■ 「恋と軍艦」：西炯子先生続いて紹介するのはこちら、「恋と軍艦」です。作者の西炯子さんは他にも素晴らしい漫画を多く描いているので、ご存知の方も多いでしょう。非常に特徴ある作風の漫画家さんだと思います。西炯子さんの漫画を読んでいる時の感覚は、小説を深く読みいっている時の感覚と近いものがある気がします。
さて、今回オススメする「恋と軍艦」は、現在「なかよし」にて連載中の漫画です。簡単なあらすじをお話します。
―主人公・香奈は、東京から祖母の住む小舟町に越してきた中学１年生。優しいイケメン町長に恋心を抱いていた。しかしそんな町長は、不良っぽいエロまんが家とお泊りする仲で…？香奈のクラスメイトでちょっと変わり者の晶も加わり、女子中学生２人とオトナな男性２人を中心に物語は展開していく。
主人公は普通の女子中学生。両親は不仲で、クラスではよそ者扱いされて馴染めない。そして優しい年上の男性に恋をする…という、実に王道。王道の少女漫画の設定のはずが、町の抱える問題や、オトナと子供の複雑な事情が混ざりあって、少々ビターなテイストになっています。読んでいて苦しくなるくらい、「面倒くさい人間の事情」というものをリアルに描写した作品です。
男性二人がお泊りしたり、おそろいの香水をつけたり、魚の小骨を取ってあげたり、ちょっぴり怪しい関係…というのも、とても美味しいです。決して私が妙なフィルターをかけているわけではありませんよ？
表紙も毎回とても御洒落。現在既刊は4巻ですが、読み応えのある漫画です。じわりと味の残る漫画を読んでみたい方にオススメします。
