“男同士の友情を楽しんでもらいたい”「台風のノルダ」初日舞台挨拶レポート
6月5日に『台風のノルダ』の初日舞台挨拶が行われた。シュウイチ役の野村周平、新井陽次郎監督、キャラクターデザイン・作画監督の石田祐康が登壇し、作品について語った。
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『台風のノルダ』は、新進気鋭のクリエイターが集うスタジオコロリドが手がけるアニメーション映画だ。前作『陽なたのオレンジ』から2年ぶりの最新作となる。本作を観に会場に詰めかけたファンに対して新井監督は「こんなにたくさん来てもらえると思わなくてびっくりした」と驚きつつ笑顔を見せていた。
本作は離島にある中学校を舞台に、台風と一緒にやってきた不思議な少女と、少年ふたりの友情を描く。本作の着想について新井監督は「台風がキーワードでした。幼少のころ、台風がきたドキドキしうた感覚があって、それを映像に落とし込めたら面白いのではないか」と語った。
石田さんは「監督から内容を聞いたとき、これは大変になるな、と思いました。少ない制作スタッフから徐々に人を集めながらつくっていきました」と話した。
また本作で初めて声優を経験した野村さんは「すごく恥ずかしいです。ドラマデビューするような感覚で、自分の初めてを見てもらうのは……やっぱり恥ずかしいです(笑)」とはにかみながら答えていた。また演技については「声だけで表現するのは普段やらないので難しかった。思わず体を動かして音を出してしまい、NGを出してしまうこともありました」と苦労を告白。
また主人公・東との共通点を聞かれると「野球をやっていたことぐらいですね。僕の青春はこんなに淡くなかったです(笑)」と答え会場の笑いを誘っていた。
新井監督によると本作のアニメーション制作は、従来の手法とは少し違い、脚本を書かずに制作をスタートしたという。「メインスタッフで企画会議を行って、そのときホワイトボードに起承転結みたいなのを書いて貼っていく。そうやって物語をつくっていきました」と新井監督。その結果、いろんなアイデアを投入できたとして「要素が多く詰め過ぎた感もありますが、それもふくめて楽しんでもらいたい」と話した。
本作の見どころを新井監督は「台風がきたときの不思議な感覚はもちろんですが、男ふたりの友情をテーマとしているので、そこも楽しんでほしい」とアピール。石田さんは「謎だらけで不思議な少女・ノルダ、彼女を魅力的に描くために悪戦苦闘しました。どれだけ魅力を引き出せているか確認してほしいです」と語った。
野村さんは「自分の青春時代に戻してもらえる映画です。心温まって劇場を出られると思いますので、ぜひ楽しんでください」とファンに訴えた。
[沖本茂義]
『台風のノルダ』
6月5日(金)より公開
http://typhoon-noruda.com/
《沖本茂義》
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