ショート作品やアプリから見た「アニメの未来」 村濱章司、新海岳人、谷東クロストーク TAF2013
3月22日、東京国際アニメフェア2013の小ステージにて、パネルディスカッション「アニメーションの未来」が開催された。トークはアニメ製作会社DLEの主催によるものだ。
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LMDの村濱章司さん、アニメーション監督の新海岳人さんと谷東さんらがゲストに登壇。近年注目されるショートアニメやアプリのコンテンツとしてのアニメの未来について語った。
谷監督はDLEの所属で『テルマエ・ロマエ』や『ピューと吹く!ジャガー』などで監督を務めてきた。Flashで制作しているが、アニメ化発表の際には「ガッカリされるとこから始まる」と話す。その反面、「またDLEかよ!って言われるのが楽しくなってる」と。4月からは『みにヴァン』といった作品を手がける。
新海さんは『かよえ!チュー学』や『プッとべ!プ~デル』などの監督として活躍する。昨年からフリーで活動を始め、4月より法人を設立するという。『かよえ!チュー学』はターゲットを20代から30代に設定しているという。また、ショートとしての尺の長さは、YouTubeの公式で見ることに適しているという。
そして村濱さんは、アニメ製作会社GONZOから独立してLMDを立ち上げた。現在は、スマートフォンのアプリやキャラクター開発にも力を入れている。『ギター少女!』や『萌え発電きららとふうか』といったコンテンツだ。
一方で、ネットでの配信によってブルーレイやDVDなどのパッケージビジネスが難しくなっているのが現状と語る。さらにそもそもパッケージで回収できるビジネスモデルの方が長期的にみると稀であるという。長年映像ソフト向けのアニメビジネスに経験が深い、村濱章司さんだけにその言葉も重い。
ショートアニメやアプリの強みはそのスピード感かもしれない。谷さんは『テルマエ・ロマエ』の第3話を、1話放送後のTwitterでの反応を見たうえで制作したと明し、驚かせた。
これに対して村濱さんはTwitterやFacebookの広がりで広告宣伝費がかからない時代になったことを挙げ、時代の変化を指摘した。ただし、一時期はそれだけでうまくいくと思っていたが、一方でテレビなどの媒体の力による仕掛けも必要だという。それぞれが異なる役割を持っていることを指摘する。
新しい分野であるがゆえのトラブルもある。村濱さんは、あるライセンスを預かってアプリを開発したら日本でしか配信出来ないと言われたことがあったという。言語のローカライズが出来れば全世界に営業が可能な時代に商圏を切ってしまうのではと危惧する。
また今後のコンテンツビジネスについては、単価200円、300円で成立するビジネスモデルが必要と指摘する。「昔はマンガが売れたらアニメになった。小説が売れたらマンガになった。今は細々と挑戦出来るのがいい」と語る。
今後の仕事について村濱さんは「映像を売らないのならキャラクタービジネス」と話す。新海さんも「キャラクタービジネスをやっていきたい」と答えた。谷さんは原作のある作品を多く扱うことから「原作のファンと原作者を裏切らない」ことを念頭に置いて仕事をしたいとした。
[真狩祐志]
東京国際アニメフェア2013
/http://www.tokyoanime.jp/
《animeanime》
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