押井守監督「諦めずにやってきてよかった」、『GARM WARS The Last Druid』舞台挨拶 15年の歳月を超え完成
『GARM WARS The Last Druid』のワールドプラミアムが、10月25日にTOHOシネマズ日本橋にて行われた。舞台挨拶には押井守監督と鵜之澤伸エグゼクティブ・プロデューサーが登壇した。
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10月25日(土)にはTOHOシネマズ日本橋にて舞台挨拶が行われた。登壇したのは押井守監督と鵜之澤伸エグゼクティブ・プロデューサーの2人である。
押井監督は「15年ぶりに完成しました」と口火を切ると「諦めずにやってきてよかったと思っています。かつてスタジオを作って3年準備を進めていたところ中止の憂き目をみた作品です」と語った。
そして隣に並ぶ鵜之澤プロデューサーを示し「中止を決めた男と15年後にまた組んで、完成させたというのも何かの因縁かなと思います」と続け、会場を沸かせた。また「僕はこの作品をアニメだとは思っておりません」と宣言し、「監督個人の頭の中に宿った妄想を実体化したものだと思っています」と述べた。
鵜之澤プロデューサーは押井監督の言葉を受け「それでもアニメの演出・レイアウトで作られたアニメの作品であると僕は思っているので“ハイブリッド・アニメーション”と呼んでいます」と語った。また難解と言われることの多い押井作品ではあるが、「本作は全編英語で作られていて、日本語字幕が出るのですが、字幕にするとこんなにわかりやすいのかと驚きました」と笑った。
また15年前を振り返り、当時、押井監督と共にジェームズ・キャメロン監督のもとへアドバイスを求めに行っていたということを打ち明けた。後にCG映画史を大きく塗り替えた『アバター』をジェームズ・キャメロン監督が制作したことにも、感じることはあったのだという。
去り際、押井監督は「もうひとつだけ」とマイクを手に取ると、「字幕は目の端に置いておいてください。見なくても十分にわかりますから」と押井節を披露し、満場の拍手と共に会場を後にした。
数億年前、母なる星ガイアの衛星ANNWN(アンヌーン)では、ガルムと呼ばれる部族間の戦いが繰り広げられていた。かつて8つ存在した部族は戦いの果てに3つの部族にまで減少していた。その戦いの最中、群れから離れたガルムが3人、偶然出会い、共に旅をはじめる。旅の目的は「ガルムの存在理由を探ること」。目指す地は整地ドゥアル・グルンド――。
脚本には共同執筆者としてジェフリー・ガン氏を招き、音楽は押井作品には欠かせない人物である川井憲次氏が務める。『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』から20年。実写とCGの技術を融合させたハイブリッド・アニメーション映画、新しい押井守作品が生まれる。
[細川洋平]
『GARM WARS The Last Druid』
http://garmwars-movie.com/jp/
《細川洋平》
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