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舞台「BLOOD-C~The LAST MIND~」奥行きのある映像、立体感のあるステージ

高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義 ■ 舞台「BLOOD-C~The LAST MIND~」奥行きのある映像、立体感のあるステージ

連載・コラム 高浩美のアニメ×ステージ/ミュージカル談義
(C)Production I.G.・CLAMP/BLOOD-D STAGE PROJECT
(C)Production I.G.・CLAMP/BLOOD-D STAGE PROJECT 全 6 枚 拡大写真
■ 映像、舞台機構を駆使してリアル『BLOOD-C』、「信じる道を行け」小夜は心の赴くままに感じ、戦う。

今回は新作、オリジナルストーリーということもあって舞台版だけのキャラクターが多数登場する。アニメ版のその後の話、浮島地区の惨劇後なので、更衣小夜の父・唯芳は死んでいるが、回想シーンや記憶シーン等で登場する。そのたびに小夜を励まし、鼓舞する。「父様」と慕う小夜。ショッピングモールの跡地に作られたバラック街にたどり着く。ここを映像で表現しているが、猥雑な、かつての香港のようなネオンが煌めく街だ。
小夜にはある時点からの記憶がなくなっている。モグリの診療所を営む陽、なにやら訳ありだ。”ふるきもの”を操る蘭らと出会う。陽の導きによって小夜は己の記憶をたぐり寄せる。”自分は何者”なのか、彼らは誰なのか、そういった混沌とした状況で小夜は戦う。悠久を生きている小夜、そこでわかる祖先との約束や七原一族の秘密等が少しずつ明らかになる。そして文人との出会い、行きつ戻りつ、物語は進行する。

奥行きのある映像、それに八百屋舞台等が絡み合ったステージングは立体的で『BLOOD-C』の世界をリアルなライブ空間に再現する。俳優と映像のシンクロ、スピード感と迫力のある殺陣、映像と舞台セットとの”コラボ”、さらに効果音、照明でスタイリッシュに魅せる。
また、アニメ版の”デジャブ”的なシーンもあり、ここはお楽しみポイント。小夜演じる宮原華音、殺陣もアクションも決まって、まさにあの”小夜”がリアルに登場したかのような流石な身のこなし。中でもキックの打点の高さと型の美しさは観ていて気持ちがいい。宿敵・文人演じるは南圭介、不気味かつ不敵な微笑みで、小夜の前に現れる。様々な舞台で活躍しているが、今回はなかなかのヒールぶりだ。伊坂達也演じる黒田と田中稔彦演じるオカマの紅斑、ちょっと笑えるカップルで、芝居のアクセントになっており、客席から笑いも起こった。

皆、アクション、殺陣が達者で、難易度の高い動きをよくこなしていた。”ふるきもの”をパフォーマンス的な動きや衣装等を駆使して表現、アニメとは違った舞台ならではのニュアンス。ラスト近く、父である唯芳が小夜に言う言葉が印象的だ「信じる道を行け」。時空を超え、果てしなく自分を探す旅をする。心の赴くままに感じ、戦う。何があっても、ピュアに、一途に己の信じる道をゆくヒロイン・小夜。『BLOOD-C』はその不思議な世界が特徴だが、描かれていることは実にストレートだ。
舞台化しづらいように見えるが、演劇はそれ自体がライブであり、”現実”でありながらも、実は虚構の世界。だからこそ『BLOOD-C』の世界とマッチする。

舞台『BLOOD-C~The LAST MIND~』
http://www.negadesignworks.com/blood_c/

2015年7月2日(木)~7月5日(日)
世田谷パブリックシアター
原作:Production I.G/CLAMP
演出:奥秀太郎
脚本:藤咲淳一
出演:更衣小夜:宮原華音、七原文人:南圭介、更衣唯芳:滝川英治、網埜優花:吉川麻美、陽:石渡真修、
蘭:青野楓、蒼円:松村龍之介、富山:藤原祐規、黒田:伊阪達也、紅斑:田中稔彦
製作:BLOOD-C STAGE PROJECT
(C)Production I.G.・CLAMP/BLOOD-D STAGE PROJECT
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《高浩美》

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