マンガはなぜ赦されたのか-フランスにおける日本のマンガ-第8回「日本資本VIZの進出」
短期集中連載(毎日曜・水曜更新)、全9回予定。■ 豊永真美 [昭和女子大現代ビジネス研究所研究員] [第7章 VIZの参入― 赦されない日本企業]
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一方、フランスに溶け込むためというわけでもないであろうが、VIZが進出したことにより、フランスのバンド・デシネが邦訳されるという動きが強まっている。
小学館集英社プロダクションは2015年現在「BDfile」(http://books.shopro.co.jp/bdfile/07bd/)というバンド・デシネを紹介するサイトを運営している。このサイトによると、小学館集英社プロダクションだけで、14冊のバンド・デシネを邦訳出版している。バンド・デシネはカラー印刷であることから一冊3000円-4000円と高価であり、正直、ひそかにブームになっているとはいえ、採算をとることが難しそうである。小学館集英社プロダクションが純粋に商売のためだけにやっているとは思えない。むしろ、フランスの文化紹介のためにひと肌脱いでいる感じだ。
このようにVIZの親会社がフランスのバンド・デシネを日本に紹介するために努力していることは、日本人が考える以上にフランスで評価される。
フランスは文化的影響力を各国に広めたいという欲望が非常に強い国であるが、フランス映画もフランスの小説もなかなか思うように成果をあげることができない。そのような中で、大量のマンガを輸出している日本が、フランスのバンド・デシネを輸入することはアンバラス解消のためにも評価される行動といえよう。
*27角川アスキー研究所「フランスへ、最初に日本のマンガを輸入した人物」(2009/08/13)http://www.lab-kadokawa.com/1621 2015/03/03閲覧
*28夏目房之介(2001)「マンガ世界戦略 - カモネギ化するマンガ産業」小学館 引用は川又啓 子「研究ノート フランスにおけるマンガ事情」京都マネジメント・レビュー第15号 京都産業大学)https://ksurep.kyoto-su.ac.jp/dspace/bitstream/10965/214/1/KMR_15_79.pdf
*29 ActuaBD”Le marche du manga en France vit-il son Pearl Harbor ?”(2012/07/02)
http://www.actuabd.com/Le-marche-du-manga-en-France-vit
(2015/03/03閲覧)
[/アニメ!アニメ!ビズ/animeanime.biz より転載記事]
《アニメ!アニメ!ビズ/animeanime.biz》
