連載第98回 アニメ・ゲーム・コミックの舞台化・2014年の総まとめ、2015年の動向
[高浩美]"2.5次元”という言葉が一般化しはじめた=認知度のアップの2014年、そして2015年は大作、名作ラッシュ!
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高浩美のアニメ×ステージ/ミュージカル談義
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2.5次元舞台でも、それ以外の舞台でも声優が”舞台俳優”として活躍する傾向がある。元々、声優は舞台俳優がやっていたのだが、だんだんと声の演技に特化していき、声優という仕事が確立された。声優が舞台で演じる、ある意味、当然の活動ではあるが、声だけの芝居というのはかなり難易度が高い。そういった声優陣の舞台はクオリティが高い。
朗読劇『私の頭の中の消しゴム』はあらゆるジャンルで活躍している俳優が出演しているが、声優陣では小野大輔、福山潤、沢城みゆきらが挑戦した。声だけでなく、多少の演技も伴うが、技量がないと演じられない内容だった。
また、ミュージカル『テニスの王子様』の作詞や脚本等、幅広く活動している三ツ矢雄二はかなり前から演劇活動をしているが、今年は男性声優だけで演じるジャン・ジュネ原作の『女中たち』に挑戦した。共演は井上和彦、水島裕。3人とも芸達者で見応えのある舞台であった。井上和彦は『ファンタシースターオン ライン2 -ON STAGE-』でも出演、この作品では他に井上喜久子、蒼井翔太、新田恵海等も出演する。
また81プロデュースの若手で結成された演劇集団『初恋企画』はオリジナルの脚本で演劇を活動している。2.5次元ミュージカルでは原作と同じ役に挑戦した声優陣、『AMNESIA』の高橋英則、『ダンガンロンパ THE STAGE~希望の学園と絶望の高校生~』では松風雅也、『ノブナガ・ザ・フール』、声優陣は宮野真守始め、全員がアニメと同役、目の前で演技している俳優にシンクロさせながら声をあてる、という難易度の高い仕事をこなしていた。
力量のある声優は舞台でも実力を発揮する、ということを証明する。また、賢プロダクション所属の声優であり、ミュージカルを上演している音楽座に参加している俳優でもある、いわば”2足のわらじ”で活躍する益山武明、高野菜々がいる。高野はニンテンドー3DS『妖怪ウオッチ2』でフミアキ役を演じている。こういった声優陣が舞台のクオリティを高めている。
2015年の『心霊探偵八雲』で東地宏樹が再び、アニメと同役を演じる。”2足のわらじ”で活動することは大変かもしれないが、声優陣にとっては研鑽の場でもある。こういった活動はますます盛んになってくるであろう。
《高浩美》
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