―AA
マンガやアニメに世界の未来、この先のIT業界や技術を引っ張っていく力はあるのでしょうか。
―堀江
もちろんあります。創作やSFというのはもともとそういう存在ですよね。技術はSFから生まれるものです。人間が想像できるものはだいたい実現できちゃうんですよ。
―AA
想像した時点でもうそれは実現に向かっている。
―堀江
だと思いますよ。例えばロケットの話にしたって、ジュール・ヴェルヌの『月世界旅行』を読んだツィオルコフスキー博士という人は、その宇宙旅行を実現するためにロケット理論を考えたんです。その後、みんながそれを参考にして実際にロケットを作ってしまった。SFってそういう力があると思います。だから今いかに火星まで行くのか、木星まで行くのか、太陽系を出るのかってみんな考えてる。一応無人探査機ボイジャー2号は太陽系を出ましたから。いつか隣の恒星まで行っちゃったりすると思うんですよ。
―AA
それでは恒星間移動が可能な時代はいずれ来ると。
―堀江
来るでしょうね。
―AA
最後に石川社長に伺わせてください。そうしたなかで原作生誕から25年目を迎えた『攻殻機動隊』の最新作、どのような作品になっていますか。
―石川
総監督を務めている黄瀬和哉は25年ほど作画監督をやってきています。彼が「攻殻機動隊」を作るなら今しかないでしょう。彼はそういう気持ちで臨んでいると思います。繰り返しになりますが、「今作れるもの、今しか作れないもの」を我々は作っています。
また本作『border:3』の見どころは恋愛です。肉体を超越した存在“ゴースト”同士の愛や、「性別とは、男女とは」という問いかけ、本質的なドラマを楽しんでいただければと思います。
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