『機動戦士ガンダムUC』の始まりから終わりまで 古橋一浩監督、サンライズ小形尚弘プロデューサーインタビュー 前編 2ページ目 | アニメ!アニメ!

『機動戦士ガンダムUC』の始まりから終わりまで 古橋一浩監督、サンライズ小形尚弘プロデューサーインタビュー 前編

スタート以来、『機動戦士ガンダムUC』の制作に携わってきた古橋一浩監督、そしてサンライズ小形尚弘プロデューサーに『機動戦士ガンダムUC』について伺った。作品の始まりから、episode 7「虹の彼方に」までについて語っていただいた。

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『機動戦士ガンダムUC』の始まりから終わりまで 古橋一浩監督、サンライズ小形尚弘プロデューサーインタビュー 前編
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■ 繰り返して見られる作品とは?

――作品の話を伺わせてください。今回はまず『ガンダム』という枠があります。
しかも『ガンダムUC』では、この前の時代の宇宙世紀の話があり、さらに後ろの時代にも宇宙世紀の話があります。それに整合性をつけないといけない。さらにそこにオリジナリティを出さないといけないとしたら、どこでオリジナリティを出すべきと考えられますか?

古橋 
既に大長編とも言える小説がありますので、私としては取捨選択するのみです。残った要素で他のガンダムに無いモノが結果的にオリジナリティになるのかなと。

――『ガンダムUC』がほかの『ガンダム』と違うのは、「『ラプラスの箱』って何?」という謎が設定され、さらにバナージは誰? オードリーは誰? と次々と疑問が提示されるストーリー展開となっています。それは意識されていらっしゃったのですか?

古橋 
「謎解き」に関しては小説に準じつつも“思わせぶり”にならないように、力を入れない方針なんです。初見時しか機能しない演出は、繰り返し視聴が前提のOVAでは逆効果になりかねないから。

――監督にとって、何度見ても耐えうるものとは、何ですか?

古橋 
そうですね。生理的に生成されるものなら、効果は減じ難いと思います。メリハリのある動き、実感を伴った芝居や表情、肉声による感情の発露など、ザックリ言って気持ちの乗った表現が繋がっていくことかなぁ。音楽とのシンクロは最も効果的です。これらは右脳的なものですが、左脳に働きかける要素もあります。それは視点を変えること。
今回は“大人のガンダム”を謳ってることもあって、主人公ではなく周りの大人の目からバナージを視る見方が重要になります。episode 1ではカーディアス、episode 2ではハサン医師、episode 3はダグザ、 episode 4はジンネマン目線というように。それを可能にするために主人公にのみ感情移入させる演出も極力抑えてます。セオリーに逆行する危険な作劇ですが、今回は物理的にもあらゆるものを殺いでいくしかない状況でしたので。

――『機動戦士ガンダム』からの引用、あるいは後に続く『機動戦士ガンダムF91』からの引用などはどうでしょうか。

古橋 
映像的な部分ですか?

小形 
メカ部分では、玄馬(宣彦)さんが、かなりこだわってやりました。『機動戦士ガンダム』からの宇宙世紀の流れを、エフェクトひとつから完全に逸脱しないようにやっています。それはカトキ(ハジメ)さん、玄馬さんが担当しました。

古橋 
私もep 1で少しだけ。ギラ・ドーガの残骸をザクにしたり、ムサイを逆さまで見せたり。

小形 
episode 7冒頭7分で流れているバウの合体シーンも、『機動戦士ガンダムZZ』の合体シーンみたいな感じです。地続き感は出していると思いますが、ただそんなにオマージュらしさはだしてないですね。

fd

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