「アニ玉祭」の見所と今後の展望―気になる“聖地化”の意義 主催者インタビュー後編
10月11日、12日に埼玉県・大宮で開催される「アニ玉祭」。“アニメと観光”をテーマにした総合イベントのキーマン3人にお話を伺った。後編では聖地化について詳しく話していただいた。
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柿崎:そこが難しいところで、そうした場所が失敗しているかと言われればそうではないと思うんですね。展示会などもやっていますし、ファンも確実に足を運んでいます。地域としては100人、200人という数字で十分だという考え方もできるんです。
松本:鷲宮のように、三が日で40万人も集めるというのが成功基準に設定されてしまうと、なかなか難しいですよね。
田中:やはりみんな鷲宮を思い浮かべちゃうんですよね。何をもって成功とするかという基準は本当にそれぞれだと思います。
――アニメと自治体とのタイアップが大きく発表されると、どうしても「年に数万人が訪れて、何千万もの経済効果があって・・・」と想像しがちですが、決してそれだけではないということですね
柿崎:自治体はあくまで受け皿ですからね。そもそも、そんな大人数が押し寄せて対応できるインフラを整えた自治体は多くないはずです。
松本:一度にたくさんの人に来て欲しいのではなく、まずその土地を知ってもらって、足を運ぶきっかけにしたいという思いの方が強いと思います。
田中:行政側としては、“地方を知ってもらう入口”と捉えているところが多いのではないでしょうか。極端な話しですけど、アニメじゃなくてもいいわけです。その後ろにある地域を知って頂きたいということでイベントなども行っています。アニメ作品の宣伝だけではなく、地域の紹介という意味合いも強いですね。
柿崎:そういう意味では、アニ玉祭も同じなんです。本番は10月11日、12日ですが、すでに聖地巡りのラリー(埼玉聖地横断ラリー)を実施しています。
田中:去年はアニ玉祭そのものの実施で精一杯でしたが、今年はその前に地域を回ってもらおうという意図があります。また、イベント後にどうしたら地域に足を運んで頂けるかという仕掛けも考えています。
松本:特に飯能は多くの方にお越しいただいております。ちょうど『ヤマノススメ セカンドシーズン』のタイミングだったのが良かったのかなと。
田中:結構『ヤマノススメ』を見て飯能を知って頂く方も多いようで、アニメから飯能の山に登ってみようと思う方が増えれば、本当に理想的な形ですよね。
――今後埼玉県主導でアニメの作品を引っ張ってくるといった動きや、制作会社を誘致するような可能性はあるのでしょうか
松本:現時点ではないですね。やはり自治体がそれぞれの作品と自然な形で結びつくような支援をしていければと思います。もちろんお金を動かしてということもありますが、それはファンの目から見ても面白くないものに見えてしまうのではないでしょうか。今盛り上がっている地域の支援と、今後受け皿になれるような体制作りが県の役割だと思います。
《宮崎 紘輔》
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