「エンダーのゲーム」ギャヴィン・フッド監督インタビュー“問題はゲームの戦いかただ” 2ページ目 | アニメ!アニメ!

「エンダーのゲーム」ギャヴィン・フッド監督インタビュー“問題はゲームの戦いかただ”

1月18日に映画『エンダーのゲーム』が全国公開となる。映像化不可能とも言われた原作を見事に映画としたのがギャヴィン・フッド監督にお話を伺った。監督の考えるゲームとは?

インタビュー スタッフ
注目記事
  
   全 6 枚 拡大写真

fd

― アニメ!アニメ!(以下AA)
エンダーは、人間そのものを代表しているわけですか?

― ギャヴィン・フッド監督(以下G・F)
人間にはとても親切で寛大なところがあります。それと同時に大量破壊を行ったり、とても暴力的なところがあります。その対極的な要素をうちに秘めている少年がエンダーなのです。彼は、そのバランスを取ろうと自身の中で戦い続けているのです。

― G・F
欠点のもうひとつの側面として、エンダーは戦うことが好きなのです。それは彼のエゴなのです。エンダーは、ゲームだから構わないとそれを追い続けます。
ハリソン・フォードが演じた監督官のグラッフ大佐は、エンダーが持っているその資質をうまく利用します。映画のなかでエンダーが、携帯ゲームで意表をついた勝ち方をする場面があります。友人のアーライはそうしたやり方をずるいと指摘しますが、エンダーはゲームなのだから構わないと言います。まさにそれがグラッフがエンダーを利用する理由です。アーライではないわけです。

fd

― AA
そうしたエンダーを主人公に置くことで、監督は若い人たちに対して何かメッセージを送り出していると考えてよいのでしょか?

― G・F
メッセージと言えるかは分かりませんが、『エンダーのゲーム』をご覧になった観客に願うことは、親と子供がこの作品を鑑賞して議論をしてもらいたい。友人同士でも議論をしてもらいたい。
例えば、戦争についてです。現在、戦争はあたかもビデオゲームのように感じることもあります。最近は無人航空機(ドローン)を使った戦争が実際にあるわけです。CNNのようなテレビニュースだけを通じて戦争見ると真実の一部を見落とします。本物であるとの認識が欠落してしまうのです。
ビデオゲームとの違いは勝ち方の問題です。ゲームはとにかく勝つことが重要です。ゲームは勝てば特典を得られる。

― AA
ゲームと現実は違うと?

― G・F
しかし、実際にはどのように勝つべきか、何が重要かそれを考えて欲しいのです。実際の戦いは、戦いかたがより重要で、どのように戦ったかは次の世代まで記憶されます。大虐殺なども記憶されます。戦いかたというのはとても重要なのです。ゲームはこの戦いかたが欠落してしまいます。

実は私は空手を学んでいます。師はスターン・シュミットと言って日本人以外では初の有段者なのですが、彼に学んだことがそれです。つまりいい戦い方、自分自身にとっても、相手に対して敬意を払う戦い方を学びました。それが大切だと思います。
ただ勝てばいいと思っていればその文化は生き残れないと思います。

『エンダーのゲーム』
2014年1月18日全国公開
配給: ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
/http://disney-studio.jp/movies/ender/

fd

監督: ギャヴィン・フッド
脚本: ギャヴィン・フッド 
原作: 『エンダーのゲーム』 (オースン・スコット・カード)
[出演]
エイサ・バターフィールド、ヘイリー・スタインフェルド、ベン・キングズレー 
ヴィオラ・デイヴィス、アビゲイル・ブレスリン
ハリソン・フォード

[ストーリー]
「エンダー・ウィッギンは禁断の“サード(第三子)”として生まれたために、友達もいない孤独な少年時代を過ごしていた。
だが、彼はエンダー(終わらせる者)という名の通り、宇宙戦争を終わらせ地球を滅亡から救う使命を背負っていたのだ。
敵は、独自に進化し圧倒的な軍事力を誇る昆虫型生命体フォーミック。
その第二次侵攻に備え、世界中から選抜された少年戦士たちと共に防衛軍ベースキャンプのバトルスクールに送られたエンダーは、過酷な訓練によって宇宙で戦うためのあらゆる術を叩き込まれる。たとえ敵であろうと、多くの生命を奪う戦争は許されるのか?
…エンダーは強い疑問を抱き苦悩しながらも、驚くべき速さで戦士として頭角を現し、少年戦士たちの指揮官となる。いつ開戦するかもわからない焦燥感と、絶望的なまでの孤独や重圧と戦うエンダーに、最終戦争の時が迫る。
そこには純粋な彼の心を破壊しかねない、衝撃のエンディングが待ち受けていた…。」

fd

fd
  1. «
  2. 1
  3. 2

《animeanime》

特集

この記事の写真

/
【注目の記事】[PR]