中国ではハードコアと呼ばれる、ARPUが高いオンライン型のゲームが主流で、ライトユーザー向けのゲームが少なかった。でも私たちから見れば、モバイルの進化とともに、今までゲームを遊ばないユーザー層のニーズが顕在するため、ゲーム自体のユーザー体験が容易でものすごく良いものであればライトユーザーにも受け容れてもらえるじゃないかと考えました。

―AA
では成功の秘訣はいち早くカジュアルゲーム開発に着手した、という部分でしょうか。

―頼
成功の秘訣はいくつかあると思います。ひとつはマーケットを読む力。そしてもうひとつは継続して運用する力です。中国企業には実績が出なければ1年で中止するという企業も多いのですが、我々には「長くユーザーに楽しんでもらえるプロダクトを作る」という経営哲学がありますので、目先の利益をただ追いかけることはしません。たとえば、弊社初のタイトル「Happy Fish」という魚育成ソーシャルゲームは、2009年に提供開始して以来継続的に安定的な利益を生み出しており、また直近の2015年7月には中国iOSダウンロードランキング一位と、継続して運用する力を発揮できていると思います。

―AA
ユーザーのニーズや趣向はどのように調べたのでしょうか。

―頼
中国は日本と違い人口も非常に多いですから、ユーザーのニーズもより多様です。ですのでリサーチを元にした仮説を元にまずプロダクトを作り、社内で複数の審査を経て、正式リリースの前にβ版でまず遊んでいただきます。そこでユーザーからのフィードバックを重視してチューニングをしていきます。弊社にはユーザーの離脱ポイントやゲーム内におけるユーザーのビヘイビアなどをビッグデータ(莫大な情報)で取得できるシステムがあるので、そこは強みですね。

―AA
ありがとうございます。

Happy Elementsさんはゲーム業界としては広く知られていますが、なぜ今回、必ずしも大きな市場ではない“アニメーション”を扱おうと考えたのでしょうか。

―頼
我々はゲーム事業からはじまりましたが「ゲーム会社」と定義していません。“モバイルインターネットを通じてエンターテインメントを提供していく会社”なのです。
また、アニメーションに関しては私自身が日本に住み、日本の漫画やアニメを見て育ってきているので、その強みは十分に理解しているつもりです。ただ現状日本のアニメ会社の中国進出は、残念ながら成功しているとはいえないように感じられます。そこで、日本と中国のゲーム市場で成功している私たちが蓄積したノウハウを活かせば、成功に導けるのではないかと考えました。

―AA
日本アニメの市場を頼さんはどう見ているのでしょうか。

―頼
市場の進化の速度に追いついていない部分があるように感じられます。
私たちは変化スピードの速いネット業界で、技術の進化と共に会社も進化せざるを得ない状況に身を置いています。ユーザーからのフィードバックを得て、随時対応していきます。
日本アニメは準備期間でコンテンツを決め、作り終えて放送して終わりという方法で制作されています。ゲームで例えると昔のコンシューマーゲームと同じですね。制作した後にアップデートを行うことが難しいため、ユーザーのニーズにすぐ対応できません。
我々がネット業界で培ってきたユーザーのニーズや、ネットでの視聴状況によってプロダクトづくりに反映させるというネット業界での手法が活かせるのではないかと考えています。
それからもうひとつは人材です。ネット業界は新しいテクノロジーと共に人材が集まります。がんばればそれだけ大きくなっていく産業だからです。アニメーション業界は必ずしもそうなっていないのではないでしょうか。そうした頑張るほど伸びていく仕組みを作らないと、優秀な人材が入ってこないのでないかと思います。

―AA
Happy Elementsさんは日本のアニメ業界に関わることで、どのような利益を日本と中国の双方にもたらすことができるのでしょうか。

―頼
実現の可能性の高いものでは、私たちが作っているゲームIPのアニメ化、マンガ化の中で日本の会社とコラボしていくことです。中国ユーザーのニーズや、ヒットするのに必要な要素を提供できますし、日本と中国の明らかな文化性の違いなどに関してアドバイスができます。
もうひとつは日本のアニメ会社と一緒にコンテンツを生み出すこと。共同でIPホルダーとなることもありますし、日本と中国のマーケットをそれぞれ手分けするなど、柔軟な対応ができると思います。一緒にビジネスを大きく広げることができると考えています。

―AA
今、アニメーションの分野で中国のビジネスチャンスはどこにあるのでしょうか。日本のIPを中国へ持っていくことでビジネスの拡大を狙うことでしょうか。

―頼
私たちは既存のIPを中国へ持って行くことはそれほど考えてはいません。今後5年、10年、あるいはそれ以上に渡って愛されるような新しいIPを生み出し、そして育てていきたいと考えています。

―AA
五年後、Happy Elementsさんが日本と中国でどういう存在になっているのか、イメージはありますか?

―頼
中国市場へ新たな挑戦、試みを行おうと考える際には、常にHappy Elementsが選択肢の第一候補になっているとうれしいなと思います。“パートナーとして信頼でき、中国で実績も出せる会社”と認知していただければうれしいですね。

[/アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載]

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