ゆうばり国際映画祭、大雪で波乱のオープニングも今年も無事開幕
23回目を迎える「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 2013」が2月21日(木)に開幕し、メイン会場となる夕張市内のアディーレ会館ゆうばりにて開催された。
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1990年に始まった同映画祭は日本で最も成功した地方映画祭として多くの映画人を輩出し、高い評価と集客力を誇っていたが、同市の財政破綻をきっかけに一時中断。2008年から有志の市民を中心に復活した。今年は過去最大の145作品が上映される予定で、特に若手クリエイターの育成を目的としたオフシアター・コンペティション部門には気鋭監督たちが作り上げた10作品が出品されており、グランプリを獲得した作品の監督には次回作製作支援資金が授与される。
塚本監督に、昨年『桐島、部活やめるってよ』が大ヒットした吉田大八監督、映画評論家のダーシー・パケット、韓国出身の映画祭ディレクターのアリス・ヨー、そして『マイ・バック・ページ』、『外事警察 その男に騙されるな』などの名脇役・山本浩司の5人の審査員、各出品作のゲストはこの日、北海道入りしたが、現地はあいにくの大雪。例年、新千歳空港から映画祭専用の臨時急行で夕張に向かい、駅で市民や子供たちに出迎えられることになっているが、この日は残念ながら列車が運休となり、一行はバスで市内へ。
それでも市民の温かい出迎えは変わらず! バスが到着するホテルの前に多くの市民が集まり、「おかえり」、「ようこそ」と書かれたカードを掲げて歓迎。同市の北海道物産センターのマスコットで、熊とメロンが合体した恐怖のキャラクターとして話題の“メロン熊”の着ぐるみの姿も見られた。
夕方から始まったオープニング・セレモニーは司会者の「おかえりなさい!」の声にゲストたちが「ただいま!」と返す形でスタート。名誉大会長を務める鈴木直道市長は財政破綻後の同市の厳しい現状を踏まえつつ、「厳しい状況だからこそ頑張る姿が輝く」と語り、「一歩その先へ」という今年のテーマを掲げた。
塚本監督がオフシアター・コンペティション部門で審査員に名を連ねるのは、栄えある第1回以来のこと。「昔は“自主映画”という感じで楽しく審査しましたが、いまは変わって“オン”と“オフ”の区別もなくなってきており、(候補作の監督たちは)同業者という気がします。いまは真っ白ですので、真面目にしっかり観せていただき、真剣に話をして選びたい」と意気込みを口にした。
オープニングを飾るのは、デビュー監督作『レザボア・ドッグス』('93)が上映されるなど同映画祭とゆかりの深いクエンティン・タランティーノ監督の最新作『ジャンゴ 繋がれざる者』。上映前には先日まで日本にプロモーションのために来日していたタランティーノ本人からのビデオメッセージも到着! 映画祭のハッピ姿で「メロンでも食べながら観てくれ!」と語る姿に会場は笑いに包まれた。
「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭」は同市内の複数の会場にて、2月25日(月)まで開催。
【ゆうばり国際映画祭】大雪で波乱のオープニングも、今年も無事開幕!
《text:cinemacafe.net》
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