「映像化不可能」の小説の映画化に『マトリックス』監督「不可能はない」
『マトリックス』のラナ&アンディ・ウォシャウスキー監督と『ラン・ローラ・ラン』のトム・ティクヴァ監督が3人で共同監督を務めたSF大作『クラウド・アトラス』を携えて来日。記者会見を行った。
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映像化不可能と言われたデイヴィッド・ミッチェルの小説を原作とした本作。19世紀から24世紀までの6つの時代で6人の人生を生きる一人の男の魂の進化を壮大なスケールで描き出す。
「映像化不可能」という言葉に対し「よく聞かれることだけど、僕らの答えは『映像化不可能な小説などない』ということだね」とアンディ。ラナは「不可能だからこそやってみたいと思うの」と語り、ティクヴァも「そのチャレンジが私たちを惹きつけたんだ」とうなづく。
主演のトム・ハンクスを始め、キャスト陣はそれぞれの時代ごとに異なる役柄を演じているがアンディは「トムは興奮してたよ。特にこうした役のオファーが彼に来ることはあまりないから、撮影でも楽しんでいたようだったよ」と証言。ティクヴァは「全ての俳優にとって1本映画で6つの役を演じるというのはワクワクする経験であると同時に勇気が必要な仕事だったと思う」と語り、特にトムについて「表情ひとつで悪人から彼の魂が進化していく瞬間を見たとき、これは作り手にとっても素晴らしい経験なんだと実感したよ」と惜しみない称賛を口にした。
命の繋がりや愛といった本質的なテーマを含む本作だがラナは「支配や搾取、別れや差別といったメカニズム・壁を超越する方法を示している」と語る。そして「私たちはストーリーテリングはこうあるべきといった通例や慣例が嫌いです。新たなアプローチを常に心がけています。構成からナレーション、俳優たちが異なる役柄を次々と演じるなど、普通とは違う作品ですが、だからと言って拒否反応を示すのではなく、心を囚われることなく見てほしい」と訴えた。
アンディは「映画を撮り終えてから、この作品は私の人生そのものを反射する鏡のようなもので、自分への教訓が含まれていることに気づいたんだ」と告白。さらにペ・ドゥナ演じるソンミの劇中の言動に触れ「彼女は『世の中にメッセージを出さないといけない』と思うけど、僕らも同様ンの思いで、どんなネガティブな反応があったとしても『この映画を世に出したい』と思ったんだ。特別な作品ができたと思っています」とこれまでにない挑戦に胸を張った。
『クラウド・アトラス』は3月15日(金)より公開。
《text:cinemacafe.net》
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