岩井俊二監督と「花とアリス殺人事件」 世界最大のアニメーション映画祭で大喝采
フランス・アヌシーで6月15日からアヌシー国際アニメーション映画祭2015が始まった。コンペティション部門第一回目の作品として、岩井俊二監督『花とアリス殺人事件が上映された。
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アヌシー国際アニメーション映画祭は、1960年にカンヌ国際映画祭のアニメーション部門が独立して設立された。世界で最も大きく、権威のあるアニメーション映画祭である。
本年は、過去最多の応募作の中から、コンペティション部門の長編作品部門で9作品がノミネート。日本からは、原恵一監督の『百日紅』と、アニメーション初監督作品でのノミネートという快挙となった岩井俊二監督の『花とアリス殺人事件』がノミネートされている。
『花とアリス殺人事件』は15日、コンペティション部門の第一回目の上映作品として、アヌシー中心部にあるメイン会場で上映された。午前中からの上映だったにも関わらず、会場入り口には一時間前から長蛇の列が出来、980席という巨大な会場が満員となった。
上映前、アヌシー国際映画祭恒例であるスクリーンへ向けて紙飛行機を飛ばすというならわしで熱気が高まる中、岩井俊二監督が登壇。
英語で流暢にスピーチした岩井監督は、「世界中のアニメーション関係者が目標とする映画祭で、まさかコンペに選出して頂けるとは夢にも思っていもいなかった」と驚きを表現し、本編内に登場する「今、会場の皆さんが飛ばしているのと同じ、紙飛行機を飛ばすシーンがあるので注目してください」とアピール。
上映中は、絶え間ない笑い声と、ヒロインの花とアリスが巻き起こす珍騒動に、ため息と温かい歓声が飛び交い「この作品はコメディなので、笑って貰えるかが勝負」と言っていた岩井監督も、フランスの目の肥えた観客の反応に、大きな手応えを感じていた。
拍手喝采の上映後、記者会見が行われた。各国のメディアからの取材が行われ、実写の監督である岩井監督が何故アニメーション映画を作ったのか、またその作り方や手法に関して矢継ぎ早に質問が飛び交った。
岩井監督は「アニメーション関係者が、生涯の目標とするアヌシー映画祭に、初アニメ監督作品でノミネートして頂き、帰国後は刺されるんじゃないかと心配している」とジョークで記者会見場を沸かせた後「もともとマンガ家を目指していたこともあり、アニメーションには以前から興味があった。僕がずっと影響を受けてきたアニメーションの素晴らしい表現手法を自分なりに研究し、この作品で表現しようとした」と発言。
「次回作もアニメーションで作りたいか?」という質問に「企画候補はいくつもあります。次はまったく別世界か、時代劇などに挑戦してみたい」と今後もアニメーション作品を作り続ける意欲を新たにしていた。
長編作品部門の発表は、6月20日(土)現地時間20:30より発表される。
『花とアリス殺人事件』は、上海国際映画祭のコンペティション部門のアニメーション部門にもノミネートされており、二日という短い滞在の後、岩井監督は上海で行われる公式上映へと向かった。
『花とアリス殺人事件』
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[/アニメ!アニメ!ビズ/www.animeanime.bizより転載記事]
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