ジャパンエキスポ初の北米進出 日本からフランス、そして米国 その成果は
フランスから米国に進出した日本のカルチャーイベント ジャパンエキスポが、シリコンバレーの真ん中で初開催された。3ヵ国が関わったこのイベントはどのようなものだったのか。
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イベントはフランスからのメンバーと米国でのメンバーの混成チームが運営するという。日本文化を国境を越えた2ヶ国が紹介するユニークな試みとして、開催前から注目されていた。そのこれまでにない試みの結果はどうだったのか?現地での取材ルポを届けたい。
大型イベントの成果として、よく使われるのは期間中の来場者数だ。しかし、ジャパンエキスポUSAは、ここではやや微妙な結果であった。来場数はまだ発表されていないが、2013年は23万人となったフランスのジャパンエキスポより一桁以上少ない、かなり控えめな数字になると見られる。
開催第1回であることがやはり大きく響いた。フランス、日本ではよく知られたイベントの名前も、米国人にはあまり馴染みがない。一方で、FacebookやTwitterを使った情報提供はあったものの、現地のファンや地域での告知活動はほとんど行われていない。当初より動員目標はさほど高いわけでなかったが、ソーシャルメディアの役割に過度に期待し過ぎて、十分な結果を残せなかったとの印象を受けた。
それでも週末には華やかなコスプレイヤーが数多く、会場に姿を見せた。現在大ヒット中の『進撃の巨人』や『ソードアート・オンライン』などの新しい作品だけでなく、『美少女戦士セーラームーン』、『らんま1/2』、『トライガン』、『ポケモン』といった定番キャラクターのコスプレも数多い。近年の米国のアニメイベントの特徴であるゲームキャラクター、『スターウォーズ』といった非日本コンテンツのコスプレも多く見られた。
また、初回にも関わらず、VIZ Media、ファニメーション、クランチロール、エンプレスといった米国の大手マンガ・アニメ企業の参加があった。ゲストにもアニメーターの貞本義行さん、プロデューサーの南雅彦さん(ボンズ代表取締役)、アイドルユニット でんぱ組.inc、アニメ評論家の氷川竜介さんといった日本からのゲストも姿を見せ豪華だった。こうしたところはジャパンエキスポのブランドの大きさによるものだろう。来場者には十分な満足感はあったに違いない。
今後の課題も少なくないが、イベントのコンセプト自体の評価は悪くない。英語圏最大のアニメ情報サイトを運営するAnime News Networkのクリス・マクドナルド編集長は、「アニメ・マンガだけでなく、日本のポップカルチャーや伝統文化をひとつの場所で紹介することは他の場所にはなく、よいアイディアだ」と話していた。
確かにアニメ・マンガだけでなく、日本の伝統文化、食やファッション、あるいは観光の魅力を紹介したコーナーを大きく設けたイベントはこれまであまりなかった。実際こうしたコーナーも人を集めていた。
アニメ・マンガ以外の分野も含めた日本から企業、団体、アーティストの参加の多さもジャパンエキスポ USAの特徴である。日本側からは、日本文化のハブとして役割を期待されていることが分かる。
また、当初懸念されたサンタクララという開催地も、会場としては悪くなかった。シリコンバレーの中心地、サンフランシスコ近郊ということもあり、新しい文化に興味ある人が少なくない土地柄だ。また、日本人も少なくない。気候も会場周辺の環境もいい。2年目以降のさらなる発展を期待したいところだ。
[数土直志]
ジャパンエキスポ
/http://www.japan-expo.org/
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