原作者・咲坂伊緒さんに原作執筆時の想いや映画公開に向けて魅力や見どころを伺った。
[取材・構成=川俣綾加]
『アオハライド』
2014年12月13日全国東宝系にて公開
http://www.aoha-movie.com/
■ 間違っても、大丈夫。そのくらいの気持ちでとにかく青春に乗れ!
―映画化が決定した時のお気持ちは?
咲坂伊緒さん(以下、咲坂)
映画化は初めてでわからないこともあり、もちろん不安もありましたが、とても嬉しかったです。でもこれまで私の作品に興味が無かった方、知らなかった方にも作品に触れてもらえるチャンスなので、それが一番作家としては嬉しいことだと思います。
私自身、マンガで描いていても立体感までは伝えきれないので、それを一体どうやって表現してくださるのか。わくわくする気持ちのほうが大きかったですね。
―映画の中の双葉役の本田翼さん、馬渕洸役の東出昌大さんはいかがでしたか?
それぞれ原作とは少し違う印象のキャラクターになったかなと思います。
咲坂
翼ちゃんはもともと好きだったのですが、それを超えて映画の中でもすごくかわいくて。どんな表情でも角度でも本当にかわいいです! 翼ちゃんが演じてくれることで、双葉が原作よりもはりきり屋なキャラクターになっているなと思いました。それもすごく良かったですね。
東出さんはスクリーンの中でいつも姿を探してしまうくらい、とにかくスクリーン映えする方だなと思います。ふとした表情が、おそらくご本人はそう思っていないのかもしれませんが寂しげに見えて。そういうのがリアル洸っぽくて、そこに本当に登場人物たちが存在しているようで感動しました。
―映画ではよりクールという感じですか?
咲坂
どこか儚げで、寂しげで、そして色っぽいんですよね。
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―他のキャストの方についてはいかがでしょうか。
咲坂
物語全体の流れが重くなりがちなところに、吉沢亮さん演じる小湊亜耶はすごくいいエッセンスになってくれたと思います。所々に出てくる彼の存在によって軽やかさが出ていました。
あとは高畑充希さんの成海唯。唯と双葉が言い合う……というか双葉がズバッと言われてしまうシーンは怖かったです。さすがの演技力で、あんな風に言われたらもう「その通りでございます!」って頭を下げるしかないですよね(笑)
―確かにあのシーンは「ドキッ」ではなく「ビクッ」としました(笑)
咲坂
原作でもあんな風にしたかったので、見事に表現してくれたなと思います。
―映画の中で印象に残っているシーンを教えてください。
咲坂
いっぱいあるんですけど、映画の冒頭で双葉が桜の中を全力で走るシーン。そこの流れから電車のドアに挟まりそうになってしまうところで、ノックアウトされましたね。
双葉と洸のシーンでいうと、文化祭で事故チューをするシーンです。耳打ちでやりとりしているところから事故チューまでの流れ全部が好きで、なんだかすごくいいです。
―双葉の全力ダッシュは映画後半にもあって、一生懸命さがすごく強調されている気がします。
咲坂
翼ちゃんが全力で走るあまりに靴を3つダメにしたらしいです。どんだけ全力だったの! と思って(笑)
―『アオハライド』の登場人物の中で一番共感するのは誰ですか?
咲坂
どの子も自分の中のいち部分を取り出してキャラクターにしているので、全員の気持ちがわかるんですよね。なので全員だと思っています。
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