リアル「じょしらく」は乃木坂46が演じるライトで楽しいコメディ  2ページ目 | アニメ!アニメ!

リアル「じょしらく」は乃木坂46が演じるライトで楽しいコメディ 

高浩美の アニメ×ステージ&ミュージカル談義 ■ 「アイドル×落語。この異色の要素が合わさって魅せる、アイドルが魅せる、寄席へようこそ」(制作)

連載・コラム 高浩美のアニメ×ステージ/ミュージカル談義
(C)久米田康治・ヤス/講談社
(C)久米田康治・ヤス/講談社 全 10 枚 拡大写真
■ アイドルと落語家、オリジナルストーリーならではの仕掛けや構成

まず、蕪羅亭 魔梨威の前口上、それから早々に5人の”どうでもよい会話”、これが『じょしらく』の面白さ、「宝くじが当たったらどうする?」どんどん会話があらぬ方向に進み、あげくの果てには「マックでクーポンを使わなかったから、きっと当たったに違いない」と仲間を疑惑の目で見たり……。
それからオープニング曲がかかる。明るい、ノリのよい楽曲だ。スクリーンにタイトルロールやキャラクターの”紹介”楽曲の歌詞もよく聴けば、キャラの説明になっているので、原作を知らなくても、ここでざっくりわかる、親切な幕開きとなっている。中央のスクリーンには頻繁に”ある断り書き”が映し出される、「この物語は女の子の可愛さをお楽しみいただくための差し障りのない会話を楽しむ……」。
確かにそうではあるが、会話はシュールな方向かつ、ブラックでシニカルなユーモアもあり、アイドルあるある皮肉もちらほらあり(アイドルグループの人事異動とか)、時事ネタもあり、それが”あるある”でもあるが、”そりゃないだろ”的な方向もちょっとあって、この具合がいい感じ。ここは観てのお楽しみだ。

オリジナルストーリーということだが、ここに演劇的な”仕掛け”が施されている。『じょしらく』の出演者は乃木坂、もちろん、皆、バリバリのアイドルだ。アイドルと落語家、アイドルである乃木坂46が落語家を演じる意味・意義。そして演劇というのは虚構の世界だ。
虚構に虚構の”入れ子状態”。それにアイドルと落語家の違いやポジションを絡ませてちょっと哲学的なニュアンスを含ませ、物語の構成に工夫を見せている。また、会話も面白いだけでなく、物事の根源的な問いかけもあって考えさせられる。
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ゲネプロはチーム『ら』であった。芝居はもちろん、ギャグもあり、なかなかの熱演。アイドルシーンは、流石だ。
また、毎回新作落語を必ずやるのであるが、ゲネでは空琉美遊亭 丸京、こと堀 未央奈。最初はやや緊張の面持ちであったが、途中からはかなりの落語家ぶりで稽古の成果を見せてくれた。演目は『猫の丸皿』。元ネタは古今亭志ん生の『猫の皿』。コレクターと喫茶店のオーナーの駆け引きであるが、現代ならではの話題も絡ませ、オチまでの過程もなかなか面白い。創作落語は脚本・演出もする川尻恵太。

基本的に楽屋で繰り広げられる話なのだが、そこから”出る”ところもあってここは”変化球”である。アイドル服を着て歌って踊るシーンもあれば、まさかの”お笑い着ぐるみ”やかぶり物もあって乃木坂ファンなら、ここは”美味しい”ポイントだ。
チーム『ら』、山崎怜奈演じる暗落亭 苦来、眉毛を八の字にして不幸感全開、堀 未央奈の空琉美遊亭 丸京、”暴力メガネ”ぶりとクールさのバランスがなんとも言えない感じ、斉藤優里演じる蕪羅亭 魔梨威は”暴力メガネ”に殴られる時の倒れっぷりがアッパレ、防波亭 手寅役の伊藤万理華、ノリの良いキャラをなんとものびのびと演じており、星野みなみの波浪浮亭 木胡桃は可愛くキメているが、腹黒さをそこはかとなく窺わせる。
1幕もので上演時間は約1時間40分強。川尻恵太、舞台構成が巧みで一気に見せる。難しいことは考えずに、気楽に観られる。なお、チーム毎に違う楽曲もあり、全チーム制覇するなら、ここは要チェック。ライトなコメディ、楽しく笑って、楽しい気分になれること、うけあいだ。

なお、ゲネプロの前に囲み取材があった。登壇したのは全てのチームのメンバー(松村沙友理、高山一実はスケジュールの都合上欠席)、総勢13名であった。
初日の意気込みを尋ねられて斉藤優里は「稽古が長く、しっかりとっていただいたので、メンバーと不安なところをしっかり確認しあったので、いい本番が迎えられそうです」とコメント。星野みなみは「チーム一丸となって頑張っていきたい」と元気よく語った。山崎怜奈は「アニメやマンガを知ってる原作ファンの皆様にも(私たち)乃木坂46が『じょしらく』をやってよかったって言われるような舞台にしたいです」と発言、どのメンバーも今回の舞台にかける想いは熱い。実際に落語家の指導もあったとのこと。また、メンバーの中で一番落語が得意なのは能條愛未だそう。なんと「アイドル辞めて落語界に来れば?」と、”引き抜きオファー”があったとか。
また、ゲネプロ終了後、斉藤優里は「ライブより緊張した~」と一言。ゲネの後はなんとも言えない自信と安堵の表情の5人、他のチームのメンバーもゲネプロを観劇していたが、いい刺激になったであろう。チームごとに、よい意味で競い合って欲しい。

舞台『じょしらく』
2015年6月18日(木)~6月28日(日)
AiiA 2.5 Theater Tokyo
原作:久米田康治/漫画:ヤス
脚本・演出 川尻恵太
http://www.nelke.co.jp/stage/jyoshiraku/

『じょしらく』
(C)久米田康治・ヤス/講談社
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《高浩美》

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