地域と伝統とアニメ P.A.WORKS作品に見るコラボ AnimeJapan 2014
3月22日、東京ビッグサイトで開催されたAnimeJapan 2014にて「『アニメ×地域』の最前線~P.A.WORKS作品に見るアニメと「伝統文化」「地域」とのコラボレーション~」が開催された。
イベント・レポート
ビジネス
注目記事
-
「薬屋のひとりごと展」GWに奈良・薬師寺で開催! イラスト・しのとうこによる各巻カバー画&口絵を展示
-
[AnimeJapan 2014ブースレポ] NBC ユニバーサル 「凪のあすから」から「ブラック・ブレッド」
-
「声優と夜あそび」新クール突入! 夜あそびメンバーのプロフィール帳をチェック
ゲストとして、オリジナルアニメで様々な地域とのコラボレーションを実現してきたピーエーワークス専務の菊池宣広さんが登壇した。これまで同社が制作した『true tears』、『花咲くいろは』、『Another』、『有頂天家族』、『恋旅』の5作品をもとに話が進められた。司会は北海道大学観光学高等研究センター教授の山村高淑さんが務めた。
それぞれ異なったストーリーと特徴も持つが、これらの作品には共通するポイントがある。伝統文化とアニメのコラボレーション、地域の伝統や文化が作品に丁寧に取り込まれていることだ。
山村さんはこれについて、ファンと制作者、地域住民が共有可能なものとしての伝統文化があり、それが伝統の再発見、そして創造につながることが作品から見て取れると指摘する。さらに作品を伝統の切り口でさらに3つの特徴に分けてみる。『true tears』と『花咲くいろは』は伝統を作中に描く、『Another』と『有頂天家族』は文化財とのコラボレーション、さらに新たな試みとその展開として『恋旅』を見る。
伝統文化としての祭りについては、ふたつの作品に触れている。『true tears』では実際に存在する城端むぎや祭と曳山祭を参考に冬の祭を描いた。これが、祭の素晴らしさを気付かせるきっかけになった。
一方『花咲くいろは』では、架空の祭をイメージで登場させた。それを湯涌温泉が記念事業として再現ししたとし、「ぼんぼり祭り」が実現した。これが大きな人気を呼んでいる。
最後に、菊池さんはモデルになる地域と関わり方について語った。地域を作品舞台のモデルとして設定するのは作り手のちらの都合だ。そうであるにも関わらず、受け入れ側に喜んでもらえるのは、作品を通して良さを理解してもらうことを常に意識しているからでないかという。
作り手の地域への配慮が成功を生み出しているわけだ。菊池さんは、今後も舞台となる地域にファンになってもらうことを目指したいとセミナーを終了した。
[真狩祐志]
AnimeJapan
/http://www.anime-japan.jp/
《animeanime》
特集
この記事の写真
/