また忘れてはいけないのが、シリーズ初となる日本語ボイスの導入だ。主人公であるネロを石川界人さん、ダンテを森川智之さんが熱演。さらに平田広明さん、折笠富美子さん、田中敦子さんと、錚々たる面々がゲームを盛り上げている。
今回、その石川界人さん、森川智之さんのお二人にインタビューし、吹き替えという仕事について、『DMC』というシリーズに対する思いなどを伺った。
「デビル メイ クライ 4 スペシャルエディション」
http://www.capcom.co.jp/devil4se/ja/
――お二人が演じたダンテとネロについて、どのような印象を持ったかを教えて下さい。
森川智之さん(以下、森川)
ダンテは7年前のテレビアニメで演じさせて頂きました。ゲームは今回が初めてで、そこはとても嬉しかったですね。
同時に4作目なので、時代の流れも踏襲して演じなければいけないと感じました。歴史の長いシリーズであるだけに、ずっとプレイしてきたユーザーの方が違和感なくゲームに入れることを目指しました。
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石川界人さん(以下、石川)
ネロは『DMC4』で初登場したキャラクターです。もともとは海外の役者の方による英語音声が収録されているので、その音声から感じ取れるキャラと自分の声を照らし合わせながら演じました。
ただ、僕は英語があまり得意ではないので、喜んでいる、悲しんでいるといった感情の変化や、生意気な口を利いているときの微妙なニュアンスは、台本の書かれているセリフを読んで、そこからキャラクターを掴んでいこうと考えました。
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――英語のセリフを演技に活かすこともあったのですね。
石川
新規の収録というより、吹き替えという感覚に近かったです。元々の役者さんがどう演じたかったのかを音から感じ取り、それを日本語で分かりやすく提供するのが吹き替えの仕事です。
ただ僕は吹き替えの経験も少なかったので、手探りの部分も多く、苦戦することもありました。収録はとても勉強になりました。
森川
特に会話のシーンでは心情が変化していくので元の声を参考にすることが多いですね。逆にアドリブのシーンや掛け声になると、日本と海外で感覚が違うと感じているので、キャラクターのアクションを見て、演じるようにしています。
――今のお話にもありましたが、アクションゲームはアニメとの収録とは感覚が違うこともあるかと思います。そういったところで気を付けていることはありますか?
森川
まず、収録する量が膨大なのは、アニメとの大きな違いですね。あと遊ぶプレイヤーによって戦い方もまったく変わってくるので、ひとつのイメージに凝り固まるのではなく、いろいろなシーンを想像していくことが大切です。
あとは実際に体を動かしたときの感覚を覚えておいて、それを収録に活かすことも考えています。
石川
僕はアクションゲームのボイス収録の経験がほとんどない状態だったので、目の前にあるものすべてをがむしゃらに演じました。これまでに培ってきたものを自分なりに組み立て直して、落とし込んでいきました。
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――お二人は『DMC』シリーズのタイトルにどのような印象を持たれていますか?
森川
当時から「早く日本語化しないかな」と思っていました(笑)。最初にプレイしたときは、物語を理解するために字幕を追うので、忙しいんですよ。日本語化されたことで遊びやすくなった面があるはずですし、これまで遊ぶ機会のなかった人でも手に取りやすくなっていると思います。
石川
周囲に作品をプレイしていた熱心な友達がいたのが印象的でした。ひょっとしたら、僕が吹き替えとして出演することを知って、また遊んでくれるかもしれないので楽しみです。