そのひとつが子どもたちに向けた施策だ。子どもたちにAnimeJapanをもっと楽しんで欲しいと新たに子どものためのエリア「ファミリーアニメフェスタ」を設ける。小学生以下無料、ただし入場できるのは子どもと付添いだけという大胆なものだ。
なぜAnimeJapan 2015で子どもたちなのか、「ファミリーアニメフェスタ」は何を目指して、どのようなかたちになるのか。AnimeJapan 2015プロデューサーの連続インタビュー、今回はファミリーアニメエリア担当の太田勝也氏に伺った。
AnimeJapan 2015
http://www.anime-japan.jp/
「ファミリーアニメフェスタ」
http://www.anime-japan.jp/family/outline/
■ 「ファミリーのアニメがすべてここにある。」が「ファミリーアニメフェスタ」
――今回、AnimeJapan 2015の中に子どもたちのためのエリアとして、「ファミリーアニメフェスタ」が設けられます。昨年との最も大きな変更点だと思いますが、この理由はなにでしょうか?
太田勝也氏(以下、太田)
「なぜ子どもが来なかったのか?」、前回の反省です。チケットでみれば数千人は来ていますので全く来なかったわけではありませんが、「ファミリーが少なくなったね」と言われました。
もともとアニメ コンテンツ エキスポと東京国際アニメフェアを足して、新しいものをつくろうとしたものですから両方の良いところをとっていかないといけません。そこで安全もしっかりとしたエリアを立ち上げました。
――そのファミリーエリアを太田さんが担当された理由は?
太田
昨年の実行委員会のメンバーに、今回ファミリー施策をすることを決めたので、そこに入って欲しいという話をされました。前回は会社(NBCユニバーサル)としては実行委員会に入っていましたが、僕は委員会のメンバーではなかったんです。忙しいといって断っていました(笑)
ただ、みんなで一緒に面白いものをつくろうというなかで、「ファミリーエリアは?」という話であれば僕も貢献できるかなと思いました。
――面白いなと思ったのは、ファミリーといえばそれを得意とするアニメ会社は多いです。一方で太田さんが所属するNBCユニバーサルさんは、どちらといえば深夜アニメ、アニメファン向けの作品が得意ですよね。
太田
それはあまり気にしてないです。エリアごとに責任を持って引っ張っていくしかないんです。それを誰がやるかという話のなかではめられたのかな。(笑)
それに貢献したい、頑張りたいという気持もありましたから。
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――2014年の話を伺っていいですか。正直言えば、ネットで子ども向け施策が弱いと意見もみかけました。
太田
実は昨年は委員会に参加していないので、それはあまり見てないんです。
自社ブースやステージイベントで、かなりバタバタしていましたので。結果として11万人が来ていただいたことは良いイベントだったのではないかなと思います。
―― 逆に無事に乗りきったことで、2015年は次の一歩をどう進めるのかが課題になりそうです。
太田
2014年より良いイベントをやらないといけないです。イベントはどんどん進化していくものですから、同じことやっていたらマイナスになります。プラスアルファで何ができるのか。
今回のエリアプロデューサー制も、いろんなことをより動かしやすくした結果です。それが良いか悪いかは、本番が終わって結果を見てだと思います。
――その進化のひとつとして、今回新たに「ファミリーアニメフェスタ」が出来ました。当初のイメージは何だったのでしょうか。
太田
プロデューサーをやる前に考えていたのはまず「安心・安全」です。子どもたちの入口を別にして、それと小学生以下は無料です。そこだけを決めて、あとはどういうものをやるかですが、そこをすごく悩みました。
2014年のキャッチが「アニメのすべてが、ここにある。」でしたので、やっぱりファミリーも「ファミリーのアニメがすべてここにある。」だと決めました。
――それはカッコいいキャッチですね。
太田
ここに来たら子どもたちの好きなものが全部ある。もちろんAnimeJapan以外に良いイベントはたくさんあると思います。ただ全部はないと思うんです。だから好きなもの全部集めるのがファミリーエリアの中身です。
作品によってはNGが出るかなと思いましたが、結果はお声掛けしたところは全部参加していただきました。
――なぜみなさんOKだったのですか?
太田
AnimeJapanという枠ですね。実行委員会だけで19社・1団体です。委員会各社の協力のもとできたと思います。
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