アニメ会社4社のトップらが集結 これからのアニメ業界を語る@AnimeJapan 2014
AnimeJapan 2014の2日目に「アニメの仕事とこれからのアニメ業界」と題されたビジネストークショーが行われた。サンライズ内田健二社長、ボンズ南雅彦社長の、NBCユニバーサル上田耕行氏、ユーフォーテーブル代表の近藤光氏が登壇した。
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内田氏は業界のベテランとしての意見を述べた。まずアニメ業界はそれほど大きな業界ではないため、会社ではなく、アニメ業界に就職するという感覚を持って欲しいと述べた。そして、新人として会社に入ることを、内田氏は「アニメ業界という学校」の中のクラスに席を見つけることにたとえる。さらにクラスの中の居場所を見つければ、自然とその後の席替えやクラス替えでチャンスが巡ってくると説明した。
他方、ユニバーサルの上田氏はもともと一人のサラリーマンとして会社に入って、偶然、営業からアニメーション製作に回されたそうだ。アニメ業界は決まったレールだけではないので、常に新しいやり方を切り開いて欲しいと話した。
そこから議論は自然と登壇者が業界に入ったきっかけに。富野由悠季監督に憧れてサンライズに入社した南氏、実写作品の制作をしていた近藤氏、もともとは映像業界に憧れていた内田氏と業界に入ったきっかけはそれぞれ異なる。しかしながら、自分の作品を作ることと、生活をしていくことの折り合いを模索した結果という点で、共通しているところが興味深い。
最後の質問はアニメ業界に残したいもの。ボンズの南氏は、玩具を売ったり、配信事業をしたりしない純粋なアニメ制作会社としては、何よりも良い作品を残すのが一番大事だと述べた。20年後の人にもインスピレーションを与える作品を作りたいそうだ。
近藤氏は、マチアソビというイベントやカフェなど多くの取り組みを行ってきた。しかし、それらの試みもすべて「アニメを見てもらう」という大きな目標のためにやってきたことだと説明する。そのため、ボンズの南氏と同様に残したいものは常に作品であり、これまで見たこともないようなものを作り、ユーフォーテーブルの代表作になることを目指しているという。
サンライズの内田氏は、ベテランらしく優秀な人材が残っていって欲しいと述べる。そのためにはまず才能がある人がアニメ業界に来て、育てていくことが重要であると説明した。
ビジネスセミナーという堅い内容であるにも関わらず、トークイベントは盛況のうちに終わった。来場者の中から将来のクリエイターが登場することも十分にありえる情熱的な内容であった。
[取材・構成:今井晋]
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