アニメーションの国際見本市MIFA フランスに集まった世界の国々
6月17日、フランス・アヌシー市にてアニメーションの国際見本市MIFAが始まった。30年の歴史を持つMIFAの存在感は年々高まっている。
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アヌシーも例外でなく、30年の歴史を持つMIFAの存在感は年々高まっている。ビジネスにおけるアヌシーも無視出来ない。通常の映画祭の国際見本市と異なるのは、やはりアニメーションに特化していることである。世界的に見ても数が少ないアニメーション業界特化の国際見本市という高い存在価値を発揮する。一方で、アニメーションのコミュニティが映画業界より小さく、敷居がやや高いという側面も意識させられる。いずれにしろ映画界のなかでもユニークな存在だ。
MIFAの会場はホテルの一角を利用していることもあり、昨年に比べて5%増、過去最高の面積ではあるものの必ずしも広くない。しかし限られたスペースを効率的に使うことで来場者にはむしろ使いやすくなっている。また全体は主に3つのブロックに分けられている。
入口すぐは、テクノロジー関連のエリアだ。CGソフトをはじめとする制作や、撮影のためのツールを紹介している。その先は、スクールエリアになっている。フランスの名門であるゴブランを中心に、名の知られたアニメーションスクールが並ぶ。学生らの入学相談も可能である。
さらにその先の最も広いスペースをが、各企業・団体のブースエリアである。作品やプロジェクト、地域の施策などを、担当者に直接交渉する場である。東京国際映画祭のJapan Content Showcase(旧TIFFCOM)に近いものと言えば、映像関係者には分かりいいだろう。
2015年のMIFAの特徴は、こうしたブースの多くが各国・地域の行政機関によるいわゆるナショナルブースとなっていることだ。開催国のフランスは国単位のほか地方行政単位で設けているほか、日本はもちろん、ドイツ、カナダ、イタリア、インド、東南アジア各国、南米までかなり広い地域に及んでいる。そうしたブースは、地域の様々な作品や企業を紹介する。映像コンテンツの世界の主役であるスタジオや配給会社は、意外に少なく感じる。
筆者は2009年6年前にもアヌシーを訪れたが、この行政関連の出展の拡大ぶりが今回強く印象に残った。6年前と異なるのは、日本の出展がジャパンブース一ヶ所と大きく減少したこと、同様に当時存在感のあった韓国が目立たなくなったことだ。変わって中国系のブースが目立っていた。このほかインド、マレーシアが大きなブースをだし、東アジア、東南アジア全体では存在感が増している。
ただこうしたブースに動向だけでは、MIFAの動きはなかなか分かりにくい。先の企業のブースが必ずしも多くないのと同様だ。
ビジネスの場はピッチと呼ばれる企画提案や、会場内外のビジネスミーティングにあり、展示会場自体はその一部に過ぎない。むしろ、ビジネス慣れした企業ほど、ブースを重視しないのかもしれない。事実、今年のMIFAの参加者は昨年から10%増加、過去最高だ。アヌシーでのビジネス活動は、ますます活発化している。それが視覚的に伝わりにくい、それがアヌシー、あるいはアニメーション産業全体の敷居の高さなのかもしれない。
[数土直志]
[/アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載記事]
《アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.biz》
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