「誰もがザンネンで、誰もがヒーロー」後編 『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』 元永慶太郎監督インタビュー 2ページ目 | アニメ!アニメ!

「誰もがザンネンで、誰もがヒーロー」後編 『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』 元永慶太郎監督インタビュー

『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』 元永慶太郎監督インタビュー後編。監督が明かす自分のヒーローからザンネンなところまで。作品にまつわるお話を伺った。[インタビュー取材・構成:野口智弘]

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(C)創通・フィールズ/MJP製作委員会
(C)創通・フィールズ/MJP製作委員会 全 6 枚 拡大写真

mjp――逆にひとつの方向に絞るプランもありましたか?

―― 元永
方向性を絞ってほしいという視聴者もいると思いますし、そういう気持ちも否定しないんですけど、それだけだと息が詰まっちゃうんですよね。あと現代のリアルな戦争ってシリアスな部分だけじゃないのかなと。生死が関わる狂気的な側面もあれば、そのニュースをテレビでぼーっと見てる人たちもいる。
『MJP』ではたまたま最前線で戦ってる人たちにスポットが当たってるんですけど、最前線の人たちも常に戦ってるわけじゃないから日常的な場面もあるんですね。『MJP』の制作中にはディスカバリーチャンネルとか、海外の軍事ドキュメンタリーをかなり見てい たんです。
この前に『ヨルムンガンド』をやっていたからでもあるんですが(笑)、そういう映像を見ている限りだと、『MJP』の戦争はそっちに近い形かなと。さっきバラエティ感と言いましたけど、その一方でドキュメンタリー感も大事にしています。

――映画の『ハート・ロッカー』でも地雷除去という危険な任務なのに、それもある種の日常という描写がありましたね。

―― 元永
そうそう。あの映画に出てくる連中って任務はしっかりやるけどアホじゃないですか(笑)。
それぞれ悩みもあるんだけど、戦場だからって毎日鬱々としてるわけじゃない。そういうことの延長線上に、この作品ならではの部分があればといいかなと。

――前向きな作品にしたいとのことですが、具体的に死の描写はありますか?

―― 元永
それはあります。ただその死をどう受け取るかということのほうに意味があるので、単なる悲しさよりも、そこから彼らがどう感じて動いていくかに重きを置いています。
人がいなくなることの意味もちゃんとわかった上で、吉田さんたちがストーリーに入れてくれたので、その話数が来たときにはドキッとするんじゃないかと思いますけどね。

mjp――序盤の見どころは?

―― 元永
第6話までがひとつの大きな区切りになっていて、ここまでで一度キャラクターの成長が描かれるんですね。スズカゼとか上司にあたる人間たちも悩んでいる様子が見えてくるし、この辺まで見てもらえると『MJP』の面白さがより深みを増すかなと思います。スタート前に発表されているビジュアルとはちょっと違う方向に進むはずなので、それについて来てもらえるかどうかですね。

――最後に視聴者へのメッセージをお願いします。

―― 元永
キャッチコピーの)「ザンネンだっていいじゃない」というのが本当の気持ち。たいていメカに乗る主役ってどこか憧れちゃう人で(『機動戦士ガンダム』の)アムロと言えどもヒーロー的なものを持っている。ただその繰り返しをやってもしょうがないので、僕らなりのヒーロー感を新しくこの作品で描ければいいな、という気持ちですね。
さっきも言いましたけど手の届くヒーローにしたいし、裏を返せば誰でも本当はヒーローになれるんじゃないかという気がするんですね。親から見れば子供はヒーローだろうし、子供から見ても親はどこかヒーローですよね。アニメファンだって仲間と好きな作品を語ってるときはヒーロー的に熱いけど、ひとりになった瞬間はそうでもない。だからそれぞれの形でヒーローとしての熱さを表現できればいいかなと。主人公のイズル君なんかはわりと
そういうタイプかなと思います。

――「ザンネンだっていいじゃない」は「熱かったらかっこ悪くたっていいじゃない」というメッセージ?

―― 元永
うん。というところはあるし、その熱さの表し方にしても「これしかいけない」というのはない。それをこのアニメで表現したいなという気持ちですね。
いろんなキャラクターが出てきますけど、みんなに居場所があるよと。敷居の高いアニメじゃないので、そういう作品として楽しんでくれれば嬉しいですね。

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『銀河機攻隊 マジェスティックプリンス』
2013年4月4日より、TOKYO MX、テレビ神奈川、KBS京都ほかにて放送開始
公式サイト / http://mjp-anime.jp/
公式Twitter /https://twitter.com/MJP_anime

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